▽
──皆に話がある。
ティアがそう言い出したのは、モンスターと連戦した直後のことだった。
重要な局面でもないのに、軍主が真面目な顔をしてこういった提案をしてくるときは大抵碌なことにならないのだと、シーナは既に知っている。
「ワイバーンを食べてみないか?」
ほら来た。それも、特大の爆弾だ。
シーナは大きくため息をついてみせた。
ワイバーンというと鱗が付いた外皮、トカゲに大きな翼がついたようなモンスターだ。竜種のようにも見えなくもないが、フッチ曰く竜と比べるのも痴がましい、だそうだ。
竜かどうかはともかく、食べようとは思わない造形をしているのは確かだ。何せ、とにかくデカい。角だの爪だのゴツゴツしていて、見た目での印象は筋肉質で固そうだ。
3889