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    mizus_g

    @mizus_g
    パージクとたまにヴェラン 字書き

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    mizus_g

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    5/4超全空で配布した合同ペーパーに載せたものです。
    テーマはおふとん……なのですが普通にベッドです。同衾ネタが大好きです。ユカタヴィラで布団で同衾も夢がある…
    貰って下さった方ありがとうございました!

    #パージク

    5/4超全空無配ペーパー 甘い気配が行き違う。
    「狭いか?」
    「……いや、平気だ。お前こそ窮屈ではないか?」
     手違いにより、今宵はジークフリートとひとつ床で眠ることになった。
     とは言っても、ベッドのサイズは男二人で入ってもそれなりに余裕があるものだ。彼の体温は感じるものの、寝具の取り合いをするほど狭いわけではない。
    「俺は大丈夫だ。すまないなパーシヴァル、俺の確認不足でこのようなことになってしまって」
    「構わん。ベッドサイズがこのくらいであれば、二人で眠るにしても差し支えはなかろう」
    「ああ、……そうだな」
     背中越しに伝わってくるジークフリートの気配が、もそり、と落ち着かぬ様子で身じろいだ。
     本日の夕刻、ジークフリートが予め手配してくれていた宿に到着してみると、通された部屋は大きなベッドがひとつ置かれたダブルルームであった。ツインの部屋に替えて貰えないかと交渉してはみたが今宵は満室で変更は難しいと言われてしまったため、仕方なしに彼と同じベッドで寝ることにしたのだった。
     とはいえ、ベッドはそこそこに大きい。パーシヴァルもジークフリートもそれなりの体格ではあるが、二人で並んで収まっても身体が触れ合わずに済み、控えめに寝返りをする程度の余裕もある。眠るだけと考えれば充分な環境で、まあ問題ないだろう――と、思ったのだが。
    (近い……)
     ジークフリートが、寄ってくる……ような気がする。
     気のせいだろうか。いや、しかし、もっと離れて眠ることも出来るはずだ。そのくらいのスペースは充分にある。わざわざ寄ってきているように思えてならない。
     パーシヴァルはジークフリートに背を向けて側臥位をとり、彼の存在をなるべく気にせずに済むように瞳を閉じた。
     自分も男だ。片恋をしている相手と同衾ともなると、さすがに、多少は、色々と思うところはある。ジークフリートにそんなつもりはないだろうから絶対に気取られるわけにはいかないが、無意味とわかってはいても緊張し、どきどきしてしまう。余計な感情を抑えつつもやはりどうしても高ぶる想いを無視することは難しい。だからせめて眠るその姿態が目に入らぬようにと、こうして背を向けて知らんふりをしているわけだ。
     それなのに、近い。寄ってくる。
    (何故……)
     寒いわけではないと思う。薄手の寝間着で丁度良いくらいの室温だ。何か不安でもあるのだろうか。しかしこの宿の周辺は治安も良く、魔物の姿も滅多に見られないため危険らしい危険は見当たらぬ。ジークフリートほどの男が不安に思うような要素は無いはずだ。
     パーシヴァルはどうしたらいいものか迷い、背を向けた体勢のまま黙っていた。離れろと言うほどのことでもないのでわざわざ拒絶をして変な空気になるのも面倒だ。でも、意図くらいは訊いてみてもいいのだろうか――。
    「……パーシヴァル。眠ってしまったか?」
     背中に、ジークフリートの掠れ声が触れる。
    「……」
     やましいものがあるせいで、咄嗟に反応できず寝たふりをしてしまった。ゆっくりと大きく呼吸をしながら瞳を閉じていると、やがて背中にあたたかいものが触れて押しつけられた。頭か、額か。頬かもしれない。すりすりと擦りつけられている気がする。控えめに、静かに、なんらかの膨大な感情あるいは執着のようなものを伴って、背中にジークフリートが触れている。
     触れているところだけでなく全身がひどく近い、身体のぬくもりが生々しいまでに感じられて肌が甘く燃え立ってしまう。
