ふしぎなのかかん15しかもバンが連れてきたのはエレインの兄、キングだけではなかった。道中出会って仲良くなったというメリオダスという男の子や、兄とテレビに映っていた巨人族の女の子も一緒だった。静かな森は途端にとても賑やかになった。
「んじゃ、約束通り旅に出るか♪」
帰ってきた挨拶もそこそこに、バンはエレインを促す。
「今度はオイラがちゃんと留守番するよ」
キングもそれに加勢する。
エレインは夢のような気持ちだった。永遠の孤独が続くと思われた数百年間はもはや過去のことだ。
バンの手を取り、振り返る。
兄も巨人族の女の子、ディアンヌも魔人も笑顔で見送っている。メリオダスはメリオダスで旅の目的があるらしく、一緒に出かける事になった。
「てれびで見たところに行ける?」
エレインは尋ねる。
「当然だろ。見たことのないところにもな♪」
「とても楽しみ!」
こうしてバンの誓いは果たされ、二人は長い旅路への一歩を踏み出したのだった。