Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    夢魅屋の終雪

    @hiduki_kasuga

    @hiduki_kasuga
    夢魅屋の終雪です。推しのRがつくものを投稿してます

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💙 💜 🐳 🐙
    POIPOI 91

    夢魅屋の終雪

    ☆quiet follow

    曦澄現代AUクリスマスアンケSS
    息の詰まる実家から飛び出した澄。

    #曦澄
    #創作モブ
    originalMob

    【曦澄】クリスマスまで6日【腐向け】藍曦臣と姉の江厭離が会っているころ、
    江晩吟は不機嫌そうに目の前で課題をこなしている友人を睨みつけていた。

    「お前、俺の味方じゃないのか」
    「貴方の味方ですけど、社長には逆らえませんよ。
    私は、使用人のサラブレッドですから」
    「っち」

    この友人は、母の虞家からの使用人と江家の使用人の息子である。
    それ故に、彼は使用人としての立場を十分なほどに理解していた。

    「絶対にお前は俺の秘書にしてやるんだからな。そしたら、俺に逆らえない」
    「楽しみにしてますね」

    江家を継ぐことになんの違和感を持っていないのだな…と、友人は思う。
    なんせ自分を秘書にするんだと言って聞かないのは、子供の頃からなのだ。
    それなら魏無羨はどうなるんだ?と疑問に思ったけれど、隣にいると言う事を信じて疑っていなかった。
    しかし、成長するに連れて義兄と江晩吟との扱いに違いがある事をどちらも感じていた。
    まるで魏無羨は、いつかはこの家を出ていくのだと言わんばかりに外に対する事に許可を出していた。
    対して江晩吟には、外に出ることを許さないとばかりに厳しく育て中に留めていた。
    今回、藍家へのルームシェアは四年間の猶予といった所だった。

    パーティーの後連れ帰られてから、友人が江晩吟の側を離れない。
    問いただせば、江楓眠からの命令である事がわかった。
    逆らえないのにどうやって、父を説得するのだ。

    「晩吟、課題は?」
    「おわった」

    帰ってきてから、やる事がないのだ。
    藍家にいた時は、家政夫の手伝いをしていた。
    けれど、実家では大学から帰れば使用人には部屋の掃除を済まされている。
    キッチンに入ろうものなら、料理人に困惑されてしまう。
    たった1日だが、藍家は家訓は多いが自由が効いていた気がする。
    自分のことは、自分でさせて来れていた。
    食事に至っても、味が濃く感じる。食べながら喋っていいはずの食卓には、家族揃って食事というのがない。

    クッションを抱き抱えて、課題をこなしていく友人を恨みがましく見つめた。
    こいつだけでも、食事を一緒にしてくれればいいのに……。
    いつから静かなのに、誰かと食事を取ることに慣れてしまったのだろう。
    藍家だったら、誰かしらは一緒に食事をしていた。
    食事の後は、今日の出来事を互いに話していたのだ。
    その後は、各々自由に過ごしていたけれど誰かがソファーに座ってれば隣に座っていた。
    堅苦しいのかと思っていた藍啓仁もテレビをつけて、バライティを見ていても叱咤されない。
    それどころか「こういうのが、若者はいいのか」と問いかけてきて「そうですね」と返す。
    誰もが笑いどころは一緒じゃないけれど、いつの間にか同じテレビを見ていた。
    けれど江家には、それがない。
    ソファーでテレビを見ていても、もう隣に座ってくれる人はいない。
    友人もこの家の中では、隣に座って来れないのだ。

    せっかくの土曜日だ。聶の精肉店で、家政夫のお使いをする日だった。
    もうすぐセールが始まる時間だな、今日は誰があの人について行くんだろう?
    藍先生かな?

    なんて、妄想すればするほどたった半年間だったとはいえ、藍家が恋しくなる。
    こちらにきた時は、スマホくらいしか持っていなかったけれど
    大学の教科書やノートパソコンは、家政夫によって昨日のうちに渡されている。
    それらは、使いおわったらカバンに押し込んだままだ。

    藍啓仁は、家族での会話が足らないと言っていた。

    確かにその通りだと思うけれど、江楓眠は何も聞き入れて来れない。
    藍曦臣が、自分に手を出すなんてことはあり得ない!と告げた所で、聞く耳を持って来れなかった。
    あの人には好きな人がいるんだと言ったら、微妙な顔をされて眉間に皺を寄せていた。

    早くあの堅苦しくて家訓の多い家に、戻りたい、帰りたい。
    江家は自由に見えて、居場所がないようにも感じる。
    甘えた考えなのかもしれない。自分の家は、ここなのに他人の家に帰りたいだなんて思うのは……。
    でも、居場所を作って来れていた姉も義兄もいないのだ。
    友人だって、この家に住んでいるわけじゃない。父の命令で、ここにいるだけだ。

    今頃、藍曦臣はどうしているだろうか?

