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    seiu_0428

    @seiu_0428

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    seiu_0428

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    一月ほど前に募集したリクです。お待たせしてすいません。『ビリー君がリヴァース家にお呼ばれしたと聞いて自分もうまいこと口実を作ってお邪魔し、その後も何かとグレイ君の家族と交流して外堀を埋めようとするフェイス君と、まさか自分が狙われてるなんて夢にも思わず『フェイス君と妹が互いに想い合ってる』と盛大に誤解してしょんぼりしつつ応援しなきゃと思おうとするグレイ君の両片思い』
    いつか、フェ視点の書きます

    応援しなければ、と思う。大事な人達同士なんだから。フェイスと妹が仲睦ましく歩いている姿を唇を噛みしめて見ていた。
     きっかけはフェイスがリヴァース家に遊びに来たことからだった。ホリデー中に訪れたビリーからグレイの父のレコードの話を聞いたらしい。なんでも今では珍しい物らしく父の許可を取ってから招待したのだ。父もグレイが同僚を連れてくると嬉々として準備していた。オフが重なった日は偶然祝日で、珍しいことに妹も在宅だった。
    『こんにちは。お邪魔します』
    フェイスは挨拶をして、わざわざ持ってきてくれたお土産を妹に手渡した。
    『これ、ノースのパティスリーのですよね。嬉しい!!』
    頬を赤らめて喜ぶ妹に胸の中で靄がかかった。タイミングよく、父が来てくれたからその日はそれ以上気にせずに済んだ。
     それ以降フェイスはよくリヴァース家を訪れるようになった。父とは趣味があったらしく、レコードの貸し借りをしているようだった。
    「グレイのおとうさんってすごく趣味が良いよね。今だとレアなレコードの保存状態もすごくいいし、丁寧な人だね」
    素敵な人に大事な家族が褒められると嬉しい。素直に頷く。
    「グレイの妹ちゃんもいい子だよね。何度もお邪魔しちゃってるけど歓迎してくれるから嬉しいよ」
    ドキン。心臓が大きくなった。なんだろう。まさか不整脈だろうか。
    「また、遊びに行ってもいい?」
    もちろん。と、そう答えるしかなかった。靄が大きく広がったように感じた。
     フェイスがやってきて、リビングに通す。妹もいたから3人分のお茶を淹れにキッチンに向かう。なんだか、フェイスが来る日には常に妹がいるような気がする。いつもは友達と一緒にどこか出かけている方が多いのに。
    今日は父がいないけれど好きに見ていいと伝えるように言われていた。趣味の合うフェイスが気に入ったのか実家に戻る度に、今日は来ないのかと聞かれるようになっていた。コーヒーとサブレをトレイにのせて運ぶ。
    「ありがとう、グレイ」
    「ありがと。ここのサブレ美味しいんだよね」
    「へぇ、いいこと聞いたな」
    隣り合ってサブレを齧る二人は美男美女カップルに見える。多分、妹は兄の欲目なんだろうけれど。
    ふと、二人の間に置かれた本が視界に入った。見覚えはある。なんだっけ、と覗き込むと灰色混じりの黒髪の兄妹が写った写真が綺麗に並べられていた。昔のアルバムだ。
    「掃除してたら出てきたの。懐かしいでしょ?」
    懐かしい。開かれているページはまだ母が存命中のころの写真で、幼い弟妹達の姿に懐かしさよりも寂しさが勝る。このころはお兄ちゃん、お兄ちゃんと後を追ってきてくれたのに、今ではグレイよりも頼りになる子たちだ。
    「アハ、この写真みんなそっくりで可愛いね」
    フェイスが指さしたのは3人で母お手製のレモンパイを頬張っている写真だ。確かに似ている。まだ妹の髪も短いからなんだかマトリョーシカみたいだった。
    「美味しいんだよ、母さんのレモンパイ。……あ、お兄ちゃん作ってよ!」
    「俺も食べてみたいな」
    少し困惑する。身内ならまだしも、フェイスに食べさせられるようなものでもない。でも、残念そうにするフェイスに申し訳なさが勝って、つい了承してしまった。今は材料がないから作って持っていく、ということになった。同じタワーに住んでいるからできることだ。作り立てを貰えないとわかった妹は文句を言っていたが、フェイスに宥められて大人しくなっていた。ズキンと心臓が痛む。グレイよりよっぽど兄らしいフェイスに妹を取られた気分になって悔しいのかもしれない。フェイスは自分なんかが嫉妬できるような人じゃないのに。
    「グレイのレモンパイってビリーは食べたことあるの?」
    帰り道、ポンと投げられた質問に瞬く。意図が理解できなかった。家族以外にパイを振舞った事などないし、ビリーの潔癖を知ってからはさらに彼に手作りを振舞うことは意識してしなかった。いい子だから無理をさせてしまうかもしれないからだ。
    「アハ、ビリーはそこまでいい子じゃないと思うけど……そっか」
    嬉しそうな様子のフェイスに小首を傾げる。それに気づいたフェイスが男のグレイでもうっとりしてしまうほど綺麗な笑みを浮かべた。
    「グレイの実家の味を家族以外に初めて食べれるのが嬉しいんだ」
    頬に熱が溜まる。こんなのグレイだって赤くなってしまうんだから、女性が夢中になるのは当然だと感じた。
    「楽しみにしてるね」
    部屋の前で別れる。イーストセクターの部屋に入って。ドアが閉まる音を聞くと途端に腰が抜けた。驚いたビリーが駆けよってくる。自分が何故腰を抜かしているのかもわからないまま、ビリーに助けてもらいながら自室にまで戻った。
     今日はオフで、フェイスとの約束もなかった。バディをつれてノースの方まで足を延ばして散歩をしていた。ふいに、視界の中に見慣れた背格好の人物を見つけた。フェイスだった。全身黒なんて下手すれば不審者になってしまうのに、フェイスは着こなしていた。ほっそりした身体と長い足を強調していた。誰かといるようでなにか話している。挨拶してもいいだろうか。でもオフだろうし人もいるなら邪魔しない方が良いだろうか。少し迷いながらも近づく。近づいたからフェイスの同行者の顔を見えてしまった。
     驚いて、とっさに隠れてしまう。同行者は妹だった。確かに仲がいいし、年も近い。もしかしたら付き合っているのか、もしくは両片思いという状態かもしれない。ドッドッド、と心臓が騒ぐ。合間にズキズキ痛むのは何だろうか。驚きのあまり心臓まで痛くなったのだろうか。思えば、フェイスの来る日は妹がいたし、フェイスがグレイと仲良くしてくれたのは妹と親しくなりたかったからかもしれない。そう思えば、フェイスがグレイに浴してくれた理由も納得できてしまった。少し、泣きそうなのは友達になれたと感じていたフェイスが妹狙いだったからか。
    応援しなければ。大事な人たちが幸せならグレイも嬉しいのだ。二人が親しくなったり、二人っきりでいられるように、グレイが頑張らねば。
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    seiu_0428