     このままでは愚しい勘違いをした身体がおかしな反応をしてしまいそうだ。すぐにやめてくれればそれで済む話なのに一向にやめる気配がないので、パーシヴァルは耐えきれなくなってゆっくりと瞳を開け、身体や顔の向きは変えることなく、そのままで口を開いた。
    「おい、ジークフリート。……なんのつもりだ?」
    「……!」
     息を詰めるような呼吸音。
     背後のジークフリートが身じろいで熱が離れ、その気配がこわばる。
    「お、起きていた、のか」
    「あざむいたことは謝ろう」
     黙ってしまったジークフリートに、どうかしたのか、と尋ねてみる。体勢はそのままだ。顔を見たり、向かい合ったりしたら、己の中に潜んでいる埋み火が燃え立ち始めてしまうかもしれない。
    「いや、すまない。深い意味は無いんだが、……」
     布擦れの音と、空気を含んだ躊躇いがちな声音が妙に色っぽくてくらくらした。パーシヴァルはゆっくりと瞳を閉じて知らぬふりを決め込む。彼の気配はまだ近い。動揺したような声を出すくせに離れようとはしない。ベッドのスペースは充分に余っているのに。
    「――構わんが、そういうことは、俺以外にはするなよ。変な勘違いをされるぞ」
    「お前が、勘違い、……勘違い、を……」
     譫言のように呟く声が背中に触れる。
     意味をなさぬ言葉が、曖昧に膨れたため息とともに熱を溜める。
     広いベッドで小さく寄り添い合い、シーツに沈み、寝具の中で黙ったまま、言葉の代わりに手足が控えめに触れ合う。腿の裏に触れている骨張ったものは膝だろうか。背中に触れている小さな熱は指だろうか。息が詰まって目眩がしてくる。瞳を閉じても逃れられぬ。
     身体を返して抱き締めてしまいたいような衝動と、いびつにねじれた高揚、元よりこの身体の底に息づいている彼への恋しさ、行き場の無い愛おしさが、すべて心に絡みつき深く食い込んでいた。動けないし、声も出せない。気をゆるめたら噴き出してしまう。抱き締めて、閉じ込めて、組み敷いて、降り積もった想いを刻み込んでやるようにキスをして、勘違いなんていう言葉で誤魔化せないくらいに徹底的に――。
    「パーシヴァル」
     名前を呼ぶ声が背中に甘く溶けた。
    「……パーシヴァル……」
     引きちぎられそうなぎりぎりの甘さがパーシヴァルの心を追い立てる。手を出してしまうことは簡単で、そうすればこのベッドに満ちている切なさと緊張感をほどくことが出来てしまうのかもしれない。でも、もし、ほんとうに勘違いだったら? ジークフリートが思わせぶりなことを言ったり、時に罪作りとも思える行動をすることは今に始まったことではない。俺はもう何年も彼に片恋をしているからよく知っている。気があるかのような素振りを見せられてその気になってしまい結果的に恥ずかしい思いをしたことや、これは今こそと想いを告白しようとしてきょとんとされてしまったことは、これまでに何度も、それこそ数えきれぬほど記憶にあるのだ。
     だから、やはり、今回だって勘違いだ。ジークフリートだってたまには人肌が恋しいときもあるだろう。その感情に対する慰めとして一夜のあいだ背中を貸してやれば済む話だ。近しい友人として。
     甘く疼く期待を押し殺して、パーシヴァルは己の短絡的本能を叱咤しつつ理性を奮い立たせた。
     寝たふりをしていればいい。問題は無い。
     瞳を閉じて、恋を殺す。滅びることのない恋を。何度目かもわからないくらいに。
    「嫌でなければ、もう少しこのままで居てもいいだろうか……」
     ジークフリートの声は甘く、せつなげだった。
     広いベッドに小さく沈んで、絡まぬ想いが行き違う。
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    mizus_g

    REHABILI去年の秋にいただいたリクエストというかシチュエーションで「去年のイベント後、ウェールズに帰るパに、見えない不安を隠して寂しい気持ちを持っているジ、寂しさを嗅ぎ取ってギュンとくるパ」というものだったのですが想定よりジが素直になった気がしないでもない……けど寂しがるジってかわいいなあ。
    だいぶ時間経ってしまいましたがその節はコメントありがとうございました!

