Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    ねこまんま

    @GWT60624633

    GW:T K暁
    ねこが自分の食べたいものを自炊するところ🍙

    ☆quiet follow Yell with Emoji 🍙 🍚 🍡
    POIPOI 51

    ねこまんま

    ☆quiet follow

    初めてのキスはタバコのflavorがするだけの話

    #K暁

    「あんまり吸うと身体に悪いよ」
    夕暮れ時、ベランダで一服しているKKに暁人が声を掛ける。
    「こうやって身体に溜まった穢れを祓ってんだよ、お前も吸うか?」暁人は煙草を勧めてくる手を払い除けながらKKの隣に立ち、人が行き交う街を見下ろす。煙草にそんな効果があったなんて知らなかったな。それにしても。
    「…KKってさ、そうやってまめに祓ってた割には悪霊じみてたよね」
    そう言ってKKの目の前で暁人が右手をひらひらさせると、KKが暁人の脇腹を肘でどつく。あんときは仕方なかったんだよ。
    「マレビトのコアってのは穢れの塊みたいなもんだ。あんまり触ると穢れがこっちにも伝染っちまうんだよ」

    しばらく自分の左手を矯めつ眇めつ眺めていた暁人がKKの横顔を見てポツリとつぶやく。
    「それで、穢れを溜め続けるとどうなるの」
    あの夜を超えて幾日か。暁人の左手には今もコアの手触りが残っている。
    「そうだな…普通はせいぜいマレビトになれる程度だが、頑張って溜めれば悪霊になれるぞ」KKがそう答えれば「…悪霊ってポイント制なんだ」と暁人は思わず吹き出す。
    そのまま紫煙を燻らせ続けるKKと暁人の間にゆるりとした時間が流れていく。

    「…やっぱり一本頂戴」
    「吸わないんじゃなかったのか」
    「吸ったことはないけど、マレビトにはなりたくないしね」暁人はそう言いながらKKに火の点け方を教えてもらうと、そのまま大きく吸い込み、盛大に咽せる。
    「ま、お暁人くんはお子ちゃまだからな」お約束通りの展開に満足したKKは涙目の暁人の顔を覗き込み、声を潜める。
    「大丈夫だ、オレがお前の穢れを吸ってやる」
    そう囁くと暁人の柔らかい唇に自分の唇を重ねた。


    「…ん…なんか苦い」
    「…大人の味だろ?」
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ☺💖💯🙏🙏☺👏💘☺👍👍💒💞🍑💕🙏👍❤😊💕☺☺☺
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works

    na2me84

    DOODLE #毎月25日はK暁デー
    参加させていただきました。お題は『匂い』
    厭世的で嫌煙家の暁人くんのお話。
    sensory adaptation 雨の夜が明け家族とも一夜の相棒とも別れて、僕は日常に戻ってきた。妹を取り戻すことは出来なかったから、今までと全く同じという訳にはいかないだろうけれど、とにかく僕は一人生き残ったわけだ。それに意味があるかはまだ分からない。それでも、とりあえず僕がやらなければいけない事がまだ残っている。向こうで両親と共に旅立つのを見送った妹の現世での抜け殻に病院で対面し、身体も両親の元へと送り出した。その日は青空にふわりと薄い雲が浮かぶ、良く晴れた日だった。この世のしがらみを全て捨てて軽くなった妹は、きっと両親と共に穏やかに笑っているだろう。そうであって欲しい。

     追われるように過ごした日々が終わってふと気が付くと、これからどう生きていけばいいのかすら何も考えつかなくて、自分が空っぽになったように感じた。ほとんど物の無い空虚な部屋を見回して、置きっぱなしになっていたパスケースに目が止まる。すっかり忘れていた。あの夜の相棒の形見、最期に託された家族への伝言。これを片付けなくては。彼とは出会いから最悪で途中も色々あったが、最終的にはその関係は悪くなかったと思う。結局のところ、僕にとっても彼にとっても失うものばかりで、得るものの少ない結果だったとしても。
    5680

    りんご

    DONEK暁デー 『いたずら』 そして表題に戻る系。
    そんなつもりなかった二人がその気になる話です。
    せめて飴くらいは手元に置いとけばよかった!「ご飯? お風呂? それとも僕?」
    「オマエ」

    というわけでこの話は終わった。
    「そんな訳ないでしょ! 何考えてんだよKK!!」
    「いや何なんだよオマエ」
    「こっちが何なんだよ だよ!」
    「なんなんなんだよだよだよ」
    「あああ呪文にするなよ…」
    状況を整理するにしても、普通の生活を詳細に描写する程度のことしかできない。今回の依頼はKK単独の小さなものだったので、資料をまとめることで一日を過ごした暁人は、せめて疲れて帰ってくる相棒のためにと彼の自宅にてご飯や風呂の準備をしていた。合鍵を使って堂々と入り、勝手知ったる様子で冷蔵庫を確認し、風呂の栓を抜いておく。暁人があれこれ始めたことで多少は解消されたが、KKのズボラさは相変わらずだ。買うものの算段を付けて、流しに残っていた食器を洗い、一度外へ出る。必要なものを買い足して再び家へ戻り、手早く下ごしらえを始める。疲れている時はとにかく手軽さ手早さを重視したほうがいいだろう。あの面倒くさがりは手の込んだものを食べるくらいなら、そのまま寝かねない。炊飯器のスイッチを押して、玉ねぎと牛肉を切って皿に移しておく。冷蔵庫へいったん入れて、掃除するべく浴室へ向かった。そこからは家主の帰宅まで散らかったものを拾っておく作業だった。
    2601