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    Sei_Kurage

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    『寒そうにしている相手を抱き締める』『怜サク』を描きor書きましょう。
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    https://shindanmaker.com/62729

    怜くん▶️@reia_akiDK24

    ##創作DKSS

    《はんぶんこ》怜×サク「さむい」

     登校中、怜くんが一言こぼした。確かに秋口で気温は上がりきらず、肌を撫でる風は多少涼しい。しかし寒いと口にするほど寒くはない。
     いつも僕の体調に気を使ってくれて、寒ければジャケットを貸してくれる。そんな彼が寒がるなんて、よっぽどのことなのではないだろうかと不安になる。

    「怜くん、大丈夫?」
    「寒いだけなんだよね。熱は無いよ」
    「ううん……本当に風邪じゃないの……?」

     一昨日、風邪をひいて寝込んでしまった時、怜くんが看病をしてくれた。おかげで僕は完治し、こうして元気登校している訳なんだが。

    「ね、もしかして僕の風邪うつしちやった?」
    「そんなはずは……」

     体温が高くて悪寒が走っているだけなのではないかと心配になり、怜くんのおでこに手のひらを這わせる。怜くんが否定した通り、発熱している時の熱さでは無いが、じんわりと怜くんの体温を感じて、ひとまず安心した。

    「ほんとに熱はなさそう」
    「うん」
    「なんでだろう……」

     不安を胸に巡らせていると、隣にいたはずの怜くんがいつの間にか半歩下がった位置におり、僕のパーカーのフードを引っ張っていた。

    「さむい……」
    「えぇ……あー……。怜くん、ちょっとこっち来て」

     僕は通学路の途中にある細い路地に、怜くんを連れ込んだ。あぁ、引いた手は少し冷たいかもしれない……。
     連なった室外機をすり抜けると、表通りからは完全に死角になる。そこへ、怜くんを隠すように壁際へ優しく誘導した。

    「えっ、なになに? どうしたの、サクくん……ッ!」

     ぎゅう。
     怜くんの身体を包み込むように、ゆっくりと背中に手を回す。怜くんの肩が少し跳ねた。

    「怜くん、大丈夫? どうして寒いんだろうね?」
    「わ、からない……けど……」
    「僕、怜くんが体調悪くなったりするの嫌だよ」
    「それは、おれも本意じゃないけど」

     身体は密着させたままで、怜くんの手を取った。心なしか先程よりも暖かい気がする。何度も僕に触れてくれたその手。
     その指先に絡めたり、包んでみたり、指の腹で撫でてみたり。

    「サクくん……」
    「うん?」
    「そろそろ、いい……と、思うんだ、けど……」
    「だーめ、もう少し。まだ僕より少し冷たいもの」
    「ええっ」

     僕が足りない時はキミが埋めてくれるけど、キミが足りない時は僕が埋めてあげたい。

     体温も、嬉しいことも、楽しいことも、ぜんぶ。
     はんぶんこ、しようね。
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    sakikuryo

    DOODLE高杉社長について書きたい咲紅さんはおおよそ五分の夕立のあと、様々な蜂蜜を取り扱う洒落た店で嘘みたいな味のりんごを食べたことの話をしてください。

    #さみしいなにかをかく #shindanmaker
    https://shindanmaker.com/595943
    面白きこともなき周回を面白く高杉社長を書いてみようとした
    途中で切れます

    ===

     あたりが焼け野原になったのを見届けてから、高杉は手近なカフェーへ入った。銅だか真鍮だかを叩いてのしたような看板に、甘たるい西洋菓子の名が焼き付けてある。店の名前なのだろう。食べたことはない菓子だったが、横文字の響きだけで十分に胸やけがする。引いた扉の蝶番はやけに重い。ベルが尖った音でちりんと云い、対して店員は、蚊の鳴くような応対で客を出迎える。
    「二名様ですね」
     お好きなお席へどうぞ、と言われて初めて高杉は、自分の後ろにもう一人居たのだと気が付いた。カルデアのマスターだ。白っぽい衣服と頬は煤だらけで、とてもじゃないが洒落たカフェーで一服する格好ではなかろう。人のことは言えないが。振り返る視界で、高杉は自分の髪の、ほどけて赤く、爛れたように黒いのをとらえた。こんな血でべとべとの人間を、よくまあ客として迎え入れたものだ。
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