Alone Among the Stars プレイログpart1(SS形式)1D6 (1D6) > 2
7 of diamonds
⯁ Diamonds
Diamonds are living beings: People like or unlike you, fish, dinosaurs, wolves, birds, giant insects, etc.
7: Near a volcano.
1D6 (1D6) > 6
On a 5-6 you spot it as you are resting.
5 of hearts
♥ Hearts
Hearts are ruins: Mysterious obelisks, vine-covered temples, abandoned dwellings for people bigger than you, a wrecked spaceship, etc.
5: In a treetop.
1D6 (1D6) > 5
On a 5-6 you spot it as you are resting.
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ハロー、ちっぽけな僕の船。
ハロー、だだっぴろい宇宙空間。
今日も果てしない探索を始めようじゃないか。
僕の名前は■■■■。宇宙探査用のアンドロイドだ。長い間、ひとりで宇宙を旅している。僕の稼働目的は、古代文明が残した失われた惑星を見つけ出し、そのデータを地球に送り返すこと。それだけだ。
僕の相棒は「ノマド号」というこぢんまりした錫色の船だ。数十年のあいだ星々を越えて、未知の惑星を探し続けてきた。
けれど、僕みたいなネジと回路の寄せ集めと比べれば、宇宙はどうしようもなく広い。
ひとりでいることはどうってことなかった。ただ時折、何かを発見したいという焦燥のような欲望のようなバグに胸を締め付けられた。
そんなある日、僕は恒星系XK-45の未探査領域にある小惑星帯の観測を行った。スタティックノイズの海にも似た、いつもの単調なルーティンワーク。
電波的に目を引くものは取り立ててなかった。が、漠然とした引っかかりが
僕の内面に生じた。
僕は予備の光学システムを立ち上げる。するとセンサーが微弱な波動を捉えた。規則的に点滅するその光は、惑星の公転によるものに違いなかった。
僕はいくらか興奮しながら、ノマド号のメインセンサーで詳細なスキャンを開始した。僕はすぐに、ノマド号のメインセンサーをフル稼働させ、さらに詳細なスキャンを開始した。
そして見つけたのが、まだ誰にも知られていない惑星「ケレニア」だった。
ケレニアは美しい惑星だった。青い大気、豊かな森林。地球に似た成分を持ち、生命が存在できる条件を完璧に備えている。興奮が高まり、僕はすぐに着陸を試みた。
しかし、そのときの僕はどうやら浮かれすぎていたらしい。少しばかり着陸手順を疎かにしてしまった。
ケレニアの火山地帯に接近しすぎたのだ。降下軌道が狂い、僕の船は危険な活火山のすぐ近くに不時着した。致命的な損傷こそ船体にみられなかったものの、細かな不具合があちこちに発生している。当面の活動に差し支えが出るとは思えなかったが、これから先もそうだとはかぎらない。
僕は一時的に探査を中断し、休息の合間に修復作業に取りかかった。
そのときだ。僕が船の外に出て、どう対処すべきか考えていると、小柄な影がいくつか現れた。
僕は簡易スキャンを開始する。人型の炭素系生物だ。身長はおよそ120cmといったところか。敵意は感じられない。幼児のようなまじりなき興味をもって、彼等は僕に接近してきたらしい。
数分ほどのモニタリングで把握したのは、彼等も音声言語を用いてコミュニケーションを行っているらしいということだ。
残念ながら、彼等の言語は僕のデータベースのなかには含まれていなかった。しかし、彼らの表情や動きからは明らかな善意が感じられた。
彼等は僕をツリーハウス風の住居へと案内してくれた。
森林の高い木々の梢に複数の建造物が組み合わさり差し渡されて作られた集合体が広がっている。
それは原始的でありながら巧妙、どこか洗練された技術を感じさせる不思議な構造だった。
僕はありがたく彼等の配慮を受け入れて、数日間の滞在を決めた。自己修復プログラムを走らせながら、彼等の生活を観察した。
彼等はまったくシンプルな生活を営んでいた。朝早くに行動をはじめ、夜間に休止をとる。狩猟採集によって物資を調達する。不足があれば、過剰を領する集団と物々交換によって取引を行う。
時に怒る。時に笑う。時に泣く。
1日の区切りには恒星と衛星のある方角へ3度ずつ感謝を捧げる。
彼等の暮らしは無垢なアニミズムに満ちていた。機械の僕とは生きる目的からしてまるで違う。当然の事実を僕は何故だか、はなはだ好ましく感じた。
いくばくかの意思疎通が可能となった頃、彼等は彼等が住まいとする森林より更に奥深くの地へと僕を案内した。
一見すると瓦礫散らばる荒蕪の地。しかし、どうやらそこは彼等にとって霊域も同然の意義深い場所らしい。
僕は彼等の心遣いに感謝しながら非破壊的サーチをおこなう。何物も損なわないように、何事も見はずさないように、ことのほか注意深く。
ややあって僕はかつては壁画だったらしき遺構の残骸を発見した。
仮想復元を実行する。それは天文図の一部だった。恒星系XK-45には他にも生命の存在する惑星があるらしい、その方角と距離をあらわしている。
次の目的地が決まった。
ノマド号の修復も終え、ケレニアを後にする準備はすっかり整った。終始、僕に協力的だった彼等に出立を告げると、彼等は僕に、旅路に必要な補給品を供与してくれた。
別れは至極しめやかにとりおこなわれた。涼やかに、しかしどこか寂しい風に押されて、僕は再び宙へと戻った。
天文図のデータはすべて入力したから、向こう数年ほどは自動航行に任せても差し障りないだろう。
僕はノマド号のキューポラから外の景色を眺めた。宇宙は果てなく続く。けれども暗がりのいとまに光る星は、何処かしら暖かい色をしている。
胸奥のバグが騒ぐ。探索を続行せよ、と。
誰にともなく頷き返す。僕は目を閉じ次の星を想った。