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    倉庫です

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    ☆quiet follow

    夏!海!ちょっと!?

    「海だ~!」
    「わ~い!」
    女性陣が砂浜でキャッキャしている。特に麻里と絵梨佳は凛子よりもはしゃいで波打ち際で追いかけっこしていた。そんな光景を微笑ましく眺めながら、俺もパラソルを立てて荷物を置いた。だが
    「麻人~!」
    麻人がどこぞのホラー映画のキャラクターのように踞った状態で一歩も動かず、暁人に押されようが引っ張られようが、全く動じなかった。
    「せっかくの海なんだから楽しもう!」
    海パン一丁で踞る麻人に対し、暁人は水着の上にシャツを着ているだけだった。
    「麻人!」
    「・・・やだ」
    「何てこと言うの!お母さん傷つきました!」
    「きもちわるい」
    「ぶ~しょんな~」
    麻人に対して女口調になることが癖になっている暁人だったが、その様子に苦笑いしていた。麻人と話すときは自然に母と子の会話になることが多い。
    「俺が見とくから麻里のところに行ったらどうだ?」
    「じゃあそうしとく」
    麻人を一人残して、暁人は麻里の方へ行った。麻里は白いワンピース型の水着を着ていて、とてもよく似合っていた。
    「行かなくていいのか?」
    「べつに」
    体育座りの状態の麻人を覗き込むように話しかけると、プイッと顔を背けられた。拗ねたわけではないだろう。
    「ほれ」
    俺はクーラーから棒アイスを取り出して差し出した。
    「さんきゅう」
    素直に受け取った麻人は、パクリとかぶりついた。余程暑かったのか一気に食べ終えてゴミを捨てに行く。戻ってくるなり麻人の視線はある場所に集中していた。
    「あれって・・・」
    「ん?ああ、凛子だろ?」
    「うん」
    そこにはビーチボールで遊ぶ凛子と絵梨佳の姿があった。暁人と麻里が審判に回っている。
    「・・・パパ」
    えっ今パパって言ったのか?普段お父さん呼びなのに。
    「あのさ・・・」
    「なんだ」
    「パパってぼくのことすき?」
    唐突すぎて言葉が出てこなかった。まさかこの歳でこんな質問をされるとは思わなかった。だがこれは真剣な話なのだと感じ取り、茶化さずに答えることにした。
    「もちろん好きだ」
    「でもママのほうがもっとすき?」
    「うーんどうだろうなぁ・・・」
    「だってママとよるにさかってるし」
    「お前それどこで覚えた!?」
    麻人の口からあり得ない言葉が出てきて焦りまくってしまった。
    「へやかえてもふとんのなかでパパとママがコソコソしてるのはわかってんだかんな」
    麻人は子供にしては頭が回る方だと思う。だからと言って夜中に何をしているのかバレてしまうとは。
    「まあ・・・そうだな」
    「それはおいといて、おねえちゃんにはなされたくなかったらアイスもういっぽんちょうだい」
    「はいはい」
    仕方ないのでもう一本取り出して渡した。
    「ごちそーさま」
    あっという間に平らげてしまった麻人は、暁人のへと向かっていった。俺もその後を追っていく。
    「麻人~!」
    「やだ、あつくるしい」
    暁人は麻人に抱きつこうとするが、それを嫌がられてしょんぼりした表情を浮かべている。
    「見ないうちに子供らしくなってきてるね」
    「前に僕のことママって言ってくれたし!」
    「さっき俺のこともパパって言ってたけどな」
    「ぱぱ」
    「どうした?」
    「おなかすいた」
    「おう分かった、海の家で何か食うか?」
    「やった!」
    暁人はすぐに元気を取り戻して俺の手を握った。
    ****
    おまけ
    「お前らは行かないのか?」
    《暑いのが苦手だからね、君を見ているだけで今は汗をかきそうな気分だよ》
    「今さら体毛を剃ろうと思ってもな」
    《狐だから仕方ないと思うが》
    「・・・」
    《どうしたんだい?》
    「いや、昔のことを思い出しただけだ」
    《そうか。ところでデイル、そのアイスは何本目なんだ?》
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    32honeymoon

    DONE◇#毎月25日はK暁デー ◇お題:匂い
    ・久しぶりのあまいちゃ糖度120ぱーせんとなので苦手な方は要注意!
    ・KKと暁人くんが同棲してる世界のおはなし
    ・相変わらずKKが暁人くん大好きマン

    長編をあげた後だったので、今回は短くさらっと。
    豪雨つづくここ最近、太陽が恋しくなって書いた作品です。
    台風の余波で大変な思いをしている皆さまの地域に、
    はやく気持ちいい秋晴れが届きますように。
    おひさまのにおいはしあわせの匂い。ーそれは秋晴れがさわやかな、とても良い天気のとある一日のおはなし。


    「KKー、布団下ろすの手伝ってー」
    「お?ああ、分かった」

    ソファでくつろいでいた休日のとある夕方。ベランダから聞こえてきた柔らかな声に、KKはよっこらせ、と立ち上がる。

    「布団、干してたのか。いつの間に・・・」
    「そうだよ。気づかなかった?」
    「・・・気づかなかった」

    少しだけばつが悪そうに目をそらす姿にはにかみながら、
    「だって今日はお日様の機嫌が良い一日だったからね。あやからなきゃ」と暁人が言う。

    「お日様の機嫌ねえ・・・また随分と可愛い事言うじゃねえか、」
    オレにしてみりゃただの暑い日って感じだったがな、と続けようとしたのを、KKが済んでの所で飲み込む。
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