乾いた心に、愛情いっぱい・2*沖縄そば*
日陰になっているビルの出入り口から外へ出ると、昼の日差しの眩しさに思わず目を細めた。じわりと感じる暑さに思わずため息を吐きながら、忠は足を踏み出す。
所定の休日出勤を終え、まだ日の高いうちに帰路につきながら、忠はほんの数ヶ月前の自分を思い返す。
所謂真っ黒な企業に勤め、過労死ラインを踏み越えながらも必死に働いていた頃が、もはや懐かしい。
本日は昼で終業したので、街にはこれからランチや買い物に繰り出そうとする家族連れやカップルが多く見られる。平日とは種類の違う喧騒に早くも疲労を感じながら、さてどうしたものかと考える。
休日に率先して出歩くタイプでは無いが、このまま帰宅しても昼ごはんは精々コンビニ弁当だ。折角外に出ているのなら、外食して帰るのも良いかもしれない。昼食の事を考え始めた途端に空腹を感じ始めて、我が事ながら現金なものだと苦笑した。
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