Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    ねこまんま

    @GWT60624633

    GW:T K暁
    ねこが自分の食べたいものを自炊するところ🍙

    ☆quiet follow Yell with Emoji 🍙 🍚 🍡
    POIPOI 51

    ねこまんま

    ☆quiet follow

    バタンキューな暁人をkkが介抱する話
    4章後半のk暁
    残念ながらイチャイチャはしない
    N番煎じ

    #K暁

    霧を突っ切る方法を見つけ、ガソリン、タービンホイール、そして冥界の香油を集めたところで暁人が倒れた。
    俺はふらふらとする暁人の身体をなんとか動かし、一旦ベンチで横になる。

    無理もない。もともと事故で死にかけてた身体に俺が入って無理矢理霊力を使わせている。飲み込みが早いので忘れそうだがどれも一日で使いこなせるような技ではない。
    適宜回復しているとはいえ、霧や穢れにも触れている。
    何よりこの雨だ。いくら夏だからと言ってもずっと体が濡れているのは流石に堪えるだろう。

    「僕は大丈夫だよ…KK…早く麻里を助けに行こう」
    気力で立ち上がろうとする暁人の意識を抑え、無理矢理座らせる。クソッ雨がまた降ってきやがった。
    一旦屋根のあるところでちゃんと寝かせてやりたいが、残念なことにアジトもガレージもそこそこ遠い。このまま暁人の体を引きずっていくのは骨が折れる。

    暁人の意識が薄れているのを感じる。出会ったときであれば、このまま身体を頂くところだったが今となっては…

    暁人の意識に配慮しつつ身体を動かすのは骨が折れる。どうしようかと考えていると突然地縛霊に声をかけられた。
    「あの~あなた私が見えますよね?
    私、このマンションの202号室に取り憑いた霊に呪い殺されたんです!あれを祓っていただけませんか?じゃないと…」
    渡りに船。つまり合法的に202号室に入れるということだ。入れということは鍵は開いているだろう。「おう、やってやるぜ」己のセリフが暁人の声で発せられる。こんな時じゃなきゃ笑えるんだけどな。

    地縛霊の不安そうな視線を背中に受けながらマンションに入る。階段を上がるにも二人分の身体を支えているような負荷が掛かる。

    ヨロヨロしながらも202号室に到着した。郵便受けから何やらオーラが漏れ出ている。このまま入って大丈夫かと不安が過ぎったがそれよりもさっさと祓って暁人を休ませてやりたかった。
    中に入る。オーラは奥の部屋から流れ出ている。祓い用の札を構えながら進む。
    部屋からは紙をめくるような音が聞こえてきた。
    思い切ってドアを開けるとそこには女の霊が居座っている。
    漫画を読みながら。

    「なんだ?お前」
    聞くと隣の部屋に住んでいた女の霊らしい。
    「隣人を呪い殺して居座っていたのか?」
    「違いますよ〜間違って部屋に入ったらびっくりさせちゃったみたいで…」そのまま心臓麻痺で逝っちまったらしい。可哀想に。「ちゃんと119したんですよ?」知るか。

    面倒なのでとっとと祓ってやる。

    ホッとしたら力が入らねぇ、我ながらめんどくせぇ身体になっちまったなぁ…と独り言つ。
    体を引きずりながらベッドに横たわる。ようやく暁人の意識を解放しオレは元々の居場所、暁人の右手にもどる。額に手を当てると少し熱い。
    ちょうど手の届くところにタオルがあったので失敬して体を拭く。拭ききれてはいないが濡れっぱなしよりは幾分マシだろう。タオルを放ったら暁人の身体に布団を掛けてやる。
    暁人の意識は戻らない。深い眠りに就いているようだ。「無茶しやがって…」思わず口に出したが無茶をさせてるのは他の誰でもない。オレだ。
    暁人の寝息を聞きながら、なんとなくオレは右手を暁人の頭に当てそのまま撫でてやる。

    お前、よくやってるよ。

    傍から見たら暁人が頭をかいているようにしか見えないだろうが、これが今オレにできる精一杯だ。

    「…父さん…母さん…麻里…」
    暁人の寝言を聞きながらオレは暁人を撫で続けた。


    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ❤☺☺👏👏👏👏☺🙏🙏🙏💘💘💯😭☺❤😭🙏💕😭👏👍👍🙏🙏☺💘💕💖💞
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works

    リキュール

    DONE日本ゲーム大賞優秀賞おめでとうございます!(遅刻)
    おめでたいと祝われるK暁です。本編後KK生存if、『黒猫』より少し前。
    愛したくて仕方がないが我慢していたKK×子供扱いされたくない暁人のお話。
    吉事あれば腹の内を晒せ「(おや、ちょうどいいところに)」

    ふわりと浮かぶ猫又が調査帰りの僕たちの元にやってきて尻尾を揺らした。暗い路地裏、夜も遅いこともあって人通りはないため、周囲を気にせずに堂々と触れる。耳元を撫でると、顔を擦り寄せうっとりとした表情でにゃぁんと鳴いた。これを人がいるところでやると虚無を撫でるヤバい人になってしまうので注意しなくてはならない。あれは結構恥ずかしい。

    あの夜が明け、消えていた人たちが帰ってきた。街の活気が戻り再び多くの人が行き交う渋谷になってからというもの、気がついた時には既に猫又たちはコンビニや屋台から姿を消していた。まあ人間がいなくなりこれ幸いと店を乗っ取っていただけなので、人が帰ってきてしまえば返さざるを得ず仕方がないと言えばそれまでで。だからもう会うことは無いのかと寂しく思っていたら、人気のない夜道や路地裏でひょこっと顔を出すようになったのだ。驚いたが、またあの可愛らしい鼻歌が聞けると思うと自然と顔が緩んでしまう。彼らはいつも見つけられるわけではない。気紛れに現れて、たまに撫でさせてくれて、掘り出し物を売買する。この気分屋な感じ、猫はいつだって可愛いのだ。
    8137