オーエンは、俺の目を奪った、俺の仲間を傷つけた因縁の相手だった。賢者の魔法使いとして共闘することが必要だと頭では理解していても、理性では抑えきれないほどの怒りを覚えていた。俺は今、そのオーエンと付き合っている。
もう一度言う。俺は今オーエンと付き合っている。
誰に言っても意味がわからないと言われるだろう。当事者である俺もそう思っている。人によっては、なにがあったんだと心配してくれるやつもいるかもしれない。実際に、心配されるべきことがきっかけなのでその反応は間違いじゃない。
簡単に説明するなら、無理やり行為に及ばれた。行為というのは……わざわざ説明するのはさすがに勘弁してほしい。無理やり、同意のないことが行われたと思ってくれたらいい。
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