『カフェー』をめぐるエトセトラ(仮)前編 ひょんなことから真島とメールのやり取りをするようになり、数か月。同僚ともいえない、かといって純粋な友人関係とも言い切れない距離感のまま、宅飲みまでする仲になっていた。
今日も今日とて、柏木の家で他愛無い話をしながら酒を飲み交わしていた折、こちらの携帯電話が激しく鳴った。ちらりとディスプレイをみやった後、着信を切ったが、続けて三度電話が鳴った。向かいに座る真島に、悪い、といって立ち上がる。携帯電話で折り返し、相手に一言二言言葉を返した後、テーブルに戻った。
「なんや、アクシデントか? 俺、帰ろか。」
「いや…。」
と首を振る。せやけど、と真島が遠慮した風に言うのに、
「もう長いこと、のびのびになってる問題なんだ。」
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