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    甘味。/konpeito

    800文字チャレンジだったりssを投げる場所

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    本日の800文字チャレンジ
    クロ+リン/一時休戦
    Ⅱ終盤、氷霊窟/あり得たかも知れない因果の話

    「まさかこれほどとは。今までの手配魔獣とは次元がちがうぞ」
     膝をついたユーシスは、傾ぐ身体を支えるように地面へ剣を突き立てていた。
    「くっ」
     後方にいるエマやエリオットの前に立ち、リィンが敵の攻撃を受け止める。四本の腕から繰り出された衝撃で、踏みしめた足が後ろへ押し戻された。
    「こんなところで、こんなところでやられるわけにはいかないんだ!」
     太刀を握りなおし、巨大な魔煌兵へ斬りかかった。しかし、リィンの攻撃は無情にも見えない壁に弾かれる。
     帝都の解放作戦前、リィン一行はユミルを訪れていた。そこで妙な冷気の流れを感じとったリィンは、辿るように到着したユミル渓谷道の最奥で、五つ目の精霊窟を発見した。そして、その最深部で待ち受けていたのは今まさに対峙している、この二対の腕を持った魔煌兵だった。
    「しまった! また攻撃が」
    「まずいっ……」
     アーツの駆動体勢に入っていた敵が、攻撃体勢へ移行する。
    「ふふ。クレセントミラー」
    「させねえよ。フリーズバレット!」
     敵の攻撃から守るようにリィンらを見えない膜が覆い、さらには敵の足元から氷柱が現れた。背後から飛び出してきた背中に息を飲む。クロウだ。
    「ほれ、今のうちに回復しとけ」
    「う、うん。さぁ始めるよ!清廉たる女神の息吹よ……我が旋律に宿り、仲間達に癒しを……フィナーレ!」
     突然の闖入者に動揺が走るも、クロウの一声でその場の空気が動き出す。エリオットにより、どうにか立て直すことができた。
    「さてと、邪魔するぜ」
     双拳銃を懐へ収め、双刃剣へ持ち替えたクロウがリィンに並び立つ。いまだに見慣れない服装に眉が寄った。そんなリィンをよそに、彼はどこ吹く風だ。
    「クロウ、なんでここに」
    「それはこっちのセリフなんだがな。俺はヴィータに付き合わされただけだ」
    「――言いたいことは色々あるが」
    「ま、今だけは一時休戦といこうや」
     双刃剣を構えたクロウに倣い、リィンも太刀を構えた。
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