『カフェー』をめぐるエトセトラ(仮)後編電話をかけると、解決してもうたか?と真島は、この間の『カフェー』のオーナーの話を持ち出した。
「いや、まだだが…。」
「せやったら、俺連れていってくれや。」
ええ案あるねや、とやけに自信たっぷりに言われ、他に代案もなかった柏木は、オーナーの元へ真島を連れていくことにした。
『カフェー』のオーナーとの約束をとりつけた当日、真島は、本当に“変装”してやってきた。白のドレスシャツの上に、ボウタイ、黒のズボン、そして黒のドレッシーなダブルの細身のジャケットを羽織っていた。今、というより、少し前の黒服が着ていた模範的な服装のようにも見えた。
「ひひっ、見慣れんやろ。」
そう言って長くくくってみせた髪の毛を指でつまんでみせる。
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