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    ichiei

    @ichiei

    オリジナルのテキストをしあげる練習してます。
    最近はTRPGやソロジャーナルのメモも多め。

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    ソロ・ジャーナリング『The Skeleton Diary』進行メモ

    死して残された骨が生前を語るソロ・ジャーナリング。
    本来は骨の一人称で執筆するべきなんだろうが「そのほうが自分にとって楽だから」という身も蓋もない理由でインタビュー形式になった。

    先もあとも考えずに書き進める、ライブ感たっぷりでお届けします。
    https://calliing.itch.io/the-skeleton-diary

    #TRPG
    ##TRPG
    #ソロ・ジャーナル
    soloJournal.
    ##ソロ・ジャーナル

    『The Skeleton Diary』リプレイ⦁ ※1D6 (1D6) > 5
    ⦁ femur
    ⦁ 大腿骨
    ⦁ かなりがっしりしている。おそらくは成人男性の骨。右。風雪に痛み付けられた節はあるものの、折れた箇所は見当たらない。
    ⦁ 骨は語りはじめる。
    ⦁ ♡9
    ⦁ outrage
    ⦁ 怒りに満ちた口調で大腿骨はこぼす。俺はまだ生きていたかったと。こんな野っ原で終わる運命ではなかったのだ、と。が、所詮はただの骨だ。天の神様には白い塊が無意味にふてくされているようにしかみえないだろう。
    ⦁ ♣4
    ⦁ your enemy
    ⦁ 骨は語り続ける。
    ⦁ 俺は敵に殺された。怒気を込めて宣言する。
    ⦁ はてさてどんな強敵だったことやら?
    ⦁ ♠3
    ⦁ laughing
    ⦁ 骨は急に笑い出した。どうやら笑っちゃうほどの強敵だったらしい。尋常ならざる存在を前にすると笑うしかないのは、人間も骨も一緒らしい。まあ骨だって所詮は元人間でしかないのだから仕方がないところではある。
    ⦁ ♠9
    ⦁ sleeping
    ⦁ 不気味な大声で笑い続けていた骨が急に黙る。とうとうくたばったかと思えば、すうすうと寝息。笑い疲れて眠ってしまったのか。言うことが小物のわりに態度だけは大物だ。
    ⦁ ♣8
    ⦁ stranger
    ⦁ 骨が眠っていた時間は短かった。はっと目を覚ました彼に疑問を投げる。おまえの敵は何者だ?
    ⦁ 知らない、と骨は堪える。
    ⦁ まったくの他人であった、と。
    ⦁ ♠Q
    ⦁ joking
    ⦁ 道の向こうから来た未知に殺されたのだ、と骨は語った。
    ⦁ 全然おもしろくない。生前からそういう性質だったのだろう。
    ⦁ ♡A
    ⦁ curiosity
    ⦁ ところで、と骨が言う。
    ⦁ 俺を知りたがるおまえは何者かね?
    ⦁ 充ちることなき未知ですよ。何処にでもいるような風に吹かれるばかりの葦の一本です。
    ⦁ ♡7
    ⦁ warm fondness
    ⦁ しかし目前の大腿骨はなかなか優しいやつだ。取るに足らないインタビュアーであるこちらをいちいち気遣う。案外、悪い奴ではないのかもしれない。
    ⦁ ♣A
    ⦁ on a train
    ⦁ おまえさんは列車が好きかね?
    ⦁ 急に話題が変わった。
    ⦁ 俺は好きだ。ゴトゴトと揺れるあの感覚は乱暴なゆりかごのようだから。はて、どうして俺はこんな場所にいるのだろう。たしか俺は列車に乗り込んで……遠くへ……。
    ⦁ ♠5
    ⦁ flailing
    ⦁ 〈腕が〉振り回る,〈脚が〉ばたばたする
    ⦁ 骨がガタガタと唸る。鳴り始める。いや、ジタバタと表現した方が正確だろうか。駄々をこねる幼児みたいに。ないはずの手を振り回しているのか。
    ⦁ どうやら記憶の欠落に苦しんでいるようだ。
    ⦁ ♠K
    ⦁ on stage
    ⦁ まあまあ落ち着いて。語りかけると骨はほんとうにおとなしくなってしまった、こちらとしては間を持たせるための気休めめいた呼びかけでしかなかったのだが。
    ⦁ 咳払いひとつして骨は話す。そうだな、舞台俳優は舞台の上では日頃から威風堂々とあらねばならぬ。
    ⦁ ――こいつ俳優だったのか。
    ⦁ ♠A
    ⦁ hopping
    ⦁ 舞台はいいぞ。骨は跳ねる。先ほどとは違って酷く陽気なアクションだ。
    ⦁ 舞台はいい。すべてがある。希望に始まり絶望を経て再び希望に戻るのだ。
    ⦁ ――そんなものかね?
    ⦁ ♣6
    ⦁ a child
    ⦁ あるとき俺は舞台の上で子供だった。利発で活発な少年だった。
    ⦁ そしてすぐに育った。舞台の上の10分は10年だ。
    ⦁ ♢2
    ⦁ lipstick
    ⦁ またあるとき俺は女であった。身こそ男なれど仕草は完全に女だった。舞台の上で俺は傾国の美女となった。その舞台を終えたあと、俺は口紅を贈られた。しかし既に俺は男に戻っていたので口紅はすぐに何処かへやってしまった。
    ⦁ ♢J
    ⦁ a birthday wish
    ⦁ 誕生日のお祝い
    ⦁ その口紅はどうやら誕生日の祝い事のつもりで寄越してきたらしい。骨の話はまだまだ続く。あいつにとっちゃ一世一代の恋だったのかもしれないな。骨の口調はかすかにしんみりしていた。
    ⦁ ♢9
    ⦁ a dead pet
    ⦁ しんみりしたかと思えば、次の瞬間、骨はカラカラと笑い出す。なんせその後、俺のもとに贈られてきたのは死んだ小鳥だったからな。まあ今は俺だって死んでいるのだけれども。
    ⦁ ♠7
    ⦁ walking
    ⦁ はてさてこうして長いこと昔の話をしていると、気が滅入って仕方がない。おまえさん、俺を連れて散歩してくれないか? なに、そのへんをぐるっと一巡りしてくれるだけでいい。そのとおりにしてやった。
    ⦁ ♢4
