時緒🍴自家通販実施中 短い話を放り込んでおくところ。SSページメーカーでtwitterに投稿したものの文字版が多いです。無断転載禁止。 ☆quiet follow Yell with Emoji Tap the Emoji to send POIPOI 192
時緒🍴自家通販実施中☆quiet followTRAINING練習問題⑦視点(POV)追加問題:一人称で別の物語を書く。 #PSYCHO-PASS ##文体の舵をとれ 煙草の煙に消えるものは5私が死んだその部屋に、数人の男と一人の女が入って来た。私はこの部屋に突然入って来た銃を持つ、明らかに薬をやっている男に囚われ、殺された。彼らはその男を私が死んだ後に確保した。私はそれを残念に思ったが、それが彼らの限界だったのだろう。だが、長髪の男はまだ何かを考え込んでいるようだった。部屋の隅に立ち、私の血で汚れた部屋を見つめている。その時、彼の後ろについていた男が煙草に火をつけた。私はそれを鎮魂の祈りのようで歓迎したが、長髪の男はそうではなかったらしく、彼に煙草を止めるように言った。そして煙草の男は、携帯灰皿にまだ長い煙草をにじり消した。畳の上には割れた茶碗や、私がまだ手をつけていなかった食事が湯気を立てて転がっている。私はそれを残念に思ったが、私はもう死んでしまっているのだった。彼らは傍観者でしかない。それにあの犯人も人を殺したのだ、公安局によって執行されるだろう。Tap to full screen .Repost is prohibited Let's send reactions! freqpopularsnackothersPayment processing Replies from the creator Follow creator you care about!☆quiet follow 時緒🍴自家通販実施中TRAININGお題:「昔話」「リラックス」「見惚れる」盗賊団の伝説を思い出すネロが、ブラッドリーとの初めてのキスを思い出すお話です。軽いキス描写があります。かつての瞳 ブラッドは酔うと時折、本当に時折昔話をする。 普段はそんな様子など見せないくせに、高慢ちきな貴族さまから後妻を奪った話だとか(彼女はただ可哀想な女ではなく女傑だったようで、しばらく死の盗賊団の女神になり、北の国の芸術家のミューズになった)、これもやはり領民のことを考えない領主から土地を奪い、追いやった後等しく土地を分配したことなど、今でも死の盗賊団の伝説のうちでも語り草になっている話を、ブラッドは酒を飲みながらした。俺はそれを聞きながら、昔の話をするなんて老いている証拠かなんて思ったりして、けれど自分も同じように貴族から奪った後妻に作ってやった料理の話(彼女は貧しい村の出で、豆のスープが結局は一番うまいと言っていた)や、やっと手に入れた土地をどう扱っていいのか分からない領民に、豆の撒き方を教えてやった話などを思い出していたのだから、同じようなものなのだろう。そしてそういう話の後には、決まって初めて俺とブラッドがキスをした時の話になる。それは決まりきったルーティーンみたいなものだった。 1852 時緒🍴自家通販実施中TRAININGお題「愛」「誕生日」「食べる」盗賊団に入る前の食事を思い出すネロが、みんなに誕生日お祝いをされるお話です。君はいい子 満足に食事をとることが出来たのは、ブラッドの盗賊団に加わってからのことだった。それまでの俺は三食なんてもってのほかで、俺をいいように使っていた人間の男たちから、薄い塩味のくず野菜のスープにありつけたら万々歳、そこにうすっぺらい肉が浮かんでいたら狂喜乱舞、といった感じだった。残り物だからと腐った肉を食わされた時もあったし、当然何もない日が続くこともあった。とにかく、力のなかった俺には、北の国での生活は過酷だった、というわけだ。 ブラッドは部下に対して、愛を惜しまなかった。どんな寡黙な男たちだって彼の優しさに触れれば涙して、あなたに一生ついてゆくと言った。そして危険な仕事につき、みなボスのためならと喜んで石になっていった。 3632 時緒🍴自家通販実施中TRAININGお題:「花火」「熱帯夜」「一途」ムルたちが花火を楽しむ横で、賢者の未来について語ろうとするブラッドリーとそれを止めるネロのお話です。優しいあなた 夏の夜、魔法舎に大きな花火が上がった。俺はそれを偶然厨房の窓から見ていて、相変わらずよくやるものだと、寸胴鍋を洗う手を止めてため息をついた。食堂から歓声が聞こえたから、多分そこにあのきらきらと消えてゆく炎を作った者(きっとムルだ)と賢者や、素直な西と南の魔法使いたちがいるのだろう。 