    そう考えると、再びため息が出てしまった。
    何度目かのため息をした時、パタンと本が閉じられる音が耳に届く。

    「まるで恋煩いですね」
    「はぁ?」

    恋煩い?それは、藍曦臣が食事も出来ないほどに思い煩っているやつか?

    「恋しい恋しいとため息をつかれてしまってはね」
    「別に、恋しいだなんて……」
    「本当に?誰を思って、ため息をついてたか言えますか?」

    友人の言葉に、江晩吟は口を閉ざした。
    誰を思ってため息をついていたか?藍家ーーー藍曦臣の事を思っていた。
    自覚すればするほど、顔が赤くなる。
    金曜日に、あの人が手を繋いでくるからだ、あの人が瞼に口づけをするからだ。
    思い出しては、会いたい話がしたいソファーで並んでテレビが見たい。我慢してた欲が溢れてくる。

    「お茶、淹れてきますね」

    友人は、そう言って立ち上がる。
    部屋から出ていくのを見届けて、江晩吟は避難用の靴を取り出して鞄を担いだ。
    今、藍家に帰ったら迷惑になるかもしれない。
    それでも、この家にはいたくなかった。
    自由なはずなのに、自由じゃない。
    息がしやすい場所を見つけてしまっては、息がしづらいこの場所にはいたくない。

    藍曦臣に、好きな人がいると解っていても、あの人の傍がいい。
    江家を継ぐのは、嫌じゃない。その為に、努力をしてきた。
    魏無羨に勝つことはできなくて、母の期待に応えられないけれど。
    誰かの安全と命を守っている父の仕事を、尊敬している。そして、自分でもそうなりたいと思っていた。

    だけど、もうーーー…

    江晩吟は、靴を履いて部屋の窓から飛び出していた。
    子供の頃から暮らしていた家なのだ、どこを通れば誰にも見つからないなどと言う事は解っていた。
    後で、友人にはスマホで謝ろう。
    彼なら「仕方ないですね」と笑ってくれるだろう……。

    ーーー誰もいなくなった江晩吟の部屋で、友人は肩をすくめていた。
    こうなる事は、解っていた。しかし、早すぎた。

    「……観世、澄はどこにいる?」

    一緒に来ていた江楓眠に、友人は向き合う。

    「社長なら、心当たりがあると思いますよ」
    「……あの子もか」

    落胆した江楓眠の声に、友人は憐れみを感じる。
    言葉たらずのこの家族は、屈折しすぎるか思いが大きすぎて相手に見えない愛情しか渡さない。

    「失礼ながら社長。晩吟は、江家を継ぐ事は嫌っていませんよ。
    社長の事も夫人の事もお嬢様の事も魏兄さんの事も、大好きです。
    でも、少しだけ自由にしてあげてはくれませんか?」


    ▼△▼△▼△▼△▼


    「え?えええ?」

    江厭離とカフェでお茶をしていた藍曦臣のスマホに、江晩吟から電話がかかってきた。
    今朝とは違って普通の声で話していて、彼の後ろに流れるノイズは外のようだった。

    「待って、晩吟。飛び出してきたって?ご実家を?」

    電話口で慌てながら、彼の姉をチラチラと見る。
    藍曦臣の言葉で、大体察しがついているのか「あら」と呟いている。

    「迎えにいくから、どこかわかる所にいてくれるかな?」

    電話を終えると藍曦臣は、江厭離に向き直る。

    「晩吟が、家出しました」
    「あら、早いわ」

    いつもなら、もう少し我慢できるだろうに……と言いたげである。

    「誰かが、そんなに恋しいのかしら」
    「……晩吟の友人がですか?」
    「阿澄も鈍いと思いましたけど、藍さんも鈍いんですね」
    「え?」
    「観世くんの事が好きなら、晩吟は家出なんてしませんよ。側にいるはずですから」
    「では、誰が?」

    藍曦臣は、首を捻る。
    まさか、叔父だろうか?それとも再従兄?可能性を考えると、焦ってしまうのか自分が候補に上がらない。

    「藍さん」
    「はい?」
    「クリスマスを待たないで、告白してしまえば簡単だと思いますよ」

    当たって砕ける事は、ないと思います。と、江厭離は笑って言った。


    ▼△▼△▼△▼△▼


    藍曦臣は、江晩吟がいる店へとやってきた。
    なんで、聶精肉店で待ってるだなんていうのだろうか。
    薄着で鼻と耳を赤くしながら、彼は待っていた。本社ではないから、聶兄弟はいない。
    大きなカバンと買い物袋をぶら下げて、こちらを振り向いた。