    DONEフェイグレワンライ【夜】【悪戯】で書かせていただきました。
    寝てるグにちょっとエッチないたずらするフェ。R-15
    このあと滅茶苦茶シた 目が覚めた。まだ夜で起きるには早すぎる時間だった。寝る前は暖かったはずの室内はとっくに冷え切っていて布団の隙間から入り込んでくる冷気に身体を震わせた。目の前のフェイスよりも背は高いはずなのにどこか小さく見えるグレイの身体を後ろから抱きしめる。寝ているせいかいつもは体温の低い彼の身体は暖かい。首筋に顔を寄せると石鹸とグレイの匂いが混ざった柔らかい香りが鼻を擽った。
     ふと、悪戯心が沸き上がった。長くて癖の強い髪をかき上げてうなじを露出させる。触れた白い首筋は乾燥してしまっていて、また手入れをしてあげなくちゃな、と心のメモ帳に記入する。髪をかき上げたまま唇を寄せる。味わうように軽く口づけ、吸い上げる。綺麗についた赤い花に満足そうに笑う。グレイの髪の長さなら突風が吹かないかぎりバレはしないだろう。目ざとい悪友なら気づくかもしれないが、からかいの矛先は自分に向くから無視すればさほど問題ない。いくつらか口づけを落とす。そのたびに赤い花が増えて満たされる心地がする。
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    seiu_0428

