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    hiim723

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    hiim723

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    「今日は寒いから暖かくなりたい」
    今日はとても寒かった…というつぶやきと癒しのココイヌ作品を眺めていたらいつのまにか出来上がっていた、やまなしおちなしいみなしココイヌ。BD→幹部軸、ハピエン。

    #ココイヌ
    cocoInu

    今日は寒いから暖かくなりたい「イヌピー、寒くねぇの?」

    静かなアジトの中で、温かい声がする。
    寒いのはテメェのせいだろ、と八つ当たりみたいなことを乾は考えながら「寒くねぇよ」と強がりを言った。


    乾青宗は寒さよりもヤンキーのオシャレを貫きたい、気合の入った不良だった。ド派手で相手を威嚇できそうなピンクのジャージを着るし、寒さに日和ったと思われたくないから余計な厚着はしない。流石に布の厚みは季節に応じて変わるけども。
    北風が吹こうが、バイクの運転中に氷のように冷たいかぜが吹き付けようが、ドンキに売ってそうな90年代のヤンキースタイルを崩すことはしなかった。だって、辞めたら自分に負けたみたいでなんかカッコ悪ぃだろ。夏はジャージを脱ぐだけで衣替えも済むし。
    一方で、幼馴染の男は春夏秋冬と洒落臭いコーデを楽しむ男だった。いらないというのに買い物に付き合わされて、チャラチャラした服を着せ替え人形のように試着させられる事もあった。

    「イヌピーはもちろんジャージも似合うけど、顔がいいからこう言うシンプルなシャツとかっちりしたパンツも似合うよ? いや、そのジャージも似合うんだけど、こっちのジャケットは暖かいし、イヌピーのスタイルの良さが際立つんだって! 確かに今日の真紫のジャージに何故か豹柄でPINKって書いてあるジャージもイカしてるんだけど、でも」
    そこまで聞いたところで、大量の服(全て乾のもの)を抱えた男をぶん殴って乾は店を出た。それが一昨日の話だ。

    たしかに、あの時のジャケットはグレーで地味だけどなんかかっこよかったし、内側がふわふわしていて着心地も良く、なにより暖かかった。今日の天気にちょうどよかったかもしれない。昨日まではそこまで寒くなかったのに今日は朝からとても寒い。午前中に小雨が降って、それからずっと天気が悪かったので気温が低いままだったのも関係している。いつもは隣にある体温が少し離れたところに座っているのも要因の一つだと思う。

    「ふざけんな、この服はココと出かけるために新しく下ろしたんだよ」という言葉は、待ち合わせ早々服屋に連れ込んで着替えさせようとするムカつく男には教えてやらなかった。
    「ジャージがダサくて一緒にいたくない」と言外に言われたような気がした。そんな小さなモヤモヤが着せ替えショーを経てイライラに変わり、最終的に殴った。最悪のデートだった。

    それからへそを曲げっぱなしの乾に、九井はお菓子を与えたり、バイク用の暖かい手袋を買ってきたり、乾の好きな食べ物や飲み物を机に並べたりしていた。
    あー、だか、うー、だか言いながらこちらを伺っている視線を感じるが、全て無視する。
    意地になっていたのもある。だって、乾だってこれでもいいカッコをしているつもりだったのだ。お気に入りの服を着て、2人で出かけて美味しいものを食べて、夜はまったりして、そう言う1日を楽しみにしていたのに。
    待ち合わせ早々「え?」と引き攣った顔をされて、問答無用に高そうな服屋に連れて行かれて、そこから2時間試着室で着せ替えショーをさせられた。むしろ2時間も我慢したことを褒めて欲しい。店員だってちょっと引いてた。九井が何かを握らせて黙らせてからは、彼らは遠くの方でこちらをチラチラと伺っていた。その視線も乾をイラつかせたし、なによりも楽しそうにヒラヒラふわふわキラキラした服を持ってくる、九井の楽しそうな顔がムカついた。
    そんなにこのジャージはダメなのかよ。カッケーだろ、豹柄の英語。

    乾は絶対に、自分から話しかけるつもりはなかった。でも、今日は殊更寒くて1人でいると段々と体が震えてくる。鳥肌が止まらない。いつもなら隣にいるホッカイロにそっと寄りかかって、暖かくなっているはずなのに。
    アジトには暖房器具がボロいストーブしかないから、薄着で寒いから、人肌が暖かいから、そうやって寄り添う理由を探してくっついて、心も体も暖かくなるはずだったのに。九井のせいで今日はずっと寒い。クソ。

    「イヌピー、寒くねぇの?」

    聞き馴染んだ男の声がする。
    アジトには乾と九井の2人しかいないので、自分でなければこの声はもう片割れのものだ。いつもと同じ暖かい声をしている。大好きなぬくもりにくっついてしまいたかった。でも、それじゃあ負けたみたいで悔しかった。だから寒さで震え出した体を抑えるように力を入れて、目線を合わせないまま返事をする。

