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    まさよし

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    まさよし

    DOODLEオーカイ 現パロ 社会人してる
     日付が変わってもう小一時間経っている。予定通り進んでいれば今頃はとっくに家に帰ってベッドの中に入っているはずだったのに、現実の僕はほとんど通ったこともないような路上で寒さに震えそうになりながらゆっくり歩いている。原因は隣にいる酔っ払いで、ゆっくり歩いているのもこいつの歩幅に合わせているせいだ。
     カインのことはずっと前から気に入らなかった。第一印象から最悪だった。就活で神経をすり減らしたのだろう陰気な雰囲気の両隣のやつらと違って、まぶしいほどの笑顔で自己紹介を始めたときからずっと。実際に働き始めてからも、例の陰気そうな同期の連中に明るく声をかけて、初対面らしいのにあっという間に仲良くなっていた。先輩や上司からの印象も、ノリのいい元気な、仕事の飲み込みも早い将来有望な後輩、といったもので固まっているようだった。が、もちろん僕はそんな感情は抱いていなかった。僕はあいつに対して、弱みを見つけて壊してやりたい、その評価をなんとかしてどん底まで落としてやりたい、そんな気持ちしか持っていなかった。そのために面倒な仕事をめちゃくちゃな納期で押し付けても、あいつは、勉強になります、の一言で受け入れた。しかも僕の大嫌いなあの太陽みたいな笑顔すら浮かべているのだから最悪だった。
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    まさよし

    DONEオーカイ パラロイ 色々都合よく解釈してます
    普通に付き合ってイチャイチャしてます
    え?日本が舞台?みたいになる描写があるんですが目をつぶってもらえると助かります(?)
    オエが物理的に壊れます 直るけど死ネタっぽいです
     明後日の昼頃に帰る。今回は一週間くらいいる予定だから。
     このメッセージが届いたのが昨日で、要するに俺はこの散らかった部屋を明日までに片付けておかなければいけないということだった。オーエンはいつもこうやって急に帰ってきては、好きな期間滞在してまたどこかに旅に出る。一週間なら長いほうだ。
     オーエンはここに来る時は、帰る、という言葉を使う。半年か一年に一度、長くても一週間だけを過ごすこの家を、自分の帰る場所だと思ってくれている。それを認識するたびに、うれしいような寂しいような、どちらともつかない感情が胸に生まれる。だったらもっと長くいてくれていいのに。たとえば、ずっとここにいて、たまに一週間くらいの旅に出る、それじゃいけないんだろうか。アシストロイドを家族に迎え入れるほどの収入なんてないのに、もしそう出来たとしても仕事ばかりで退屈させることはわかっているのに、そんなことを考えてしまう。
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    まさよし

    DONEアサオズ 現パロです 孤児のアーサーを幼い頃から育てているオズ という感じです ハロウィンの話
     ハロウィンという行事については、アーサーも詳しくはないが知識として知っていた。しかし、自分には関係のないことだと思っていた。ハロウィンでは子どもが街を歩き大人にお菓子をねだり、それがもらえなければいたずらをするのだと、そう聞いていた。アーサーは今年高校に進学した。この歳で街を歩き目についた大人にお菓子を要求して回る、というのは微笑ましいお祭りごとではなく、通報待ったなしの迷惑行為だろう。お菓子をねだられる側にしても、近所に子どもはほとんど住んでいないからおそらく会うこと自体がない。つまりどちらにせよ、アーサーにとってハロウィンは自分とは無縁の行事だった。
     けれど、ハロウィン当日、クラスの女子生徒がアーサーにお菓子を要求してきた。例のまじないのような台詞を口にした女子は、すでに幾人かに声をかけたのだろう、手にお菓子の入ったビニール袋を提げている。アーサーは学校にお菓子を持ってきてなどいなかったので、それを正直に告げると、髪にヘアピンをつけられた。これがいたずらだと言う。そのあとすぐヘアピンは回収されたので、アーサーにとってハロウィンは女子から一瞬ヘアピンをつけられる行事となった。
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    まさよし

    DONEオーカイ オエがありえないくらい知識がなくピュア
    「今夜、騎士様のこと抱くから」

     突然そう言い渡されたカインは当然のように固まってしまった。手に持っていたフォークを落としそうになり、慌てて皿に乗せる。口に運ぼうとしていたタルトのひと欠片が行き場を失ってどこか寂しげに取り残されて、けれどカインがそれを視界に映すことはなかった。そこにはオーエンの、なにか企んでいるような楽しそうな笑顔だけが映っていた。
     付き合おうと言い出したのはオーエンのほうだった。ある日、なんでもないことのように「ねえ、恋人っていうのになろうよ」と言い出したのだ。もちろんカインは戸惑ったが、気づいたときには「おまえがそうしたいなら、いいよ」という言葉を返していた。それまでもオーエンがカインの部屋に気まぐれに現れてはふたりで過ごすことが数え切れないほどあり、いつの間にかその時間を楽しみにしている自分がいたことをカインは自覚していたが、まさか恋人になろうと言われて迷わず了承するほどの好意を抱いていたとは思っていなかった。その日の夜は、今まで知らなかった自分の気持ちと、オーエンと恋人になったのだという事実に頭がいっぱいになり眠れないほどだった。
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