    DONE一月ほど前に募集したリクです。お待たせしてすいません。『ビリー君がリヴァース家にお呼ばれしたと聞いて自分もうまいこと口実を作ってお邪魔し、その後も何かとグレイ君の家族と交流して外堀を埋めようとするフェイス君と、まさか自分が狙われてるなんて夢にも思わず『フェイス君と妹が互いに想い合ってる』と盛大に誤解してしょんぼりしつつ応援しなきゃと思おうとするグレイ君の両片思い』
    いつか、フェ視点の書きます
    応援しなければ、と思う。大事な人達同士なんだから。フェイスと妹が仲睦ましく歩いている姿を唇を噛みしめて見ていた。
     きっかけはフェイスがリヴァース家に遊びに来たことからだった。ホリデー中に訪れたビリーからグレイの父のレコードの話を聞いたらしい。なんでも今では珍しい物らしく父の許可を取ってから招待したのだ。父もグレイが同僚を連れてくると嬉々として準備していた。オフが重なった日は偶然祝日で、珍しいことに妹も在宅だった。
    『こんにちは。お邪魔します』
    フェイスは挨拶をして、わざわざ持ってきてくれたお土産を妹に手渡した。
    『これ、ノースのパティスリーのですよね。嬉しい!!』
    頬を赤らめて喜ぶ妹に胸の中で靄がかかった。タイミングよく、父が来てくれたからその日はそれ以上気にせずに済んだ。
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    seiu_0428

    DONE久しぶりに参加させていただきます。お題【夜明け】で書かせていただきました。付き合ってるアグで夜明けの海行く話です。
    アシュグレワンドロワンライお疲れさまでした。あまり参加できませんでしたが、毎週楽しませていただきました。
     不意に目が覚めた。隣のスペースではいつものようにジェイがいつものように鼾をかいていて、うるさい。何故かいやに目が冴えてしまって上体を起こす。スマホで時間を確認すると3:30を表示していた。眩しさに目を細めながら、ベッドから抜け出す。もう一度眠れそうにもない。今日は幸いにもオフだ。一度日課のランニングをしてから、ツーリングに行こうときめた。クローゼットからトレーニング着と適当に服を取り出し着替える。一々戻って来て鼾を聞くのも馬鹿らしい。荷物と服はリビングに置いておけばいいだろう。別に気遣っているわけではないが、物音を立てないように部屋を出た。
     ザァと熱めのお湯を浴びながら一息つく。明け方前と言えど、夏場はそれなりに暑い。コンクリートで覆われたニューミリオン、特にセントラルエリアは他のエリアよりも余計に暑く感じる。逆に色合い的に涼しいのはブルーノースで、グリーンイーストは自然が多いせいか涼しく感じる。コックを捻りシャワーを止める。この後、グリーンイーストの海岸線に行こう。そうと決まれば、とタオルを手に取る。洗剤が安物なのが気に食わないが、ロボットの仕事は丁寧らしく、及第点くらいの手触りだった。粗方身体を拭いて、私服を着る。
    2358

    recommended works

    mamedaihuku228

    DONEビリグレ小説②
    遠距離恋愛みたいなことしてるビリグレ。
     まだ肌寒さが残る早朝。珍しく薄い霧がエリオスタワーを包み込み、ロビーにいたビリーは少しでも寒さがマシになるよう、黒の手袋越しに両手を摩っては温めるように息を吐いた。ヒーローである事を示す黒を基調とした制服は、もうそろそろ上着を脱いでもいいぐらいの季節だが、今朝の気温で半袖は身体を冷やしてしまうし、かといって昼になれば長袖ではうっすらと汗を掻いてしまう。なんとも複雑な季節である。
    誰もが憧れるヒーローの居住地でもあるのだから、タワーの中ぐらい常に適切な温度を保ってくれればいいのだが、エコだとかなんとか環境とやらで、ある一定の時間はロビーなどの一部の室内機は切られているようだ。前にジャックとジャクリーンが言っていた。
     そんな事をぼんやりと考えながら、受付もいない無機質な空間のロビーで、ビリーは静寂に包まれながらジッと待っていた。
     前に届いたのは二日前。その前は四日前。そのもっと前はいつだったか。指折り数えるのも嫌になってしまった。
    受付の椅子に適当に座って、スマホのアプリ画面をタッチして、ログインボーナスを受け取る。そして日課のミッションをこなし、イベント限定のガチャを引く。もうそれ 8219

    かも🦆

    MAIKING年の差と処女であることを気にしちゃう🧁ちゃんのお話 (ビリグレ♀)

