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    akujikidesu

    @akujikidesu
    猗窩煉が好き。受が好きすぎて頭がおかしくなってる攻×つれないけど包容力がある男前受が癖。
    つまり猗窩煉最高ってことです✨

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    akujikidesu

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    大好きな煉杏さんを胃袋から掴もうと尽くし、胃袋だけを掴みすぎて落ち込む座くん×そんな座くんに過保護に尽くされまくって仕方ないから胃袋以外も掴まれてやるか…な煉杏さんのお話し。  

    現パロ。一応バレンタインネタ。

    感極まると座くんの語尾に♡が付きますので苦手な方は回避でお願いします。

    #猗窩煉

    胃袋だけじゃ足りない 好きな人の心を掴むには、まず胃袋からーー。


     食べることが大好きな想い人の為に猗窩座はひたすら料理スキルを磨いた。その熱意は凄まじく今では和、洋、中、だけでなくデザートまでお手の物だ。



    「君は本当に料理上手だな!」

     うまい、うまい、と上機嫌で食べる顔が可愛くてたまらない。見つめる猗窩座の頬は緩みきっていた。

    「…杏寿郎への愛がこもっているからな」

     プロ顔負けな俺の料理は杏寿郎を虜にしているはずだ。今なら言える。
    頑張れ、俺。
    「…俺がずっと旨い飯を食べさせてやる!だからっお、俺と付き合ってくれっ!!」 

     沈黙が怖い。震える手を落ち着かせながら杏寿郎の答えを待つ。


    「…………それは頼もしいな!宜しく頼む!」
     少し考えた後、杏寿郎は優しく微笑んで答えてくれた。

    「そうかっ!?や、やったぁ…。デザートもあるからなぁ〜♡」
    「うむ!」 


     こうして見事に胃袋を掴み、付き合うことにOKを貰えた。はずなのだが。


    「きょ、杏寿郎。その、今日こそは泊まっ…」 
    「おかわりを頼む!」 
    「あ、うん……」


     恋人らしい進展はまったく無い。このままだと本当に、ただの飯炊き男で終わりそうな気がする。


     猗窩座の愛がこもった料理は完璧に杏寿郎の胃袋を掴んでいる。掴んでいるのだ。
     見事に【胃袋】を………。


     あれ?そんな、こんなはずでは。



     嫌だっ!【胃袋】だけ、じゃ嫌だーーっっ!!




    ーーーーーーーーーーーーーー
     
    「お願いがあるんだ、杏寿郎。……食べながらでいいから聞いてくれ」
    「…んむっ?」
     キラキラの笑顔で食後のデザートを頬張っていた杏寿郎が不思議そうに小首を傾げた。

    「(くそっ…かわいいなオイっ!)今年のバレンタインは杏寿郎からもチョコが欲しい…。手作りの」

    「付き合って初めてのバレンタインだろ…。お互いに手作りチョコ渡し合わないか?」

     心臓の音がバクバクと煩い。OKしてくれたのは俺の妄想とかじゃないよな?付き合ってないとか言われたらどうしよう?
    泣くぞ、俺。


    「俺は君のように上手く作れないと思うが…それでもいいだろうか?」 
    「えっ…いいに決まってる!杏寿郎からなら何でも嬉しいっ」

     よ、よかった〜!俺の妄想じゃなかったっ!! 


    「うむ。では俺も頑張ってみよう」
     凛々しい目元がフワリ、と綻ぶ。その微笑みに猗窩座はうっとりと見入ってしまう。


     あぁ、好きだ。杏寿郎が大好きだ……。
     だから恋人としての関係をもっと深めたい。今年のバレンタインは特別な日になるだろう。

     俺は杏寿郎の全てが欲しい。



    【胃袋】だけじゃなく心も身体も全部ーーーー。




    ーーーーーーーーーーーーーー

     告白をされた時は正直びっくりした。だって猗窩座をそんな風に見て無かったから。
     でもその時、彼の手がとても震えていることに気付いてしまったのだ。

     猗窩座は今までどれだけの想いで俺の為に料理を作っていたんだろう?
     そう思うと自然に彼を受入れていた…。


    「……どうしたものか」
     レシピ本の前で煉獄は困り果てていた。書いてあることがさっぱり理解できない。

    「とりあえずやってみるか…」

     ずっと料理とは無縁で生きてきた。実家を出てからは猗窩座が毎日通い詰め、せっせと煉獄に尽くしていたので今まで包丁を握ったこともなければ、まともにお湯さえも沸かしたことが無いのである。

