ふしぎなのかかん11「やっぱり珍しいものね、てれび!」
夢中になっちゃうのもわかるわ、とエレインは納得した。二人に気づいた魔人はちょっと首をくすめて申し訳ないような、恥じ入るような仕草を見せる。
「悪意はなさそうだな♪」
「そうね。訳が分からないけど……あなたも一人ぼっちなのね?」
エレインが尋ねると、魔人は首を傾げる。どうも言葉が通じないらしい。だが話しかけられてうれしそうに笑った。
「カカッ♪ ちっとかわいいなコイツ♪」
「みんなでテレビ見ておしゃべりしましょ。飲み物もあるわ」
エレインがアルモカ水を二人に勧める。水が出る面白くて不思議な葉っぱ、アルモカをつい先日知ったばかりのバンは、魔人に飲み方を教えて早速会話? に花を咲かている。
「……で、エレイン。さっきの話の続きなんだが……」
エレインはテレビに視線を据えたまま、意識は全部バンの方に向けた。ドキドキして顔を向けられない。小さい声で、「うん」と返事をして微かに頷いた。