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    somakusanao

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    ココイヌちゃんがチェーン系列のフード店でデートするお話です。⑦こめだ

    #ココイヌ
    cocoInu

    ココイヌデート⑦こめだ こ、これがコ〇ダのミックスサンドか……!
     SNSで有名なかの喫茶店。あいにくと私の地元にはなく、わざわざ一時間かけてショッピングモールに車でやってきた。
     ミックスサンドにアメリカン。このあと有名なシロロワールも頼むつもりだけど、私の胃は耐えきれるだろうか。
     とにかくミックスサンドを頂こうと手を伸ばしたその時に、隣から声が聞こえてきた。

    「ココ、テメェ浮気しただろ」

     ミックスサンドも気になるが、隣の席の浮気も気になる。こっそり伺ってみたところ、イケメンと美人が向かい合って座っていた。浮気を問い質されているのはイケメンだ。あんな美人でも浮気されるのか。衝撃の事実である。
     しかしイケメンはのらりくらりと追及を避けている。

    「いったいなんのことだよ? 昨日会ってた奴なら、取引先の女だぜ。オレがすきなのはイヌピーだけ。わかってるだろ」
    「……」
    「なんか誤解させたなら、悪かったよ。じゃあ、こうしよう。あいつのアドレスはブロックする。それでいいだろ」

     イケメンをじっと眺めていた美人が胡乱気に「証拠は挙がってんだ」と呟く。しかしイケメンは「勘違いだって。清廉潔白だ。オレはイヌピー一筋だからな」と断固として認めない。

    「で、証拠ってなに?」
    「……女がオレのところに来た」
    「は? だれ?」
    「名前は聞いてねぇ。顔も覚えてねぇ。ココなら思い当たる奴がいるだろ」 
    「よし、殺そう」
    「……心当たりあるのか?」
    「ねぇけど、五人ぐらい殺せば当たるんじゃないかな」
    「……五人?」
    「あ、十人に増やしとく?」

     あ、彼氏さん、メンヘラの方でしたか。
     通りすがりの店員を呼び止め、「あ、コロッケバーガーとコーヒーふたつ追加で。イヌピーも飲むよな?」と言った声色と全く変わらない。
     通路挟んで隣に座る私の冷汗は止まらない。

    「……殺すことないんじゃないか?」
    「イヌピーはやさしいな」
    「よく考えたら、ココと寝たって言う自己申告だけだった」
    「ついでに良く思い出して。その女の名前と顔。そうしたら、十人も始末しなくて済むから。ね?」

     ね?ではない。
     気がつけば、斜め向こうに座るサラリーマンも硬直していた。この状況、ホラー映画より怖いんですけど。泣いていいかな。 
     しかしメンヘライケメンは笑顔のままだ。

    「あ、イヌピー。シロノワール食う?」
     
     怖い怖い怖い。
     と、とんでもない現場に出くわしてしまった。手に持ったミックスサンドは一口も食べていない。とても喉を通らない。
     しばらく黙っていた美人が、ようやく口を開いた。名前と顔を思い出してしまったんだろうか。

    「ココ」
    「なに?」
    「実は狙っていたバイクがあるんだ」
    「ん? そうなの?」
    「ああ、だから浮気現場を見たって言ったら買ってくれるんじゃないかと思って」
    「え。なんだ。バイクくらいいくらでも買うよ。で、イヌピー、女の名前は思い出した?」

     美人は目をつぶり、とうとう「アイリ」と呟いた。イケメンは美人の手を取って、甲にキスをした。

    「イヌピー、愛してるよ」
    「ああ……オレも」


      
     
     とんでもない修羅場を見てしまった。めちゃくちゃ疲れた。なので、シロノワールを食べても実質カロリーはゼロということになるのでは? ダイエットは明日から。今日はご褒美に甘いものを食べよう。なにせ私の名前は「愛理」。もちろん浮気相手でもなんでもないけど、血の気が引いてしまった。

    「スイマセン、シロノワールください」
     
     シロノワールはとてもおいしく、私の体重は一キロ増えたが、後悔はない。 
     
     
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    ギギ@coinupippi

    DONEココイヌだけどココは出て来ない。
    またモブが出張ってる。
    パフェに釣られてイヌピーがJKからココの恋愛相談を受ける話。
    逞しく生きる女の子が好き。
    特大パフェはちょっとだけしょっぱい。乾青宗はその日の夕方、ファミレスで大きなパフェを頬張っていた。地域密着型のローカルチェーンファミレスの限定メニュー。マロンとチョコのモンブランパフェは見た目のゴージャス感と、程良い甘さが若者を中心に人気だった。
     そのパフェの特大サイズは3人前程あり、いつかそれを1人で食べるのが小学生からの夢だった。しかし値段も3倍なので、中々簡単には手が出せない。もし青宗がそれを食べたいと口にすれば、幼馴染はポンと頼んでくれたかもしれない。そうなるのが嫌だったから青宗はそれを幼馴染の前では口にしなかった。
     幼馴染の九井一は、青宗が何気なく口にした些細な事も覚えているしそれを叶えてやろうとする。そうされると何だか青宗は微妙な気持ちになった。嬉しく無いわけでは無いのだが、そんなに与えられても返しきれない。積み重なって関係性が対等じゃなくなってしまう。恐らく九井自身はそんな事まるで気にして無いだろうが、一方的な行為は受け取る側をどんどん傲慢に駄目にしてしまうんじゃ無いかと思うのだ。
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