    その時に、花が咲くような笑顔を向けたのだ。
    安堵したような顔で、それでいて迷子の子供のように泣きそうな顔を見せる。

    「曦臣さん、見てくれ。セールに間に合った」
    「うん、よかったね」

    顔を赤くしながら笑う江晩吟に、何を言えばいいのかわからなくなる。
    つけていたマフラーをかければ「流石に持ってるよな」と呟く声が聞こえた。

    「晩吟、楽しみにしていますからね」
    「え?」
    「私のために作ってくれるマフラー…」

    藍曦臣は江晩吟の冷たくなった手をとって、その場から歩き出す。

    「帰りましょう」
    「どこに?」
    「それはーーー…」
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    👏👏☺☺💖💞💖❤😭💞🙏😭❤☺❤💞😭😢👍💗💗💗💲⛎🎋ℹ
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    takami180

    PROGRESS恋綴3-5(旧続々長編曦澄)
    月はまだ出ない夜
     一度、二度、三度と、触れ合うたびに口付けは深くなった。
     江澄は藍曦臣の衣の背を握りしめた。
     差し込まれた舌に、自分の舌をからませる。
     いつも翻弄されてばかりだが、今日はそれでは足りない。自然に体が動いていた。
     藍曦臣の腕に力がこもる。
     口を吸いあいながら、江澄は押されるままに後退った。
     とん、と背中に壁が触れた。そういえばここは戸口であった。
    「んんっ」
     気を削ぐな、とでも言うように舌を吸われた。
     全身で壁に押し付けられて動けない。
    「ら、藍渙」
    「江澄、あなたに触れたい」
     藍曦臣は返事を待たずに江澄の耳に唇をつけた。耳殻の溝にそって舌が這う。
     江澄が身をすくませても、衣を引っ張っても、彼はやめようとはしない。
     そのうちに舌は首筋を下りて、鎖骨に至る。
     江澄は「待ってくれ」の一言が言えずに歯を食いしばった。
     止めれば止まってくれるだろう。しかし、二度目だ。落胆させるに決まっている。しかし、止めなければ胸を開かれる。そうしたら傷が明らかになる。
     選べなかった。どちらにしても悪い結果にしかならない。
     ところが、藍曦臣は喉元に顔をうめたまま、そこで止まった。
    1437

    takami180

    PROGRESS恋綴3-2(旧続々長編曦澄)
    転んでもただでは起きない兄上
     その日は各々の牀榻で休んだ。
     締め切った帳子の向こう、衝立のさらに向こう側で藍曦臣は眠っている。
     暗闇の中で江澄は何度も寝返りを打った。
     いつかの夜も、藍曦臣が隣にいてくれればいいのに、と思った。せっかく同じ部屋に泊まっているのに、今晩も同じことを思う。
     けれど彼を拒否した身で、一緒に寝てくれと願うことはできなかった。
     もう、一時は経っただろうか。
     藍曦臣は眠っただろうか。
     江澄はそろりと帳子を引いた。
    「藍渙」
     小声で呼ぶが返事はない。この分なら大丈夫そうだ。
     牀榻を抜け出して、衝立を越え、藍曦臣の休んでいる牀榻の前に立つ。さすがに帳子を開けることはできずに、その場に座り込む。
     行儀は悪いが誰かが見ているわけではない。
     牀榻の支柱に頭を預けて耳をすませば、藍曦臣の気配を感じ取れた。
     明日別れれば、清談会が終わるまで会うことは叶わないだろう。藍宗主は多忙を極めるだろうし、そこまでとはいかずとも江宗主としての自分も、常よりは忙しくなる。
     江澄は己の肩を両手で抱きしめた。
     夏の夜だ。寒いわけではない。
     藍渙、と声を出さずに呼ぶ。抱きしめられた感触を思い出す。 3050

    takami180

    PROGRESS長編曦澄17
    兄上、頑丈(いったん終わり)
     江澄は目を剥いた。
     視線の先には牀榻に身を起こす、藍曦臣がいた。彼は背中を強打し、一昼夜寝たきりだったのに。
    「何をしている!」
     江澄は鋭い声を飛ばした。ずかずかと房室に入り、傍の小円卓に水差しを置いた。
    「晩吟……」
    「あなたは怪我人なんだぞ、勝手に動くな」
     かくいう江澄もまだ左手を吊ったままだ。負傷した者は他にもいたが、大怪我を負ったのは藍曦臣と江澄だけである。
     魏無羨と藍忘機は、二人を宿の二階から動かさないことを決めた。各世家の総意でもある。
     今も、江澄がただ水を取りに行っただけで、早く戻れと追い立てられた。
    「とりあえず、水を」
     藍曦臣の手が江澄の腕をつかんだ。なにごとかと振り返ると、藍曦臣は涙を浮かべていた。
    「ど、どうした」
    「怪我はありませんでしたか」
    「見ての通りだ。もう左腕も痛みはない」
     江澄は呆れた。どう見ても藍曦臣のほうがひどい怪我だというのに、真っ先に尋ねることがそれか。
    「よかった、あなたをお守りできて」
     藍曦臣は目を細めた。その拍子に目尻から涙が流れ落ちる。
     江澄は眉間にしわを寄せた。
    「おかげさまで、俺は無事だったが。しかし、あなたがそ 1337

