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    meemeemeekodayo

    基本かくか受けで文章を書いている者です。たまに別ジャンル

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    meemeemeekodayo

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    倫理が欠如してる遼嘉の現パロ、中途半端。

    ホーキーベカコン!※ひところしを匂わす表現があります
    ※中途半端

    「ごめんね」
    その声は珍しく萎れていた。水っぽさがあって弱々しい。恐らく郭嘉は目に涙を浮かべているのだろう。確認するまでもない。鼻をすする音も聞こえてくる。
    張遼は運転中というのもあるが、視線を彼へと移すことが出来なかった。見てはいけないような気がしてしまってどうにも助手席を見たくない。
    「ごめんね、張遼殿」
    「いえ」
    返事をするだけで精一杯だった。謝って欲しくない、別に貴方が悪い訳ではない。そう伝えたかったがやはり出来なかった。
    車内は静かだ。ラジオでもつければ良かったのだが今更つけるのも違う気がして結局張遼はハンドルをしっかりと握り前を見るしかなかった。時折郭嘉が鼻を鳴らす音だけが聞こえてくる。
    「……少し眠ってはいかがか」
    「ううん、平気。起きてるよ」
    疲れているだろうが郭嘉は頑なに寝なかった。少々長い間乗車することになるから休んだ方がいいと再度言うものの、大丈夫気にしないでごめんね、と返されては張遼もそれ以上何も言えない。
    再び車内に静寂が訪れる。目的地に着くまで会話はそれきりであった。

    「何か手伝うよ」
    二人で車から降りたときにはすっかり暗くなっていた。街頭などない山の中だから尚更暗く視界も良くない。加えて空気が冷たく場所も相まっておどろおどろしい雰囲気である。
    手伝うと言う郭嘉は、車内にいたよりいくらか元気になっていた。もう泣いてはいない。ただ顔色は悪く青白い。
    作業は重労働だから車内で休んでいればいいと張遼が言うと郭嘉は曖昧な声で返事をして緩く笑うだけであった。
    「では……暗いので、足元を照らしていただけますか」
    「いいよ」
    「懐中電灯が車内にありますから」
    「あ、ううん、これじゃダメかな」
    彼に重たいことはさせたくない。その一心で休むよう言ったのだが郭嘉は戻る素振りを見せなかった。仕方なしに暗がりを照らして欲しいと頼めばスマートフォンを操作し始めた。突然地面が白く照らされる。眩しいほどの明るさに目を細め、ちらりと彼を見れば薄く笑ったまま、何もない地を見つめていた。
    「すぐ終わらせます故」
    張遼は手にしていたシャベルを地面へ突き立てた。土は想像していたよりも柔らかく、足で押し込めば簡単にえぐることができた。掬い上げ、近くへ捨ててまた突き刺し掬い上げて穴を掘っていく。無言のまま続ける作業はスマホのライトに見守れながら粛々と続いた。

    「ありがとう、張遼殿」
    「……いえ」
    やることを済ませて車に戻ると開口一番郭嘉が礼を述べた。ずっとライトの光を見つめていたせいか、彼の白い横顔もぼんやりと光っているように見える。すっかり涙は乾いたようだが覇気はない。精神的疲労があるのだろう。
    「帰りましょう。送ります」
    彼に早く休息を取らせなければいけない。平気なふりをしていても案外その心の内は脆そうで少し放っておけば壊れてしまいそうな気がしたのだ。
    しかしそれを制するかのように郭嘉の手が張遼の手に触れた。ハンドルに置いていた手に郭嘉の白い指が這う。冷たい。数十分しか外にいなかったのにもう冷えてしまったのか。
    「お腹すいた」
    「……帰りましょう」
    「どこに?貴方の家へ?」
    「郭嘉殿の、です」
    「私をひとりにする気?」
    笑って話す郭嘉は指に力を込めて張遼の手にぴったりと重ねた。冷たさだけではない違和感がある、そう思って視線を移せば彼は爪を立てていた。
    「そのような……ひとまず今夜はお休みになられた方が」
    「張遼殿だってこのまま、のこのこ帰れる訳ではないんじゃないかな」
    何かへ誘うように郭嘉の指が動く。緩慢な動きに背筋が粟立つが張遼はそれを振り払えない。彼の言っている意味が分からないほど野暮ではないし、確かに罪を犯した以上日常は戻ってこない。
    「郭嘉殿に、迷惑をかけたくないのだ」
    「うん」
    「なら、」
    「まぁその辺りはホテルに入って話そうよ」
    暗い車内で郭嘉のスマートフォンが明るく光る。勝手に目に入ってしまった名前は自分も彼もよく知る人物であった。
    「ほら荀彧殿に感づかれた」
    先程の焦燥はどこに行ったのか、郭嘉はくすくすと笑って着信を拒否した。
    折れるしかない。いくら自分が心配したって隣の彼が考えを変えることはないのだ。深く息を吐く。
    「ラブホテルになりますが、よろしいか」
    「勿論。ピザでも頼もう、ね?」
    観念してエンジンをかける。立ち上がるナビの軽快な音が状況にミスマッチで妙な心地だった。
    「張遼殿」
    「なんでしょう」

    「貴方と共犯者になれて、とても嬉しいよ」
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