    ※イベント後の出来事については捏造です
     アルバノルムの軍勢が国境近くへ侵攻しているという情報が入ってから、数日。フェードラッヘは陣を敷いた軍勢を下手に刺激することのないようにと国境よりやや手前に騎士団の一隊を展開した。迎撃するには規模の足りぬ小隊であったが、背後の駐屯地にはいつでも援軍を出せるようにと騎士達が詰めている。しかし、敵勢と思しき軍は国境の僅か手前でぴたりと進軍を止め、動きの無いまま既に三日が経過していた。こちらの出方を窺っているか、あるいは何らかの事情があるのか――いずれにしろ攻め入ってこない以上はこちらから仕掛けることに大義は無い。動くに動けぬまま、前線や駐屯地では初日の緊張感が薄れ始めているとのことで、明日になって夜が明けても動きが無いようならば騎士団長であるランスロットが国境に赴いて様子を確認するという予定になっている。
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    mizus_g

    DONEワンライお題「二度目のキス」(時間オーバー)「何を舐めている?」
    「レモンキャンディ……だ、そうだ」
     風の無い夜だった。
     騎空艇の甲板で島々の夜景を眺めながら、ジークフリートはパーシヴァルの質問に対してやや舌足らずな発音で答えた。その口元は咥えた飴玉を転がすことに忙しいようで、喋っている最中にもしきりにうごめいている。
    「どうしたんだ、それは」
    「貰った。団員の土産だそうだ。個包装になったものが食堂に大量に積まれていてな、たくさんあったから俺もひとつ頂いてきたんだ」
    「……そうか」
     パーシヴァルは後ろめたさを抱えながら、ジークフリートの唇をちらちらと横目で盗み見ていた。彼の視線は艇の外、眼下の景色に注がれていて気づく様子は無い。
     まるく明るい月に照らされた唇の膨らみは品の良い厚みがあり、肉感を思わせるかたちをしている。ふっくらとしていて実に柔らかそうだ。それから、時折、チロリと覗く舌先が濡れた気配を纏いながら唇の表面を舐め、乾いた膨らみに少しの艶を添えてすぐに引っ込むしぐさをする。それがどうにも見ていて後ろめたい。見え隠れする舌が唇の合間を出たり入ったりするたびにパーシヴァルはなにか好ましくない衝動を持て余し、いったん視 2875

    mizus_g

    DONEワンライお題「一緒に眠る」ふと、控えめなノックの音が響く。
     深夜の騎空艇に聞こえる音と言えば艇の駆動音と風の音ばかりであるのが常だ。空耳を疑い、パーシヴァルは耳を澄ました。しばらく返事をしないでいると、少し間を置いてからもう一度、コンコン、と微かなノック音が聞こえてくる。
    「入れ」
     時間が時間だ。こちらが就寝している可能性を考慮しての遠慮であろう。
     訪ねてきているのは、おそらく――。
    「……すまんな、夜更けに」
     開いた扉からジークフリートが姿を見せた。
     最近、時々こういうことがある。夜も更けてパーシヴァルが就寝しようとする頃、見計らったようにジークフリートが部屋を訪ねてくるのだ。今宵で三度目だ。今日は今までで最も時刻が遅い。
    「どうした。共に酒を飲む相手でも探しているのか」
    「いや……、それもいいんだが」
    「今宵は飲まんぞ。もう遅い。明日に響く」
    「酒はまた今度でいい」
     扉を閉めたジークフリートはその場に立ち尽くしている。パーシヴァルは軽く首を傾げて「どうかしたか」と尋ねてみた。
    「一緒に寝ても良いか」
     思わぬ事を請われる。
     パーシヴァルは顔を上げてジークフリートの目を見た。
    「……構わんが」
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    mizus_g

