(治角名)ひとりでできるもん「ほな角名が自分でやっとるとこ見たい」
治のとこに帰っている間は朝ご飯は治、昼ご飯は俺が作るのがルールだ。
昼といっても店の営業が終わったあと、夜の仕込みが始まる前のせわしない時間にかきこむのだから、簡単なものでいいから俺にもできる。
今日は朝ごはんのあとに漬け込んだマグロとアボカドの丼。それをがつがつと食べながら急に治が「なあ賭けへん?」と言い出した。
「ひさびさだね。それ。で、何賭けるの?」
で、返ってきたのが自分でやるところを見たいって言葉。
自分でやるってやっぱりオナれってことだよね?
見たいってことは治の目前でヤれってこと。
10年前のこと、覚えてないのかな。こいつ。
高校の頃クラスが一緒になって急に距離が近づいたころからか、俺たちは何かを賭けてよく勝負をしていた。
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