えちちな291453②熱を孕んだ視線を向けられて、心臓がドクンと跳ねる。知りたいと、関心を向けられていることが嬉しい。確かめるように触れてくる手をシンジが拒絶するなんて出来るはずもなかった。そもそも両手を拘束されている身では、大人しく秘密を暴かれるのを待つしかない。
「……どうしても嫌かい?」
「…………っ」
羞恥心の方が強くて良いとは言えない。けれど沈黙を了承と解釈したらしいカヲルがシャツを引っ掛けた手を上へと移動させた。布地がするりと肌を撫でながら捲れ、ヒヤリとした外気に触れた肌が粟立つ。カヲルの手が一瞬止まったかと思うと、ガバッと胸元を晒された。
「……ぁ、っ……」
カヲルの視線が胸に集中しているのがわかる。見られてしまった。バレる前に剥がして置けばよかったと今さら後悔する。顔が熱くて火を噴きそうだ。
「……シンジ君、これは何かな?」
「……ぅぁ……っ、んぅ……これ、は……その……」
カヲルの手がシンジの乳首を撫でる。そこに普段見慣れないものが貼り付けられていた。シンジの乳首を押し潰すように貼られていたのは、勃起した乳首を隠すための絆創膏だった。
乳首に絆創膏を貼るのだって勇気がいった。こんなものどうして貼ってるんだ、とクラスメイトに問い詰められたらと思うと怖くて、背徳感にドキドキしてしまう。
しかしそのままにしておく訳にもいかず、どうにかしてシャツで擦れないようにと考えたシンジの苦肉の策であった。
バレなければ大丈夫。だって、乳首が勃っている方が恥ずかしいし、もし擦れたりしたら変な声が出てしまうかもしれない。
「こんなものを貼って、シンジ君の繊細な肌を傷つけたらどうするんだい?」
「……んっ、だってぇ……」
シンジを問い詰めながら、絆創膏の上から乳首を擦る。頑丈なテープで守られている為か、上から擦られてもあまり膨らんでいるようには見えない。けれどその下には刺激を受けて芯を持ち、硬く尖った乳首が確かに存在していた。
「っ、ぁ……他に、どうすればいいか……わからなかった、から……。んんっ……カヲルく、ん……だめだよ。……触らないって、言ったのに」
「……そうだったね。では、触らないようにしよう」
「えっ」
自分で言っておきながら、カヲルにあっさり受け入れられてシンジは目を丸くした。本気で触らないで欲しいとはもちろん思っていない。乳首に貼った絆創膏を見られるのが恥ずかしかったから、触るなと言ったことくらい分かっているはず。それなのに触れないと言うことは。
「……カヲルくん……あの、今日は……しないの?」
わがままを言ったから、気持ちが萎えてしまったのだろうかと焦る。このまま放置されるのは嫌だ。触れて貰えないのも嫌だ。不安に潤み始めた瞳でカヲルを見上げる。
「そんなことは言っていないよ。でも手が使えないとなると、シンジ君の愛らしい乳首を可愛がってあげられないね」
「……それは……やだよ……」
「でも約束は約束だ」
「……っ……今日のカヲルくん、何だか意地悪だ」
これ以上触られたら絆創膏では抑えられなくなってしまうかもしれない。今だって絆創膏の下で硬くなって痛いくらいだ。
元の身体に戻れない不安を感じながらも自分の身体のことなのに制御出来ず、愛撫を期待して神経を集中させてしまっている。
「意地悪なんて言ったつもりはないけれどね。要するに、手で触れなければいいんだろう?」
自身の下に横たわる獲物を吟味するように、瞳を煌めかせながらシンジの全身を凝視する。その視線だけで下腹に熱を感じてしまいそうになり、シンジは無意識に太腿を擦り合わせた。そうした行動もカヲルの目にしっかりと捉えられていることをシンジはまだ知らない。
羞恥と期待で身体が火照り、汗ばんだ肌にカヲルが顔を近づけると仄かにミルクの香りがした。シンジが好んで使用しているボディーソープの香りは、甘くて優しく、そして美味しそうな匂いがする。
「……ひ、っ……んぁっ……ぅ」
剥き出しの白い肌に唇を寄せ、肋骨の辺りを舐めるとシンジの腰が浮いた。この柔らかな肌を蹂躙する瞬間が堪らなく興奮する。背徳感と引き換えだが、止めることは出来ない。
つぅ、と舌先を滑らせるとシンジが息を震わせ、忍び寄る快感に耐えるように涙の浮かんだ瞳をギュッと閉じる。だがそれも長く続かなかった。
「ひゃんっ、ぁ……かを……る、あ、っ、あ、ぁっ……」
唾液で滑る舌先が目的の場所に辿り着いた。絆創膏で隠れてしまった乳首を舌先でぐりぐりと刺激すると、シンジの足がぴくんと動いた。もっと、とねだるように突き出された胸を大きな口で咥える。絆創膏の味なんて初めてだが……思っていたよりは悪くはない。
「んぁ……ゃ、は……ぅ、うそつき……」
たっぷりと唾液を含ませてやるとテープの部分が剥がれ始めた。テープ越しの愛撫でも感じているようだが、もどかしさを覚える。
「嘘は吐いていないよ。指で触れてはいないだろう?」
「なに、それ……ずるいよぉ」
「ふふっ、大人はね……狡い生き物なんだよ」
笑みを浮かべたカヲルが音を立てながら吸い上げると、シンジが喉を仰け反らせて喘いだ。ぷっくりと膨れた乳首に押し上げられて絆創膏に隙間が出来る。
約束通り指は使わず、絆創膏の隙間に舌を差し込んで持ち上げた。赤く腫れぼったくなった乳首に舌先が直接触れて、シンジがぴくぴくと胸を震わせる。
強く引っ張って肌を傷つけないように慎重にテープを剥がしていく。その感覚でさえもシンジには鋭利な快感となり突き刺さった。
「ぁ、ん……あ、ぁっ、はぅう」
剥がれた絆創膏の端の方を咥え、じっくりと時間を掛けて全て剥がし終えると、赤く熟れて食されるのを待ちわびている乳首が姿を現す。
そこはカヲルの口から垂れた唾液でべとべとに濡れていた。唾液を舐め取り、ツンと存在を主張する乳首に吸いつかれてシンジの太腿が大袈裟に跳ねた。
「ひゃぅんっ、ひっ♡ あぁっ、あーーーーっ、あぁん♡」
下腹がきゅぅんと疼いて、目の前がチカチカする。前にも経験したことのある強烈過ぎる快感にシンジの爪先がピンと伸びた。硬くなった乳首を舌で捏ね回されて断続的にやってくるじんわりとした快感に犯されていく。
「は、ぁっ♡ ……ぁ、ひん……っ」
「反対側も、外さないといけないね?」
シンジの腕を抑えたままカヲルが笑う。抵抗出来ない。拘束されてカヲルに良いように扱われている。それがまたシンジの中の羞恥と背徳感を刺激していた。
「は……反対側、も……するの?」
「もちろんだよ。シンジ君は口で剥がされるの、好きだろう?」
楽しんでいるのはカヲルも同じじゃないかとシンジが視線を向けるが、帰ってくるのは微笑みだけ。
続く