リーヴァ 「白波」「星」「手首」 ふと温い風が頬を撫でる感覚で、類は目を覚ました。
ここは無人島。次の宣伝公演をするべく乗り込んだクルーザーで遭難した五人が漂着した、自然豊かな島だ。
「……うう……船……船が……」
「えへへぇ……もぉ食べられないよぉ……」
「……」
体を起こして右隣を見ると、昌介が魘されていた。更に向こうではえむが幸せそうな顔をしながら寝言を零していて、その横では寧々が穏やかに寝息を立てている。スマホが壊れてしまったためはっきりとした時間は分からなかったが、空を見る限りまだまだ朝は遠いようだった。
偶然目が覚めてしまったが、もうひと眠りするのが得策だろうか。そんなことを考えながらふと左隣を見て、類は目を瞬かせた。
「司くん……?」
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