    「寒くねぇよ。貧弱なテメェと違って、オレはこのスタイルを気に入ってんだ」

    返事がないので、部屋は冷たい空気と相まってしーんとしている。空気がより寒くなった気がして、乾はまたブルリと震えた。
    カタリ、と音がして九井がソファから立ち上がる気配がする。そのまま部屋のドアに向かって歩いて行く音がした。

    「あ…」

    そう小さくつぶやきながら顔を上げた時には、九井は部屋を出て行ってしまった後だった。
    開けっぱなしのドアは隙間風ふくアジトの通気をさらに良くするので、よりいっそう部屋が冷えていく。
    しん…と静まり返る部屋の中でひとり暖を取るように、乾はソファの上で体育座りをした。少しでも熱を逃さないように顔を膝に埋めて小さく丸まる。それでも空気に触れた肌表面はとてもつめたい。
    一昨日までなら乾専用のぬくもりがそばにいたのに、隣が空っぽの今日に限ってどうしてこんなに寒いんだ。

    ココのバカ、オマエのせいでこんなに寒いんだぞ、ふざけんな。
    理不尽だと判りながらも心の中で散々な悪態をついていると、不意に肩に何かがかけられる重みを感じた。
    思わずビクッと反応した体を抱き締めるように、慣れ親しんだ熱が乾を包み込む。

    「イヌピー、オレが寒いんだ」

    顔を上げると、まっくろな瞳が心配そうな顔でこちらを覗き込んでいた。上から包むようにかけられた布団は2人の間にある空気を閉じ込めている。どうやら九井が寝室から持ってきたらしい。

    「だからお願い、オレをあたためて」

    そう言って九井は冷たい体をギュッと抱きしめた。火傷してしまいそうなくらい熱い背中に腕を回すと、それは嬉しそうに揺れた。

    「……ココが寒いなら、仕方ねぇな」
    「フフ、ありがとう」

    そうして布団の中で隙間がないくらい抱きしめあった。2人の体温がおんなじになるまで、ずっとずっと溶けるみたいに1つになっていた。
    外側はずっと寒いから2人きりの世界で暖を取り続けた。
    そうやって理由を探さないと、一緒にいられなくなってしまう気がしたから。

    ーーーーーーーーーー

    「イヌピー、寒くねぇの?」

    黒髪の男は布団に寝転んだまま、背中を向けた短髪の男に声をかけた。金髪に夜の光を反射させながら男は振り返る。それからサイドテーブルにある灰皿に吸い殻を押しつけると、呆れたような声色で返事をした。

    「寒ぃよ。誰かさんがスーツをぐちゃぐちゃに放り投げるから皺だらけで、オレは着る服が無ぇんだぞ」
    「オイオイ、被害者面やめろよ?オレだって、お気に入りのチャイナが誰かさんの下敷きになってぐちゃぐちゃのぐちょぐちょになってるんだからな」
    「……ぐちょぐちょになったのはオマエのせいでもあるだろ」
    「アハハ、確かに」

    九井はぬくぬくとした布団にくるまりながら楽しそうに笑った。乾がベッドに座ると布団の中から綺麗な手が伸びてきて、そっと乾の頬に触れた。

    「うわ、冷た。結構長い間、布団の外にいた?」
    「そんなに長く無いと思ってた」
    「イヌピー、昔からやせ我慢というか……謎の寒さ耐久を試みるからなぁ」
    「別に我慢してない」
    「してただろ。いつも、スゲー薄着でさ。風邪ひきそうだし、寒そうで可哀想で、オレはどうにかしてあったかい格好をさせたかったんだよ」

    そんなこと、言われたことなかった。ずっと、隣にいるオレの格好がお気に召さないのかと思ってたよ。そう思ったが、乾は代わりに違う言葉を選んだ。

    「寒い日は嫌いじゃなかった。ココとくっついて、同じ温度になれたから」

    九井の目は丸くなって、それからすぐ嬉しそうにニンマリと細くなった。ガバッ、と布団が持ち上がって、乾は世界の内側に引っぱり込まれる。
    ずっと布団の中にいた体温は、冷え切った身体で受け止めるには熱すぎる。ぎゅうぎゅうと九井が抱きしめてくるので、余計にそう思うのかもしれない。

    「今日のイヌピーすごい素直。どうしたの?」
    「オレはいつも素直だ」
    「んー?」
    「嘘じゃない。オマエがオレの服をダメにしたから、そのせいで体が冷えたんだ」

