【クリスマス七五】「七海!七海!起きて!」
『ん…』
「起きた?」
『……ごじょ……さ……ンタ?』
「メリークリスマス‼︎」
『メリー…クリスマス…?』
「何その顔」
『……顔が……』
「髭?上手く出来てるでしょ?」
『いや、顔が……丸……い?」
「ちょっと丸いかもね」
『どうして』
「サンタっぽくしようと思って」
『一週間も経たないうちにそんなに太ります?』
「肉をつけるのなんか簡単だよ」
『いや……そんな量じゃ……』
「ガッ!とご飯食べてね、呪力をこう……ひょいひょいっと」
『そんな事も出来たんですか……』
「出来るよ、この髭も生やしたし」
『え』
「こう、顎に意識を集中して、ひゅーっと」
『……嘘でしょう』
「嘘じゃないよ、ホラ、本物」
『…………本当だ……』
「嬉しくない?」
『は?』
「この前、オマエが言ったから」
『何の事ですか』
「え?覚えてない?寝惚けてたの?」
「ちょっと髭伸びてた時にさ、
『伸ばしたらサンタさんになれそうですね』
ってニコニコしながら顎撫でてきたじゃん」
『記憶にないですね』
「見たいのかな、って思って」
『はあ』
「違った……」
『珍しい姿をありがとうございます。
もう十分楽しみましたので、元に戻っていただけますか』
「え、戻れないよ?」
『え?』
「減らすのは出来ないんだよね」
『嘘』
「ほんと」
『その身体、どうするんですか』
「ちょっとずつ落とすかな〜」
『仕事は……』
「問題ないと思うけど」
『そうですか……
では取り敢えず髭を落として……』
「えー、折角生やしたのに。可愛くない?」
『……フサフサの髭を蓄えたアナタも可愛らしいですが、
無い方がもっと可愛いので』
「うーん」
『駄目ですか?』
「七海は、ぽっちゃりで髭フサフサの僕とはしたくない?」
『え?』
「外見の変わった僕は愛せないんだ……」
『…………そんな事はありません』
「じゃあこのまましようよ」
『このまま……』
「折角サンタの服も着て来たし」
『凄く普通のサンタクロースですね』
「エッチなサンタが良かった?」
『……いえ……』
「下は紐だよ!ほら」
『(ギリギリ結べている……)』
「どう?」
『……肉の圧が凄い……』
「この柔らかさを味わえるのは今だけだよ!」
『…………、あ……柔らかい……』
「でしょ」
『ふかふか……』
「なんと!おっぱいもあります!」
『…………』
「さあ来い!七海!」
『(ゴクリ…)』
【最中】
『(アッ……!凄い!凄く…包まれている……!
脂肪の柔らかさ……ふわふわ……)』
「七海!七海!起きて!」
『ん…』
「起きた?」
『……ごじょ……さ……ンタ……じゃない……』
「トナカイだね」
『…………ッ』
「え、どういう顔?サンタが良かった?」
『痩せてる……』
「?変わってないけど」
『髭も無い』
「うん」
『…………夢……』
「?」
『やっぱり、いつものアナタが良いです……』
「トナカイ可愛くない?」
『可愛いです』
「でしょ」
『これ下は』
「紐だよ」
『紐……』
「見る?」
『見ます……けど、先にケーキ、食べますか?』
「!食べる!♡」
Merry Christmas