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    Sei_Kurage

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    『寒そうにしている相手を抱き締める』『怜サク』を描きor書きましょう。
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    怜くん▶️@reia_akiDK24

    ##創作DKSS

    《はんぶんこ》怜×サク「さむい」

     登校中、怜くんが一言こぼした。確かに秋口で気温は上がりきらず、肌を撫でる風は多少涼しい。しかし寒いと口にするほど寒くはない。
     いつも僕の体調に気を使ってくれて、寒ければジャケットを貸してくれる。そんな彼が寒がるなんて、よっぽどのことなのではないだろうかと不安になる。

    「怜くん、大丈夫?」
    「寒いだけなんだよね。熱は無いよ」
    「ううん……本当に風邪じゃないの……?」

     一昨日、風邪をひいて寝込んでしまった時、怜くんが看病をしてくれた。おかげで僕は完治し、こうして元気登校している訳なんだが。

    「ね、もしかして僕の風邪うつしちやった?」
    「そんなはずは……」

     体温が高くて悪寒が走っているだけなのではないかと心配になり、怜くんのおでこに手のひらを這わせる。怜くんが否定した通り、発熱している時の熱さでは無いが、じんわりと怜くんの体温を感じて、ひとまず安心した。

    「ほんとに熱はなさそう」
    「うん」
    「なんでだろう……」

     不安を胸に巡らせていると、隣にいたはずの怜くんがいつの間にか半歩下がった位置におり、僕のパーカーのフードを引っ張っていた。

    「さむい……」
    「えぇ……あー……。怜くん、ちょっとこっち来て」

     僕は通学路の途中にある細い路地に、怜くんを連れ込んだ。あぁ、引いた手は少し冷たいかもしれない……。
     連なった室外機をすり抜けると、表通りからは完全に死角になる。そこへ、怜くんを隠すように壁際へ優しく誘導した。

    「えっ、なになに? どうしたの、サクくん……ッ!」

     ぎゅう。
     怜くんの身体を包み込むように、ゆっくりと背中に手を回す。怜くんの肩が少し跳ねた。

    「怜くん、大丈夫? どうして寒いんだろうね?」
    「わ、からない……けど……」
    「僕、怜くんが体調悪くなったりするの嫌だよ」
    「それは、おれも本意じゃないけど」

     身体は密着させたままで、怜くんの手を取った。心なしか先程よりも暖かい気がする。何度も僕に触れてくれたその手。
     その指先に絡めたり、包んでみたり、指の腹で撫でてみたり。

    「サクくん……」
    「うん?」
    「そろそろ、いい……と、思うんだ、けど……」
    「だーめ、もう少し。まだ僕より少し冷たいもの」
    「ええっ」

     僕が足りない時はキミが埋めてくれるけど、キミが足りない時は僕が埋めてあげたい。

     体温も、嬉しいことも、楽しいことも、ぜんぶ。
     はんぶんこ、しようね。
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    DOODLE一緒にいても何とも思わないけど一緒にいなかったらなんとなく不安になる夜帳と比鷺
    #お題ガチャ #男ふたりの色んなシーン https://odaibako.net/gacha/1739?share=tw

    早野の夜鷺さんへ贈るタイトルお題は、『書を捨てよ、此処を発とう』 です。
    #shindanmaker #同人タイトルお題ったー
    https://shindanmaker.com/566033
     浪磯の部屋を引き払って別の部屋を借りる予定だと聞いたのは、その部屋を明け渡すほんの数日前の事だった。というかつまり、今日初めて知った。
     萬燈夜帳が契約している部屋はいくつか存在しており、浪磯にあるマンションの一室もそうだった。バルコニーから海が見えるその部屋に、比鷺は何度か足を運んだ。山ほど本やCDがあるんだろうと思ったが、それほど物はなかった。当然だ。彼の自宅は別にあるのだから。広くてシンプルなのに殺風景ではない、趣味の良い部屋だと思った。
     良い風じゃん、日当たりも良さそう、トマトでも育てれば? なんていい加減なことを言いながら不思議な気分になったのをよく覚えている。出会ったばかりの頃はずっと萬燈に怯えていた。今は……今はどうだろう? 怯えたって仕方がない相手だとは思う。怖い部分もあるし、可愛い部分もある。人間らしいな、と思うときも人間らしくないな、と思うときもある。まあだから、つまり、慣れたんだろう。慣れた比鷺はふかふかのソファに寝そべってテレビで洋画を見たりもした。自分が介入できない映像を二時間も見続けるのは大変だな、と思って、次はあまり使ってないゲーム機を持ち込んだ。萬燈と対戦して、勝ったり負けたりする。……まあ、トータルでは俺が勝ったけどね。
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