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    TTK_gentei

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    TTK_gentei

    PAST赤い糸大作戦シリーズ(告白大作戦)https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17474345
    のおまけです。
    告白大作戦、のおまけ あの糸が消えてからしばらく、すっかりクリアになってしまった視界の中で自分と類は順調なお付き合いというものを行なっていた。スキンシップ…は別に減ってはいないしどちらかと増えてはいるが、まぁきちんとお互いが好き合って恋人になっているのだからあの時よりはよい関係を築いているのだと思う。

    「類、言っていた映画のパンフレットはこれだったよな」
    「あぁありがとう!あの時一緒に見た映画の前進はいつの間にか上映が終わっていてね…配信が始まってから見てはいたんだけどできれば監督のコメントが見たかったから助かるよ」
    「気にするな、オレも好きでたまたま買っていたものだったから」

     あれから数回、今度は自分達らしいデートも行なって、ようやく自分としてもしっくりくる関係性になった気がしている。今は昼休み。こういう関係になる前から一緒にランチを取ることはどちらが言わずとも定番化していたものだが、今は約束として二人の時間をなるべく取るようにしていた。相変わらずショーの話が9割ではあるが、残りの1割でお互いの話もするようになって、より近づけたような気がする。
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    TTK_gentei

    DONEフォロワーさんに捧げた「その獣、狡猾につき」のちょっとした後日譚です。
    前作読んでないとなにがなにやらです。
    その獣、したたかにつき 「……なんだか、ひさしぶりにここまできた気がする」

     爽やかな天気だった。からりと晴れわたった空は雲ひとつなく、天気予報によると今週は雨の気配もないらしい。最近は外で過ごすにはちょうどいい気候になっていて、少し前までこの場所──屋上に当然のようにやっていた自分であれば絶好の季節だと諸手をあげて大歓迎したところだったけれど、はてさて今はどうだろうか。どうせなら雨でも降ってくれたほうが、なんて少しだけ逃げ腰な考えが浮かんできたのを何を馬鹿なことをと被りをふって吹き飛ばした。そして、そっと首元へと手を伸ばす。
     そこにあった絆創膏は、今朝からもうお役御免となった。全てがなくなったわけではないが、舞台用に持っていたコンシーラーを薄く伸ばしてしまえばもうそこに何かがあったなどということは読み取れないだろう、という程度には隠したかったものが薄くなってしまったからだ。少し治りかけたところをダメおしのようにもう一度刻みつけられたそれは、通常の傷にくらべると随分長い間首元を陣取っていた。
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    TTK_gentei

    DONE
    題目「さみしい」「…というわけで、金曜日と土曜日の件、申し訳ないがよろしく頼む」

     かねてから伝えていた予定のことをあらためて集まった3人に話すと、全員がもう分かっているとでもいうように大きく頷いてくれた。それにほっと一息吐く。よくよく考えるとこの4人で活動をはじめてから、自分だけ少しの間休むということは初めてだ。

    「はーい!司くん、楽しんできてねっ!」
    「まぁたまにはいいんじゃない?」
    「こちらのことは任せてもらって大丈夫だよ。またどんな式だったか教えてね」

     今回は休日も含まれるから公演も任せることになるのだが、快く受け入れてくれた仲間たちにひたすら頭が下がる。
     そもそもなぜ2日間の休みを取るのかと言うと、親戚がこの度結婚することになり、その式に参加することになったからだ。親戚ではあるがその人が昔母のピアノ教室に通っていたため自分も小さな頃にお世話になっており、成長してからも度々顔を合わせることもあった。ひとまわりほど歳は離れているので、年の離れた子を可愛がるようにとてもよくしてくれていた人だ。今回結婚を機に地方に移住することになり、よければ家族で参加してもらえないか、という依頼を貰ったのがことの始まりである。咲希もこの人にはとても懐いていたし、せっかくの祝い事、人数は多いほうがいい。家族で話して結婚式に参加することを決めたのもそういう理由である。
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