雨が連れてきたはじまり<後編>新たなる決意、そして始まり【第四夜◇◆◇ 重(かさね)】
「ん・・・・・」
優しい重みで暁人は目を覚ました。身じろぎしてほんの少しだけ重いまぶたをひらけば、目の前に裸のまま自分を抱きしめて眠るKKの姿がある。
途端に昨日のことを思い出して、暁人は思わずもう一度ぎゅっと眼を閉じた。
(・・・・あんなの反則だろ・・・!)
昨晩ーいや正確にはつい先刻まで。散々啼かされて喘がされて、身体の奥の奥まで何度も穿たれて。
思い出せばそれだけで、また身体が反応してしまう。待って待って待ち焦がれて、やっと得たものは、愛されているという実感そのもので、そして何よりも。
(・・・こんなに、気持ちいいなんて)
ほう、と思わず吐息が漏れる。本当なら昨日はまずは「お試し」であって、またこれから少しづつ何度も身体を重ねて気持ち良くなって行ければいい、なんて思っていたし、そうKKにも言われていたから安心していたのに。
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