    DONE「昨日の夢と今日の過ち」
    2021年3月21日全空の覇者17で配布した無料ペーパーに載せたものです。
    貰って下さった方ありがとうございました~!
    黒竜騎士団時代の話です。Rはつきませんが若干スケベです。
    夜も更けた薄暗い城内の廊下を、パーシヴァルはひとり、急ぎ足で宿舎の自室へと向かっていた。
     騎士団の皆はもうとうに寝静まっている。パーシヴァルはというと、黒竜騎士団の副団長に叙任されるにあたって必要な書類を揃えていたら思ったよりも時間がかかってしまい、気がついた時には辺りがすっかり暗く、静まりかえっていたのだった。
     複雑な仕事をしていたわけでもないのに無駄に時間が掛かったことには、理由がある。
     昨夜見た夢のせいだ。誰にも言えぬ、ひどく不埒な夢を見た。騎士団長のジークフリートと自分が何故か恋仲になっていて、ふたりでベッドに上がり、裸で抱き合う夢だった。
     奇妙なまでに五感の伴う夢で、自身で服を脱いだ彼が晒した素肌の色や、その艶めきの臨場感は今でも手に取るように思い出せる。夢の中のジークフリートはパーシヴァルの身体をベッドに押し倒し、自ら脚を開いて挑戦的にパーシヴァルを誘った。パーシヴァルは興奮して自制心をなくした状態にあり、晒された内腿の肉感に躊躇うことなく欲情した。その情動は夢のくせにあまりに強烈で、目が覚めて時間が経過した今も感情の内側に居座ったまま残ってしまっている。全裸の彼の 4494

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    DONEパージク版リミットフリー創作企画
    お題「黒竜騎士団時代」お借りしました
    パーシヴァルがまだ10代で、騎士団に入って間もないころを想定しています。もろもろ捏造と妄想設定を含みます。
    夕暮れに秘密をひとつ いくら扉をノックしても返事が無い。
    (明かりの消し忘れか……?)
     四度目のノックを終えた後、まるで反応の無い扉を前にパーシヴァルは途方に暮れた。
     団長ならば執務室に居るはず、と仲間から聞いたのはつい先程のことだ。まっすぐ寄り道せずに執務室にやって来たためそう時間は経っていないし、部屋の明かりがついているので当然在室しているものと思ったのに、居ないのであろうか。
     パーシヴァルは手にしている紙束へと視線を落とした。先にたまたま城内ですれ違った文官から「騎士団長に渡しておいてくれ」と頼まれた書類だ。まとめて紙袋に入れられているため何の書類であるのかはわからないが、おそらく次年度の入団試験に関するものであろう。最近、騎士団と関わりのある文官達がよく入団試験についての話をしている様子を見かける。団長であるジークフリートが中心となって試験のやり方を改革しようという試みがなされているらしく、文官達と揉めているようだ。
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    mizus_g

    DONE5/4超全空で配布した合同ペーパーに載せたものです。
    テーマはおふとん……なのですが普通にベッドです。同衾ネタが大好きです。ユカタヴィラで布団で同衾も夢がある…
    貰って下さった方ありがとうございました!
    5/4超全空無配ペーパー 甘い気配が行き違う。
    「狭いか?」
    「……いや、平気だ。お前こそ窮屈ではないか?」
     手違いにより、今宵はジークフリートとひとつ床で眠ることになった。
     とは言っても、ベッドのサイズは男二人で入ってもそれなりに余裕があるものだ。彼の体温は感じるものの、寝具の取り合いをするほど狭いわけではない。
    「俺は大丈夫だ。すまないなパーシヴァル、俺の確認不足でこのようなことになってしまって」
    「構わん。ベッドサイズがこのくらいであれば、二人で眠るにしても差し支えはなかろう」
    「ああ、……そうだな」
     背中越しに伝わってくるジークフリートの気配が、もそり、と落ち着かぬ様子で身じろいだ。
     本日の夕刻、ジークフリートが予め手配してくれていた宿に到着してみると、通された部屋は大きなベッドがひとつ置かれたダブルルームであった。ツインの部屋に替えて貰えないかと交渉してはみたが今宵は満室で変更は難しいと言われてしまったため、仕方なしに彼と同じベッドで寝ることにしたのだった。
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