俺はそんなことを考えて、汗を拭いながらまた洗い物に戻った。魔法をかければ一瞬の出来事なのだが、そうはしたくないのが料理人として出来てしまったルーティーンというものだ。東の国では人間として振る舞っていたから、その癖が抜けないのもある。 しかし暑い。北の国とも、東の国とも違う中央の暑さは体力を奪い、俺は鍋を洗い終える頃には汗だくになっていた。賢者がいた世界では、これを熱帯夜というのだという。賢者がいた世界に四季があるのは中央の国と一緒だが、涼しい顔をしたあの人は、ニホンよりずっと楽ですよとどこか訳知り顔で俺に告げたのだった。——しかし暑い。賢者がいた世界ではこの暑さは程度が知れているのかもしれないが、北の国生まれの俺には酷だった。夕食どきに汲んできた井戸水もぬるくなっているし、これのどこが楽なんだろう。信じられない。 3531 時緒🍴自家通販実施中TRAINING8/5 ブラネロ版ワンドロライお題:「エスコート」「秘めたもの」「赤面」ネロが寝ているところに、不思議な指輪を持って箒で訪ねてくるブラッドリーのお話です。ちょっと甘め。月の魚 夏の日の夜半すぎ、コツコツと窓が叩かれる音がした。 俺はちょうどその時自室のベッドでまどろんでいて、意識があやふやだったから、最初のうちはそれを夢の中の幻だと思った。けれどその音はしつこく鳴り続けたので、俺はいよいよ目を覚まし(久しぶりに早寝をして気分がよかったのに最悪だと思った。汗はかいていたが)身体を起こし窓を見た。 あたりは月と星の明かりしかなく薄暗かったけれど、分厚い硝子窓越しに映る人影はきちんと見えた。それは紛れもない、俺の元相棒であるブラッドのものだった。どういうわけか知らないが、彼は愛用の箒に乗り、何やらリズムを刻んで不透明な窓を叩いている。鼻歌を歌うようなそれに俺はため息をついたけれど、彼が何かを思いついてしまった時にはことは全て遅く、俺に出来ることは一つもなかった。今夜も、ブラッドは空想を現実にしようとしているか、もうしてしまったのだろう。 3448 時緒🍴自家通販実施中TRAINING12/17ワンライお題【断れない・飛行機】花城の命令により捜査で夜飛行場に行った狡宜が、行動課に帰るまでのお話です。キスを送る 俺たちは花城の命令を断れた試しがない。それは彼女の強引さによるものものも大きかったが、俺たちが、いや俺がどうも彼女に弱いところがあるのが原因のように思える。今夜薄暗い中もこうやって飛行場で飛行機が飛ぶのを見上げながら殺人事件の捜査にあたっているのも、そもそもが俺が彼女の命令を断りもせず(それが公安局に捜査権があったとしても、だ)、しずしずと車を駆ったのが理由の一つだった。 今回、高濃度汚染水で溺死した男の捜査にあたったのは、彼が外務省の職員だからだった。公安局に任せればいいものを、もし彼が担当していた事件の秘密が漏れてはまずいと、上層部が花城に声をかけたのである。そういうことならば、彼女も俺と同じで、上の命令を断れない人種なのだろう。それがいいのかどうかは分からないが、そういう性質を持つということだけは確かだった。 2661 時緒🍴自家通販実施中TRAINING2022年宜野座さんお誕生日おめでとうSSです。パーティーを開いてもらって遊ぶお話です。お誕生日おめでとうございます!in the room 欲しいものを欲しいと言えたのは、父がまだ俺の元にいた頃のことだ。あの人が去ってから、俺は心から何かを求めることがなくなってしまった。誕生日を祝う会を催すと花城に言われた時、暗に欲しいものを聞かれて、俺はとっさに何も答えられなかった。欲しいものはなかった。ずっと、父がいなくなってしまってから、俺に欲しいものはなかった。あの人が帰ってきて、母と一緒に暮らせるのなら、他には何もいらなかった。だが、それは幼い頃の幻だ。絶対に叶うことのない、ゆめまぼろしだった。 「酒、進んでないじゃないか」 花城が借りたらしい、薄暗いホテルの一室の中で、馬鹿高いウィスキーを片手に狡噛が言う。昨日までの任務の疲れからなのだろうぼんやりとしていた俺は、それにすぐに答えられず、手に持ったやはり樽の香りが芳ばしいウィスキーのグラスを無意味に揺らすだけだった。 2802 related works nnnnnnoodderaDONE【腐向け】チャバが酔ってハ崎さんに甘えてる漫画。ハ崎さんがトイレに行くのを我慢していたりする。 