ディーバ今度は、七海のスマホだった。
画面を見ると、夏油からで、滅多にかけてこない相手なこともあり、通話をタップする。
「………七海です」
「あー七海?悪いんだけど、悟、いる?」
「……まあ」
下に。
七海は、流石にそこまで言わず、ただ、視線を向けた。
彼女は、生まれたままの姿で、組み敷かれている。七海の眼前に惜しみなく。
「この時間だと、ヤってるよね。あー………」
「なんですか」
こちらはまさしく最中なのだが。
悟は、ぽやんとした表情から、ほんの少し不満そうな表情になった。
「なに、」
七海は、しいと唇に指を当てる。
「にゅ」
柔らかい唇。不満、とばかりに、悟はれろと指を舐めた。わざとなので、むにゅりと唇を摘んだ。
「明日のレコーディング時間覚えてるか聞いてくれる?」
「聞こえました?」
「………うん、明日ぁ?」
スマホを、耳元に寄せてやる。
「13時じゃなかったっけ」
「はあ。9時だよ」
「え、無理」
「無理じゃない」
「無理だって」
押し問答をしている。
七海は大人しくしているが、流石に悟のなかに挿れたまま、この流れはつらい。いや、悟も同じだろう。一旦抜くか?いやでもなと七海は思案しながら、ズと抜くべく少し腰を引いた。すると悟はびくんと身体を跳ねさせた。横についていた七海の腕を悟は掴み、首を振った。七海は大人しく待つしかないようだ。
「だって、今、ななみとえっちしてるもん、っ」
きゅうとナカが締まる。悟が夏油に対して明け透けのない発言をしたタイミング。
わざとか、わざとなのか。たぶんわざとだろう。
「話が伝わらないから、七海に代わって」
「はぁい。ななみ、傑から」
とスマホを突き返される。七海は、悟を見下ろしながら、いつまでこうしてればいいのかと思いながら、電話に出た。
「代わりました」
「あのね、ヤるのは別に構わないんだ。いや寧ろ二人の時間を邪魔してるのはこっちなんだけど、でも、七海にも覚えてほしいんだけど、」
「ちょ、悟さん、電話中ですよ」
イタズラをされるので、苦言を呈した。
「んふふ」
「………すみません、夏油さん」
「……悟に代わって」
「はあ」
「あのさ、悟、自分でわかってるでしょ、この時間にセックスしたら、レコーディングに響くの!!」
「しらなぁい」
「言ったからね!!!次!七海!」
「はい、ななみ」
スマホが返ってくる。
「次からは七海に悟のスケジュール管理させるから」
「…そういうのはマネージャーの仕事では?」
「きみらの下半身まで、管理できないからだよ!!きみらというか、悟のね!」
「悟さんの」
「明日のレコーディングで、分からせてやるやるからな。七海覚えとけよ」
と切られた。
完全に悪役のセリフでは、と思ったが、悟に鼻を摘まれ、唇を塞がれたため、すぐにそれは消え失せた。舌を絡ませて、再開する。
朝9時に間に合うように、きちんと送り出したし、いいだろうと思ったが、レコーディングしたCDを貰った七海は頭を抱えることになる。悟の歌声があまりに、情を匂わせている。そこで、夏油の言った意味を理解した。
※どっかで、レコーディングとかライブの前でにセックスして、そういうの演出するみたいな話を聞いて、そういうの読みたい〜!ってなって書いてみたんですけど、一晩寝たらリセットされるんでないかというのは、二次創作なので。