ヤキモチ妬きの彼「……俺だって出来る」
誰がいつ撮ったのか分からない、眠っている私を人型になったラディがお姫様抱っこをして運んでいる写真を見たザフォラはそう言葉を口にした。
「俺にもできるって……わぁっ!?」
心の準備もさせてもらえないまま、抱き上げられてしまい驚きのままザフォラの首に腕を回す。
「どうだ」
「どうだって言われても……ザフォラってやっぱり負けず嫌いだよね」
「…あのな、」
くすくすと笑っていると呆れたような声をザフォラは漏らす。
「え、何?」
「『何?』じゃない!…お前は鈍いというか、まあ気付かれたらそれはそれで面倒だが…」
「ザフォラ?」
ぶつぶつと何やら呟くザフォラ見て不思議に思いながらじっとザフォラを見上げる。ラディやイーオンに比べると華奢に見えるザフォラだけど私より身長も何もかもが違うし、ちゃんと男の人だと理解することができる。
なんだかそう考えると無性にドキドキしてきていて、思わずその頬にキスをしてしまっていた。
「あ、あはは…ふいうち、的な?」
思わずそう笑って返すが深くまたザフォラはため息を吐くとそのまま歩いて私をベッドの上へと置きそのまま唇を塞いだ。
「あっ!そっか…」
「ん?何だよ」
「ザフォラ、もしかしてヤキモチ妬いてた?妬く必要なんてないのに〜…」
けらけらと笑っていると怒ったザフォラに頬をつねられ唇を尖らせる。
「好きな女が俺以外の男とそんなんしてて嫌じゃない男がいるわけないだろ、このバカ」
「ばきゃって……んんっ?!」
反論しようとすればまた口を塞がれる。
「今のはお前が悪い、生意気だ」
じっと睨んでみるが楽しげにザフォラは口角を上げるだけだった。
「俺を揶揄った罰だ」
そうやって近づく顔に顔を寄せ、ザフォラが言う罰という名の愛情を受け入れたーー。
-Fin-