年老いてもずっと隣に⚫️⚫️⚫️⚫️⚫️
「んぁ?」
顔を上げると、懐かしい——いや見慣れた黒板が。
黒板と自分との間には他の生徒の机と椅子があって、右にはカーテンと窓があって、左には、
「んっ、ふふ」
左から堪えきれないというように、笑い声が漏れた。
え? とそちらを見れば、僕のノートを持つ三木がいた。
「涎で汚れたらなんなんで、避難させといたぜ」
なんていって、頭にポンとノートを乗せてくる。
ありがとうと言ってそれを受け取ったら、次の授業は移動だから早く行くぞと急かされた。
「待っててくれてありがとう」とお礼を言うと、三木は「あと一分起きるの遅かったら、蹴り起こしたけどな」とニッと笑った。
約十八年前、高校時代、毎日のように続いた日常だった。
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