    「なぜ…何回やっても黒コゲになるんだっ!」
     
     付き合いはじめ、更に過保護になった猗窩座に尽くされまくっている煉獄の料理スキルもはや壊滅的だった。それがいきなり手作りチョコなどハードルが高すぎる。

     煉獄は「杏寿郎からなら何でも嬉しい」と涙目で微笑んだ猗窩座の顔を思い浮かべた。
    「…流石に、これは渡せないな」

     何か良い方法はないだろうか?
     俺でも作れる美味しいチョコ………あ、あるな…俺にしか出来ないチョコ。絶対に猗窩座が喜ぶチョコレート……。

     抵抗はあるが、恋人に黒コゲを食わせる不甲斐なさに比べればマシだ。
     
     
     よし。腹を括れ、気合いを入れろ!俺は煉獄杏寿郎だ!!



     その杏寿郎お手製チョコレートで嬉し涙と鼻血を垂れ流す事になろうとは。 



     猗窩座はまだ、知らないーーーー。







       
     
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    DONE猗窩煉/現パロ
    実家から出て2人で同棲してます。
    ライトな「価値基準が違うようだ!」が書きたくて書いたお話です。
    喧嘩したり家飛び出したりしてるけど内容は甘々。
    「君とは価値基準が違うようだ!!実家に帰らせてもらう!」

    近所中に響き渡る声と共に、騒々しく杏寿郎は出ていった。
    またか、と勢い良く閉められた玄関のドアをぼうっと見つめること10分。リビングの方から間の抜けた通知音が響く。重たい足取りで通知を確認すると、それはまさしくさっき出ていった杏寿郎からのメッセージだった。

    『今日は実家に泊まる』

    …律儀と言うか何と言うか。喧嘩して出ていったにも関わらず、ちゃんとこういう事は連絡をしてくるのだ、杏寿郎は。

    先程までどうしても譲れないことがあって口論していたのに、もう既にそのメッセージだけで許してしまいそうになる。

    駄目だ、と頭を振って我に返る。この流れもいつものことだった。実際、今までは俺の方から折れている。

    杏寿郎と一緒に住むようになったのは一昨年の12月。あれから1年と少し経っているが、住み始めた頃も今も、些細なことで言い合いになって杏寿郎が家を飛び出すという事がたまにある。

    その度に「価値基準が違う!」とか何とか言って出ていくものだから、正直なところ、デジャブの様なものを感じてかなり傷ついていた。

    だが毎回、言い争いの原因は 3534

    ほしいも

    DONE1cm差の猗窩煉
    ■現代パロディ

    ファンブックで身長差の正解が出たら書けなくなると思って慌てました。
    俺よりも、身長は1センチ、年齢は二つ上の恋人と並ぶとき、ほんの少しだけ踵を上げてみる。ほんの少しだけ視界が揺れて、それだけだった。
     初めて踵に高さのある靴に足を通した時、世界が違って見えたと言った知り合いがいたが、俺の背伸びでは見える世界が変わるなんて劇的な事は一つもなかった。


     ソファーの上で二人、折り重なったまま目覚めた。上下逆さまの視点で壁掛け時計を確認すると、短針と長針も自分たちのように重なっている。この場合、短針が自分という事になるのだろう。短針の上には長針が被さっているし、自分の上で眠る恋人の方がほんの少し上背があるからだ。
    「杏寿郎、おい…杏寿郎、起きろ。」
    「やだ。」
    「起きているなら退いてくれ。」
    「いやだ。」
     わがままな長針は返事こそ素早く威勢がいいものの、眩しい日差しから逃げるように俺の胸へ顔を埋めている。並んで立っているとほんの少しだけ目線が上にある恋人を、こうして見下ろすのは気分がいい。
     ふわふわとそよぐ癖っ毛を撫でながら、こんな僅かな身長差なんて絶対に超えてやると息巻いていた学生時代を思い出す。結果はご覧の通りで、成長期を終えた自分の上背はこれが頭 935