    ⦁ a slice of cake
    ⦁ そういう気分だったので、骨に一切れのケーキを分けてやる。ありがとう。骨はびっくりするほど素直に感謝を返した。口もないのに器用に食べ尽くした。
    ⦁ ♡8
    ⦁ ambivalence
    ⦁ ああ、ああ、ああ、あいつの恋は。骨の示す「あいつ」が誰であるかは明らかだ。あいつの恋は迷惑なだけだった。俺になんの益ももたらさなかった。だが、あいつと発音するときの骨の声音はやわらかだった。まるで今食べたばかりのケーキのように。
    ⦁ ♡Q
    ⦁ stark ambition
    ⦁ 硬直した野心
    ⦁ 俺は俳優であることしか興味はなかったのに。それ以外の栄誉だなんてまったく興味がなかったのに。
    ⦁ ♠10
    ⦁ diving
    ⦁ 役のためならば穴蔵に飛び込むのだって怖くなかった。が、あいつの気持ちはまた別の穴蔵だった。俳優としての成功とはなんにも結びつかない。同じ穴でもただのトラップ、落とし穴にすぎなかったのさ。
    ⦁ ♠6
    ⦁ taking
    ⦁ 動揺、興奮、発作
    ⦁ 「Come, woo me, woo me; for now I am in a holiday humour, and like enough to consent.」
    ⦁ 『お気に召すまま』のロザリンド。
    ⦁ ね、口説いて、口説いて。いまはお祭り気分なの、だから、なんでも許しちゃいそう。
    ⦁ 往年の熱を発散するかのように、骨はひときわ高らかに台詞を叫んだ。
    ⦁ ♣5
    ⦁ on top of a shelf
    ⦁ おまえさんに俺の衣装棚を見せてやりたいものだよ。俺の衣装棚にはこれまでの舞台帯衣装がたっぷり詰まっている。一番上には収まりきらなかった衣装がぎゅうぎゅうに押し込まれている。ロザリンドの衣装もまだそこにあるだろうね。
    ⦁ ♡4
    ⦁ eagerness
    ⦁ 熱心、熱望、熱意
    ⦁ 俺はまだ役者を諦めちゃいない。
    ⦁ ――これにはさすがに驚いた。骨を、それも単なる大腿骨の片割れを役者として雇いたい劇団が何処にいるのか。
    ⦁ が、それを口に出すのははばかられた。彼は心の底から舞台を熱望しているようだった。
    ⦁ ♣9
    ⦁ in a hallway
    ⦁ 俺はいつも主役であったが時には目下の役者と廊下で立ち話をするのもいい。彼らの噂話を廊下で盗み聞くのもおもしろい。どんな些事だって演技には役立つのだ、あいつの恋以外は。
    ⦁ ♣Q
    ⦁ an aunt
    ⦁ そう、まるでお節介な親戚のおばさんのように。何事もめぐりめぐってほんの少しは役立つものさ! あいつの恋以外はな!
    ⦁ ♢6
    ⦁ a notebook
    ⦁ おまえさんは勉強熱心だね、俺の言うことをいちいちメモに付けている。いいことだ。若者はそうでなきゃならない。
    ⦁ だって大腿骨とまともに会話するんだから、ねえ?
    ⦁ ♣2
    ⦁ a famous poet
    ⦁ 「Shall I compare thee to a Summers day」
    ⦁ ――またシェイクスピアですね。有名なソネットの出だしだ。 君を夏の日に喩えようか?
    ⦁ そう答えてやれば骨はいたく満足した。
    ⦁ ♢3
    ⦁ a machete
    ⦁ マチェーテ、鉈
    ⦁ 骨のいうそのへんを一巡りしている途中、草っ原に横たわるマチェーテを見つけた。ぐるっと迂回した。何故か骨は名残惜しそうだった。
    ⦁ ♢5
    ⦁ a screwdriver
    ⦁ スクリュードライバーもあったが、そちらには興味がなさそうだった。たしかにスクリュードライバーには今ひとつ浪漫が足りない。
    ⦁ ♢K
    ⦁ a microphone
    ⦁ ――あ、マイクもある。ここ、なんでも落ちてるな。ねえ、あれはどうですか?
    ⦁ あれは司会者が使うマイクだろ。俳優が用いるピンマイクじゃない。
    ⦁ ♡10
    ⦁ full of shame
    ⦁ ――使ったことあるんですね、ピンマイク。
    ⦁ い、いや、要請に応じて仕方なくだな……。けっして俺の声が小さかったわけではない。断じて、老化で声が出なくなったわけではない。
    ⦁ ♣7
    ⦁ at a campsite
    ⦁ もしかしたらこの地はキャンプ場だったのかもしれない。そんなふうに思われる品を幾つか発見する。何故に骨はキャンプ場にあるのか? 鉄道のかたわらのキャンプ場はどうして放棄された? 新たな疑問が発生した。
    ⦁ ♡11
    ⦁ satisfaction
    ⦁ 散歩(本当にそうなのか?)を終える。骨はだいぶ満ち足りたようだった。
    ⦁ ♢10
    ⦁ a mirror
    ⦁ 鏡はあるかね、と骨が言う。動き回ったのだから身だしなみを整えたい。なにをほざいていらっしゃいますか、あんたを抱えて歩き回ったのはこっちのほうだ。鏡なんて持ち合わせていません、と、答えた。嘘だけど。
    ⦁ ♣J
    ⦁ on the road
    ⦁ 骨は巡業時のトラブルを話題にした。酷く辛口だ。登場人物のことごとくをあしざまに罵る。だのに、過去をなめらかに回想する彼は何故か愉快に見える。大腿骨の感情を推測できるようになるなんて、とうとう自分も焼きが回ってきたらしい。
    ⦁ ♡5
    ⦁ disappointment
    ⦁ 「あいつらは、」と骨。「まだ生きているんだろうか…?」生きてないんじゃないですか。自分の見解を率直に述べる。貴方はかなり古い骨のように見えるから。「そうか」骨は落胆しているようだった。
    ⦁ ♡13
    ⦁ death; game over
    ⦁ 「では、俺も眠ろう。長々と喋って疲れたよ」おやすみなさい。またいつかの再会なんてきっとないだろうけど、そのうちみんなみんな死んじゃいますし。
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    ichiei

