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    iori_uziyama

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    iori_uziyama

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    勢いで書いた。
    🦊😈🦊、🧡❤🧡
    置いていかれたヴォと置いていってしまったミの話。死ネタ。

    #foxakuma
    #Foxakuma

    いっそ愛さなければよかったなんて鬼の生は長くて、今まで何度も人を愛したし、見送ったし、それでも時間が傷を癒やして、また人を愛せたし。だからミスタを愛したときも、彼の人生いっぱいいっぱいまで最大限の愛を注ごうと決めていた。そこに悲観はなかった。それは本当だったのに。彼を抱きしめて寝るのが好きだった。彼の体温が好きだった。彼の声が好きだった。彼の笑顔が好きだった。あぁ、忘れていた。そうだった。愛するものを失うのは心が引きちぎれるほど悲しくて、過ぎ去ることはわかっていてもその時間が果てしなく長く感じる。彼のことをずっと覚えて抱えていたいのに、あまりにも辛すぎて今すぐ忘れてしまいたくもなる。あと何年で忘れてしまうのだろう。あと何年で忘れられるのだろう。この傷が愛おしいのに辛くて堪らない。日本では49日で魂があの世へ行くらしいけれど、私の心にはミスタが染み付いて離れない。死んでしまいそうなくらいギュウギュウと締め付けてくるのに、決して殺しはしてくれない。ミスタに会いに行かせてくれない。鬼の身体を呪うしかない。焦がれて、力の制御もうまく行かずに引っ掻いたシーツが引き裂かれても、もがくことをやめられない。ああ、いっそ愛さなければよかったのにと思ってしまうほど、苦しくてつらい。楽しい思い出が輝くほどに、彼を思い出すほどに、憎くなる。なぜ私を置いていく。頼むから、置いていかないでくれ。泣き叫んで、縋り付いたっていい、どんなに情けない姿になってでも、ずっと側にいてくれるならそれでいい。たのむ、みすた、一人にしないでくれ。金色の瞳からポロポロと涙が溢れる。牙のある口から嗚咽が溢れて、雨の日も、雪の日も、晴れの日も風の日も、嵐の日も、昼も、夜も、朝も、ひたすら墓にすがりついていた。一ヶ月が経ってもニヶ月が経っても三ヶ月が経っても、半年が過ぎても、四季が巡ろうとも、涙は止まらなかった。両手の指を超える年を経ても未だに夢に思い、起きては絶望した。取り繕う余裕もなく、余りにも変わらず居るものだから、街中の話題になっても、国中の話題になっても世界中の話題になっても、頭の中にはミスタしか居なかった。ひとりぽっちになってしまった鬼が、いまだにわんわん泣いている。
    彼はあの世でごめんねって泣いていた。彼だって置いて行きたくなかった。でも慣れていると、平気そうに言っていたから惜しみながらも安堵で命を終えた。死んでから初めて彼の愛を思い知った。魂のまま彼をずっとずっと抱きしめて、なんどもキスを落とした。どうか泣き止んでくれとどうか忘れてくれともういいから苦しまないでといっそ嫌いになってもいいからと泣きながら縋り付いた。それでも魂はあの世に行かねばならなくて、死後すら側にいられない自分を呪った。それからもずぅっとずぅっと上から届きもしない手を伸ばして、涙を拭おうとしてしまう。彼だって愛していたのだ。愛しているから死ねないのだ。お互いに見えないまま、いまだに愛し合っているのだ。苦しみながら、憎みながら、愛しながら、泣いているのだ。二人がそれを終わらせるまで、泣き止む日は来ないのだ。いつだって、終わりには時間がかかるものだから。
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    alice1024_dc

    DONE❤→(←?)💜メイン
    #voxshu
    お題『ハロウィン』

    某ワンドロワンライ様参加作品だったんですが、途中データ消えまくったし他面子出したかったのでもう普通にあげることにしました🤕😇
    呪術師みのある攫われかけの💜くん、阻止する❤️
    最後は全員→💜くん風味
    ハロウィンらしい軽微なホラー要素と、最後女装あります注意!
    結局のところ、彼もあちら側なのでこの時期になると、とりわけ忙しくなる。
    VTuberと呪術師というミスマッチな仕事を兼業しているシュウは、今日も珍しく外出していた。
    依頼自体は簡単に終わったものの、ハロウィンが近づくといつもこうだ。あちらとこちらの境が曖昧になりかけるせいで、必ず依頼が頻発する。
    朝から呼び出されていて、ようやくの帰り路。
    街中から閑静な住宅街を抜けて帰ろうと思った時、それが目に入った。

    《やあ!ボクのかわいいコウモリちゃん!》

    たまに行く、落ち着いた雰囲気の喫茶店。
    くすんだ赤煉瓦の佇まいに似合わず、その窓にどピンクのペンキで書かれたメッセージ。
    ハロウィンの演出にしては芸がないから、いたずら書きか個人へのラブレターかな。
    あくびを噛み殺しながらそう判断して、シュウは踵横の路地へ足を進めた。
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