酔っぱらいの戯言『……』
カンダの社を拠点とする国津神達の誘いを断り切れず、酒を数杯嗜み、穏やかに彼らと別れの挨拶を交わしていこう、アオガミは沈黙を保っていた。
「アオガミ、大丈夫?」
当然ながらアルコール飲料を口にした経験のないナホビノ――もとい、少年には飲酒による影響が一切出ていない。生命であるアオガミに影響が偏ったか、もしくは彼が引き受けてくれたのではないかとナホビノが声を掛ければ、アオガミは普段より小さな声で大丈夫と応対をするのであった。
『問題無い』
「本当に?」
『ああ。油断すると、君へ愛してると連呼してしまいそうなので口を閉ざしているだけだ』
――故に、問題無い。
再び彼らの間に沈黙が落ちる。
「~~~~~~!」
白い頬を真っ赤に染めているナホビノを残して。