    未完です!!!!(最重要項目)
    まだ別垢で作品あげてたときのやつ見つけたので供養。いつか完成させたい。まだおせっせしてないから年齢制限は付けません。
    「うぅ...」

    少し前に恋人になったビリーが情報屋の仕事で部屋を空けているとき、グレイは部屋を暗くしパソコンと向き合っていた。
    その画面には【年上 彼女 処女】と検索された結果が映し出されていた。

    「やっぱり...めんどくさいよね、はぁ...」

    【年上彼女はめんどくさい、処女だと尚更】
    【変に期待されるから萎える】
    【やっぱ若い子の方が嬉しい】
    そうしたマイナスの言葉が羅列しており、自分で検索をかけたことを少し後悔しそうになった。
    付き合いたては手を繋ぎ、少し経てばハグやキスもした。そこまで来ると、やはりもっと先に進みたいと思うのが当たり前である。
    ただ、グレイはビリーが初めての友達であり恋人であった。
    先のこと、つまりセックスをしたことがなく25歳になっても処女である自分にコンプレックスを抱いていた。
    さらに、相手は6歳も年下の未成年だ。
    年上で処女、グレイはそれらのことを気にしていたのだ。

    「...だめだ、またネガティブグレイって言われちゃう...でもなぁ、はぁ...」
    「そうそう、ポジティブグレイにならなきゃだめだヨ〜!」
    「ふぇ!?」
    「にひひ、ただいまグレイ♡」
    「お 1867

    seiu_0428

    DONE久しぶりに参加させていただきます。お題【夜明け】で書かせていただきました。付き合ってるアグで夜明けの海行く話です。
    アシュグレワンドロワンライお疲れさまでした。あまり参加できませんでしたが、毎週楽しませていただきました。
     不意に目が覚めた。隣のスペースではいつものようにジェイがいつものように鼾をかいていて、うるさい。何故かいやに目が冴えてしまって上体を起こす。スマホで時間を確認すると3:30を表示していた。眩しさに目を細めながら、ベッドから抜け出す。もう一度眠れそうにもない。今日は幸いにもオフだ。一度日課のランニングをしてから、ツーリングに行こうときめた。クローゼットからトレーニング着と適当に服を取り出し着替える。一々戻って来て鼾を聞くのも馬鹿らしい。荷物と服はリビングに置いておけばいいだろう。別に気遣っているわけではないが、物音を立てないように部屋を出た。
     ザァと熱めのお湯を浴びながら一息つく。明け方前と言えど、夏場はそれなりに暑い。コンクリートで覆われたニューミリオン、特にセントラルエリアは他のエリアよりも余計に暑く感じる。逆に色合い的に涼しいのはブルーノースで、グリーンイーストは自然が多いせいか涼しく感じる。コックを捻りシャワーを止める。この後、グリーンイーストの海岸線に行こう。そうと決まれば、とタオルを手に取る。洗剤が安物なのが気に食わないが、ロボットの仕事は丁寧らしく、及第点くらいの手触りだった。粗方身体を拭いて、私服を着る。
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    ゆんゆん

    DONE・設定ガバガバなオメガバースパロのビリグレです
    ・後からグレイがアカデミー時代にモブから性暴力を受けた描写が出てきます
    ・時系列は10章後のつもりですが今後の展開と食い違う可能性があります。ガバガバ設定なので許してください。
    ・その他色々注意なので閲覧は自己責任でお願いします
    ガバガバースなビリグレ① 甘い、匂いが包む。

    橙色の髪を揺らしながら青年は顔を上げた。スン、と鼻を鳴らして空気を吸い込む。

    (甘い……?)

    首を傾げた。こんなに甘美に香るものが、この部屋にあっただろうかと。
    濃いオレンジ色のレンズ越しに辺りを見渡す。ルームメイトとも完全に打ち解けてゴーグルを外す頻度も増えたとはいえ、長年の癖はなかなか抜けるものではない。彼の視界は既に色づいた世界の方に慣れきってしまっている。そんなわけで今日もまた例に漏れず、彼は愛用のゴーグルでその瞳を覆っていた。
    横たわっていたハンモックから身を起こして一つ伸びをし、考える。
    自身の小綺麗なスペースに置いてあるものはだいたい把握している。ここにある甘いものといえばキャンディくらいであるが、どのフレーバーも自分が気になるほどの香りを発するものでは無いはずだ。
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