    それに、今日も外が寒いから。そう言いながら2人しかいない布団の中で、目の前にいる男にキスをする。九井の唇は熱くて、気持ちが良くて、ちゅ、ちゅ、と遊んでいるとそのうちにぬるりとした熱が乾の中に入ってきた。答えるようにちゅう、と吸い付くとその熱が嬉しそうにクツクツと揺れる。

    「イヌピー、外は寒いから。だから、中で暖かくなろう」
    もう一度キスをされる。熱い舌と、それから身体を弄る不埒な手を受け入れながら、乾は目の前のぬくもりに強く抱きついた。
    「昨日もしたからまだ柔らかいね」そんなと共に焼けるように熱い塊が乾の中に押し入ってくる。溶けそうになりながら、乾は九井の腕を軽く叩く。九井は「なぁに?」というようにまっくろな瞳で優しく見つめ返してくれるので、ぴったりくっついたまま会話を続けた。

    「ココ……服、欲しい」
    「服?もちろん。ピンクのジャージでも、虎柄のシャツでも、なんでも仰せのままに」

    嬉しそうにニコニコ笑う男は返事をしながらトン、と奥まで隙間がないくらい乾の中を満たしてくれた。
    そのまま小刻みに揺さぶられるので、乾の足が視界の端でゆらゆらと揺れる。

    「あっ…、ちが、ちがくて、服……ココが選んでくれた、ぁ、アッ…」
    「え、オレが選んでいいの?うれしい」
    「ふわふわでっ、暖かい、やつ、…あぁっ」

    あの時の、グレーでかっこいいジャケットみたいな。そう言いたかったのに、熱い唇が乾の口を塞いでくるので全部言えなかった。
    それからは会話にならなくて、体温がおんなじになるまで溶けるみたいに1つになっていた。
    外側はいつまでたっても寒くてたまらない、だから2人きりの世界で暖を取りつづけた。
    そうやって生きて来たことを、2人とも後悔していない。

    ーーーーーーーーーー

    後日、フワフワもこもこの真っ白なかわいいパジャマをニコニコしながら買ってきた男を、乾は右ストレートで床に沈めた。
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    Replies from the creator

    hiim723

    DOODLE8代目BD、ココイヌ
    アニリベ面白かったです。🚬と🎴のやりとりの最中にちょこんと座るチビーヌを見ていたら、🎴が犬猫をいじめる未来が見えました。
    🈁財布を手に入れて、🐶で憂さ晴らしをする🎴は絶対いる。

    この話の裏で、🎴が🈁に
    「🐶の値段、いくらが妥当だと思う?5000円?オマエならいくら出せる?」
    って煽るシーンがありました。
    30万の犬「オマエを一晩買った男がいる。逆らわずに、大人しくしていられるな?」

    イザナからそう言われた時、「ハイ」とだけ答えた。一晩を買う、それが何を意味しているのか分かっていたけれど、それがボスの言うことなら従わない理由なんてなかった。

    男同士でセックスできることも知っていた。
    族のセンパイ達が「下手な女よりイイ」って言っているのを耳にしたことがあったし、シンイチロウくんやワカくんからもそんな感じの話を聞いたことがあったから。

    「青宗にはまだ早いかな〜」
    「もう少し大きくなったらワルイコトなんでも教えてやるよ」

    そう言って笑う2人に「チビイヌに何を教えてるんだ」とベンケイくんがゲンコツを落として、パチンコで有り金をスったタケオミくんにもついでにグーパンしていた。「その金は家計に入れる用だったんじゃねぇのか」中々に最低なやり取りだ。最低だけれど、オレにとっては最高だった。たった一つの心が休まる大切な場所だった。一度知ってしまえば、失う事が怖くなった。
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    hiim723

    DOODLEココイヌ、なんでもいうことを聞くって、どこまで?
    至る梵バ軸
    なんでもいうこときく券「ココ、これ……」

     ある日ソファに座って仕事をしていたら、彼が横に突っ立ったまま目の前に何かを差し出してきた。なんだこれ? とよく見ると、真ん中に汚ねぇ字で「なんでもいうこときく券」とだけ書かれた白い紙だった。元々の紙をちぎって作ったのか、端の部分がヨレヨレになっている。
     顔を上げて差出人を見ると、気まずそうな瞳と目が合った。

    「……この前の取引、ぶち壊してわるかった」

     先週、かなりの大口の取引が山場を迎えていた。進捗はボスにも、もちろん特攻隊長の彼にも伝えていたはずだった。何があっても大人しく、穏便に、とにかくサインさせるところまで持っていくのだと何度も幹部会で確認した。
     取引相手のクソジジイは変態趣味で、オレらくらいの未成年に見境なく手を出すようなクズだった。オレの手を撫で回しながらにやける気持ちの悪い面を何度ぶん殴ってやりたいと思ったことが。オレですらそうなのだ。幼馴染の美しい顔、まだ完成しきっていない薄い身体は格好の餌食になるだろう。だから一度も連れて行ったことはなかった。うざいジジイのムカつく挙動についての愚痴だけ聞いてくれたらそれで充分だった。
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    hiim723

