猫探しの休日 にゃーおん。
銀虎の猫が長い間延びした鳴き声を立てた。フレットの手からチーズの一筋を受け取り、食べ終えたところだった。
「リンドウもいる?」
フレットが裂けるチーズを器用に片手で割り、食べやすいように差し出す。それを見たリンドウは顔を顰めた。
「さっき猫撫でてただろ」
「左手だからダイジョブ」
そう、と言ってリンドウは大人しくチーズの一筋を咥え、そのまま口で千切る。もしゃもしゃと一片が飲み込まれていく様を見たフレットが笑った。
「リンドウもネコみたいじゃん」
チーズの最後の端まで飲み込んだリンドウが両手を頭の横に揃え、にゃあ、と戯けてみせる。カワイイカワイイ、と撫でようとした手をリンドウはパシリと弾き、そっちはさっき猫撫でてた方、と言ってそっぽを向いた。
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