4 べこDOODLEピンク色のバレンタインなヨウグズ🍫 きくちゃんDOODLEサタン様犬好きかと思いきやロクサーンみたいなパターンもあるのでやっぱ人外思考なのかな~ ココノカSPOILER幻覚なので全くネタバレではないけど1072話の発言ネタ わたさくDOODLE 2watoyoDOODLE【朝のボールペン落書き】【日楠♀】【先天性女体化】日高先輩×男装後輩サキュバス家系楠ちゃん。海編。本当に気にしてるのは。 きくちゃんDOODLEサタン様犬好きかと思いきやロクサーンみたいなパターンもあるのでやっぱ人外思考なのかな~ ちゃづDONE描いたやつその1※茨あん、ジュンあん 17 ちゃづDONE描いたやつその1※茨あん、ジュンあん 17 recommended works 香白白PAST2015年5月発行 「ファーストキスはカレーうどんの味」の再録です。宜野座×常守新刊落としたので準備号になりました。【作業ソフト】ComicStudio Pro 4.0 5 takepooooomCAN’T MAKE宜野座伸元(3期)の髪型がわからない sasaDOODLE 6 sasaTRAINING 2 takepooooomINFO依頼で描かせていただきました 時緒🍴自家通販実施中TRAININGバラで宜野座さんと仲直りしようとする狡噛さんのお話。800文字チャレンジ4日目。狡噛さんはかっこ良すぎるからかっこ悪いくらいがちょうどいいなぁと思いました。花束(花束を君に) バラの花束を抱えて帰って来た恋人に、俺は声が止まりそうになった。というか実際止まった。俺の目は一瞬で品種を見分け(オクラホマだった)、その赤い色から花言葉を探った。あなたを愛します。つぼみがあるから純粋な愛に染まるって意味もある? 狡噛は言葉をなくして突っ立っている俺に、「花売りに押し付けられて」と言った。顔色は変わらない。ならばそうなのだろう。基本的に俺に言い訳はしないし嘘もつかない男だし、だったら哀れな花売りに頼まれて買ったのだろう。時刻はそろそろ十二時過ぎで客も途切れる頃合いだ。 俺はバラを受け取って、とりあえず花をまとめるリボンを解いて包んであった紙を畳んで捨てて、棘がそげ落とされて縛られた茎をハサミで切るべくキッチンに向かった。狡噛は俺についてきて冷蔵庫でビールをあさっている。今日は青島ビール、軽いものがお好みらしい。 943 時緒🍴自家通販実施中TRAINING狡噛さんが熱を出して仕事を休む話。令和なので感染するようなことは(ほとんど)しません。鬼の霍乱です。800文字チャレンジ7日目。熱(高熱) 狡噛が高熱を出した。 それは普段から不摂生をしている彼にとっては当然のことのようにも思えたし、彼のあまりにも強い生命力を知っている身からすると、鬼の霍乱ではないかとも思った。今彼は俺とは離れて自室のベッドで養生している。すぐにでも訪ねたい気分だったが、二人も倒れられては困るから、見舞いには行くなとの花城に命令された。だったら俺はじっとしているしかない。彼の分のデスクワークが回って来たから、そんなに日まではなかったのだけれども。 狡噛の熱は三日ほど続いた。その間も連絡は取らなかった。デバイスを使えば接触せずとも語り合えるというのに、彼の体力が削られることを恐れて見舞いの言葉は送らなかった。なんて不誠実な恋人なのだろうか。そうは思ったものの、見舞いの言葉なんて限られている。いくらか身体を気遣って、最後はお大事に、だ。花城が面会を止めるくらいの高熱なのだから苦しいに決まっている。そんな中で定型文を読ませたくない。 1275 elle_niyaDONE昔描いた2期チカとポニチカの間を描き直した。 時緒🍴自家通販実施中TRAINING宜野座さんの回想。800文字チャレンジ54日目。ひとりぼっち(今までのこと) 彼に会うまでは、俺はひとりぼっちだった。友人は離れていったし、親戚も離れていったし、父と付き合いがあった人々は軒並み自分たちは違うと主張して俺から離れていった。別にそれが悲しいのじゃあない。俺は子どもで、まだ人が離れていくことの意味がわかっていなかった。学校でいじめられてもそうか、としか思わなかった。それよりも母の病状が心配で、学校でぼろぼろにされたかばんを担いで、チューブと繋がった母の病室を訪れた。彼女のユーストレス欠乏症がそれほど進んでいなかった頃、母は時折俺の勉強をみてくれ、それが終われば歌を歌い、遊んでくれた。身体は動かしにくかったから、今までのように一緒にかけっこはしてくれなかったけれど、俺はそれで充分だった。でも、それもある日突然終わってしまった。母がついに意識を手放し、ユーストレス欠乏症患者がそうであるように、現実を捨てた日に、俺は正真正銘のひとりぼっちになってしまったのだった。 955