    DOODLE「好きを伝えてそれでおしまい」
    お互い言葉不足すぎて、上手く行きそうでなぜか上手く行かないココイヌ
    好きな子の告白に浮かれるポンコツノノコイと、何にも期待してないからその先なんて全然考えてなイーヌによる、すれ違いギャグのつもりです。
    好きを伝えてそれでおしまい黒龍の縄張りを荒らす新興チームのアジトに乗り込み、ひと暴れしておおよそ決着が着いた時だった。相手チームのボスの胸ぐらを掴んでその顔をボコボコに殴り続けていた特攻隊長が、ふと何かを思い出したように手を止めた。どうかしたのか、とそちらに目を向けると、青くてキラキラと光る瞳と目が合う。薄ピンク色の唇がそっと開く。彼は聞き心地の良い声で、しかし割と大きめな音でオレをまっすぐ見ながら言葉を発した。

    「好きだ、ココ」

    何を言われたのかすぐには理解できなくて、倒した相手を踏みつけていた足が止まる。
    思わず足をどかして身体を彼の方へ向け直し、真正面から顔をまじまじと見つめてしまった。相変わらず人形みたいに綺麗な顔は表情が読めないままだ。頬についた赤い血は返り血だろうか。口元が切れているのは誰かに殴られたのだろうか、帰ったら手当てしてやるからな。どうせ服の下も殴られて打ち身やあざがあるんだろう、オマエは隊長なのにいつも自分が一番前を突っ切っていくから。その姿に憧れてついていくヤツが多いんだ、特攻隊には。
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    hiim723

    DOODLE「トラウマの上塗り」
    ココイヌ、サイコパスハジメに絆される中学🐶の話。※嘔吐表現注意

    •上塗り: あることの上にさらに同じようなことを重ねること。悪い場合に使う。
    •上書き: 既に存在するデータを新しいデータに置き換えること。 「オーバーライト」と呼ばれることもある。

    ハピエンとは言い難いけど、花垣がタイムリープする前の世界線はこんな感じに一蓮托生エンドだったのかな。
    トラウマの上塗り乾が初めて「そういうこと」を見たのは、イザナの下にいる頃だった。イザナの指示に従って名も知らぬチンピラ供をボコした帰り道、見知った黒龍のメンツが路地裏でたむろしているのを見かけた。別に親しくもない、仕事のために一時話たことがある程度の関わりで名前も覚えていない。けれど向こうはこちらの顔も名前もバッチリ覚えていたらしい。「乾君、こっち来てみなよ」いつもなら無視するような声がけに、気まぐれに振り向いて近づいた。
    裏通りの暗闇を進むにつれて、高くて小さい女の悲鳴が聞こえて来るようになった。まさか数人の男がよって集って女をリンチでもしているのかと訝しみつつ覗き込むと、服がはだけた女が2人、男達の下で柔らかな肢体を淫らにくねらせていた。女はうっとりと蕩ける表情で目元を緩ませ、快楽に顔を歪ませている。男達が身体を動かし女の身体に触れるたび、甲高い声が路地裏にこだまする。
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    hiim723

    DOODLE「その日が何の日なのかオレは知らない」
    失ったものを思い出しながら🐉と🐶が会話する話。足りないものを埋め合うみたいな補完的相棒関係が好き……。
    梵天軸、DDの🐉と🐶です。カプ要素は無いつもりですが、ココiイヌの民が書いているのでちょっと出てるかもしれないです。
    その日が何の日なのかオレは知らない普段は酒に弱い乾が龍宮寺にお世話されているが、一年に一回、龍宮寺がハメを外す日があることを乾だけが知っている。
    前日からやたらテンション高めの龍宮寺が「なぁ、イヌピー明日暇?」と話しかけてくる。毎年同じ言葉をかけられるので、いい加減覚えてしまった。
    あぁ、そろそろだったか。乾がそう思いながら「暇だよ」と返すと、「常連さんにいい酒貰ってさ。明後日休みだし、明日の仕事終わりにちょっと飲まねぇか?」といい笑顔で龍宮寺が続ける。
    乾は黙って頷きながら、長い金髪を束ねている青いシュシュを外した。

    ーーーーーー

    良いペースで酒を飲み進める龍宮寺の横で、乾は烏龍茶を口に含む。最初に注がれたビールは一口だけ飲んで机に置いていたので、とっくの昔に泡が無くなっていた。薄い麦茶みたいな色をしたそれを横目に色の濃い烏龍茶をコップに継ぎ足して、また一口飲む。それを繰り返しながら龍宮寺の話に相槌を打ち続けた。
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