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    ヴィーノ

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    ヴィーノ

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    ご、語彙力がなさすぎる……!!!
    人ならざる秋山が品田をどうにかして自分のモノにするってことなんですねぇ。

    #秋品
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    ##秋品

    からんころん、からんころん。

    下駄を鳴らして歩く浴衣姿の秋山は、どこか不思議で。まるで秋山の周りだけが切り取られたかのように静かだ。

    からんころん、からんころん。

    どこで誂えたのか紅い浴衣は秋山にぴったりと似合っていて、まるでずっと昔からその着物を着ていたみたい。こちらを振り返って笑う秋山は、チョイチョイと手を振った。少しばかり遅いこちらが気に入らないのだろう。慌てて秋山の傍に行けば、満足したようにまた歩き出す。

    からんころん、からんころん。

    ざわざわと祭り特有の騒がしさが、いつの間にか消え失せていた。周りを見れば、静かな木々と鳥居、そして神社がある。立派な鳥居に思わず足を止め、見上げてみれば秋山は「口開いてる」と言って笑った。ばっと口を塞いで、秋山をじとりと睨みつけた。

    「あはは、ごめんごめん!あんまりにも間抜け面だったからね」

    「ちょっと、秋山さん???」

    「怒んないでよ、ほら。ね?」

    手を差し出される。自分はそれを握って、あの鳥居を潜るのだろう。

    ――けれど、なんだか、おかしい。

    小さな不快感。ひとつひとつはさほど気にならないけれど、1度気にしてしまえば目をそらすことは出来ない。
    どうして、今、自分は秋山と一緒にいるのだろう?
    どうして、今、自分はお祭りに来ているのだろう?
    どうして、今、自分はここに居るのだろう?

    ここは、一体どこだ?

    「品田」

    ハッとして、秋山を見上げた。いつの間にか地面を見つめていたらしい。秋山は少しだけ悲しそうな、それでいて困ったような顔をしながらなおも手を差し出し続ける。

    「品田」

    あぁ、そうだ。そうだった。早くこの手を取って歩かねばならないのだ。
    急かすような声に、品田は秋山の手を握って照れたように頭をかいた。なんだかずっとこうしていたかったように思える。自分は、秋山の手を取りたかったのだろうか?

    「さ、行こうか」

    「――はい、秋山さん」

    さっきまでの疑問や疑念が全て消え失せた品田は、ただ虚ろな瞳で綺麗に微笑んだ。
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