sexual scrap#2甘い気だるさに横たわっていると「水飲む?」と、ココがベッドから立ち上がった。俺が頷くより先にキャップを開けたミネラルウォーターを差し出すからそれを受け取り一口含む。すると、水はみるみるうちに身体中に巡っていく。少し飲んでそのままココに押し戻すと、ベッドに半分腰掛けたままごくごくと喉を鳴ら始めた。水が喉を通り落ちていく様子を眺め、ふとその喉仏が気になった。普段あまり意識しないココの喉仏は、凹凸がハッキリしておりその一部がひどく尖っている。昔からこんなに尖っていただろうか。
「...どうした?」
「…いや」
毎日隣にいても、ふとした瞬間知らないココを見る。それは表情だったり、今みたいな身体のことだったり。自分ではない他人だから当然なわけだが、俺はいつもそんな小さな発見に幸せを思う。
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