    recommended works

    takami180

    DOODLE曦澄/訪来、曦臣閉関明け、蓮花塢にて
    攻め強ガチャのお題より
    「いつか自分の方から「いいよ」と言わないといけない澄 こういう時だけ強引にしない曦がいっそ恨めしい」
     蓮の花が次第に閉じていくのを眺めつつ、江澄は盛大にため息を吐いた。眉間のしわは深く、口はむっつりと引き結ばれている。
     湖に張り出した涼亭には他に誰もいない。
     卓子に用意された冷茶だけが、江澄のしかめ面を映している。
     今日は蓮花塢に藍曦臣がやってくる。藍宗主としてではなく、江澄の親しい友として遊びに来るという。
     江澄は額に手の甲を当てて、背もたれにのけぞった。
     親しい友、であればどんなによかったか。
     前回、彼と会ったのは春の雲深不知処。
     見事な藤房の下で、藍曦臣は江澄に言った。
    「あなたをお慕いしております」
     思い出せば顔が熱くなる。
    「いつか、あなたがいいと思う日が来たら、私の道侶になってください」
     しかも、一足飛びに道侶と来た。どういう思考をしているのか、江澄には理解できない。そして、自分はどうしてその場で「永遠にそんな日は来ない」と断言できなかったのか。
     いつか、とはいつだろう。まさか、今日とは言わないだろうが。
     江澄は湖の向こうに視線を投げた。
     行き交う舟影が見える。
     藍曦臣はいったいどういう顔をして現れる気なのだろう。友というからには友の顔をしてくれ 1659

    takami180

    PROGRESSたぶん長編になる曦澄その1
    閉関中の兄上の話。
     穏やかな笑みがあった。
     二哥、と呼ぶ声があった。
     優美に供手する姿があった。

     藍曦臣はゆっくりとまぶたを持ち上げた。
     窓からは午後の光が差し込んで、膝の上に落ちている。眼裏に映った姿はどこにもなく、ただ、茣蓙の青が鮮やかだ。
     閉閑して一年が過ぎた。
     今に至っても夢に見る。己の執着もなかなかのものよと自嘲する。
     優しい人だった。常に謙虚で、義兄二人を立て、立場を誇ることのない人だった。大事な、義弟だった。
     毎晩、目をつむるたびに彼の姿を思い出す。瞑想をしたところで、幻影は消えるどころか夢へといざなう。
     誘われるままについて行けたら、この苦悩は消え去ってくれるだろうか。あの時のように、「一緒に」とただ一言、言ってくれたら。
    「兄上」
     締め切ったままの戸を叩く音がした。
     藍曦臣は短く息を吐いた。
    「兄上」
    「どうかしたかい」
     弟に応えて言う。
     以前、同じようにして藍忘機に呼びかけられても、どうにも答える気になれなかった時があった。そのとき弟は一時もの間、兄上と呼び続けた。それから、藍曦臣は弟にだけは必ず返事をするように心がけている。
    「江宗主より、おみやげに西 3801

    takami180

    PROGRESS続長編曦澄6
    思いがけない出来事
     午後は二人で楽を合わせて楽しんだ。裂氷の奏でる音は軽やかで、江澄の慣れない古琴もそれなりに聞こえた。
     夕刻からは碁を打ち、勝負がつかないまま夕食を取った。
     夜になるとさすがに冷え込む。今夜の月はわずかに欠けた十四夜である。
    「今年の清談会は姑蘇だったな」
     江澄は盃を傾けた。酒精が喉を焼く。
    「あなたはこれからますます忙しくなるな」
    「そうですね、この時期に来られてよかった」
     隣に座る藍曦臣は雪菊茶を含む。
     江澄は月から視線を外し、隣の男を見た。
     月光に照らされた姑蘇の仙師は月神の化身のような美しさをまとう。
     黒い瞳に映る輝きが、真実をとらえるのはいつになるか。
    「江澄」
     江澄に気づいた藍曦臣が手を伸ばして頬をなでる。江澄はうっとりとまぶたを落とし、口付けを受けた。
     二度、三度と触れ合った唇が突然角度を変えて強く押し付けられた。
     びっくりして目を開けると、やけに真剣なまなざしとぶつかった。
    「江澄」
     低い声に呼ばれて肩が震えた。
     なに、と問う間もなく腰を引き寄せられて、再び口を合わせられる。ぬるりと口の中に入ってくるものがあった。思わず頭を引こうとすると、ぐらり 1582