キッチンで栗を蒸していると、ミサイルがおすわりして張り付いている。いい香りは犬の鼻にもたまらないものなのだ。その背には不思議生物たちもきちんと座って待機中。しかし栗は蒸し終わっても剥かねば食べられない。そんな事お構いなしにミサイルは、懸命に栗をむく糸鋸の手に食らいつく勢いだ。
「ミサイル落ち着くッス!」そんなミサイルを避けつつせっせと剥くが、剥いたそばかから食われていく。全く追いつかないッス、と苦笑しながら新たな栗に手を伸ばしたその先に、何故か栗がない。ぎょっとした糸鋸は辺りを見回して、さらに目を剥いた。不思議生物たちはなんと皮ごと栗を食っていた。