    DONE名刺大のソロゲーム『THIRST』と『HUNGER』の進行メモ
    『THIRST』は吸血鬼に血を吸われる人間側の視点
    『HUNGER』は人間の血を吸う吸血鬼側からの視点
    2人の関係は恋人同士らしい。
    シンプルだけどブラックジャックに似た(他に適切なゲームがある気もする)ルールで遊びやすいけど緊張感があります。

    『THIRST』
    https://hyvemynd.itch.io/thirst

    『HUNGER』
    https://hyvemynd.itch.io/hunger
    『THIRST』&『HUNGER』リプレイキャラは同じだけど別時空と考えてくれ。
    まあ、エンディングはほぼ同じになっちまったんだけどな!
    ……ええ、あらかじめお断りしておきます。2回やって2回ともドボンしました。
    人間の一人称が「ぼく」吸血鬼は「わたし」ですが、とりたてて性別は特定していないです。あまり細部の設定を詰めずなんとかなれーっの精神で進めました。



    『THIRST』篇
    怖いの、と、恋人に尋ねられる。もちろんだ。怖いに決まっている。ぼくがこれから体験することはぼくのこれまでの生き方にはまったく関わりなかったことだから。
    そう、と彼女はぼくの手を手に取った。でも不安にするようなことはなにもないの。すべてわたしに任せて。いたいけな顔立ちにそぐわぬあでやかな笑みを浮かべながら、ぼくの耳元にささやく。ぼくはおとなしく葦のようにうなずくことしかできなかった。
    1809

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