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    sy_leg

    文書くけど短いし視点が変わりがち

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    POIPOI 34

    sy_leg

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    この話https://poipiku.com/51425/5219902.htmlが前提にある暁理…というか暁→理のような暁さんの話です。

    #雨クリ
    raincoatClipper

     未来の自分が訪ねて来た。
     過去の世界では荒唐無稽に思えたのだろうこの言葉も、今や現実味のある事象だ。尤も、それをさせない為の組織がTPAであるのだが。
     ナハトがそんな現実逃避をする原因は目の前にいた。戦闘を終えた後のような傷と汚れを纏って現れたのは明らかに未来のナハト自身だった。
     TPAは何をしているのかと思うが、未来の自分はそれなりの地位にいるらしく、タイムワープの許可は自身の裁量で出せるようだった。なるほど、内部のしかも地位のある人間がタイムワープを悪用すれば取り締まる者など居なくなってしまう。権力と権限の分散化が必要だなとひとり考えていると、真剣な目をした自分に「よく聞いてほしい」と告げられた。
     “彼”から未来についてと、自身の計画について聞かされる。『理想郷』などと名ばかりの馬鹿げた計画を告げられた時は今この場で殺してしまおうかと思った。だが、よく聞いてみればなるほど、『それ』は有効な手だろうと納得せざるを得ない。そしてその計画はあと一歩のところまで進んでいるらしい。
    「……理人は、良い隊員になったのだな」
    「ああ。今や現役最強だ」
    「“私”を超えて?」
    「いや、本気で戦えたことはついぞ無かったよ」
     未来のナハトが寂しげな顔で苦笑する。唯一の心残りということらしい。
    「決めたのか」
    「ああ。今から未来——貴方の感覚なら現代か、に向かう。『現役最強の理人』と本気で戦う役目は譲って貰うよ」
    「そうか。宜しく頼む」
    「ああ」
     短く応えてタイムワープガジェットを起動させる。いくら未来の自分が相応の権限を持っていると言えど、向こうから此方に来る可能性がある以上あまりこの場に長居しない方が良いと判断した為だ。タイムワープは移動のイタチごっこが起きないように、タイムワープしたのと同じ座標には一定時間——特にタイムワープ前の時間にはタイムワープ出来ないようになっているとはいえ、悠長にしていると理人達がこの場に来てしまう可能性がある。
     ガジェットを操作しながら、突然自分が消えて困惑するであろうこの時代の理人へ思いを馳せた。別れの挨拶すら出来なかったが、急に自分が消えて理人は悲しむだろうか。感傷を振り切るようにガジェットを起動させる。
     慣れた感覚がして、周囲の景色が変わった。ガジェットに表示されている座標と日時を見て目的の場所に着いたことを確認する。
     アスミルの公開予定日、そしてアスミルのメインコンピュータルームとされる部屋だ。この日、この部屋で、ナハトは死ぬ。未来の為に、理人と、理人の新しいバディの手に掛かって。他の誰でもないナハト自身がそう決めた。
     後悔はない。心残りは——あるが、それも直に解消されるだろうと思う。未来の糧になるのならば、自分の心残りなど瑣末なものだとも思う。
     ナハトがほんの少し感傷に浸っていると、此方に向かって来る複数の足音が聞こえて来る。……これが最後だ。
    「少し老けたんじゃないか?理人」
     もう二度と見ることのないだろう理人の姿を目に焼き付けるように見つめながら、ナハトは微笑んだ。
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    sy_leg

    MEMOノイくんにマウント取る大人気ない暁さんの話。
    暁理のつもりで書いたのだけれど暁さんも理人さんも殆ど出てこない上にそもそもコレは暁理なのか自信がなくなりました。
    「あーーーー終わんない!!」
     時空警察庁にある一室、特殊部隊に割り振られている事務室で真白ノイは大声をあげた。目の前にある端末には書きかけの報告書が表示されている。出動1回につき1通の報告書を提出する決まりになっているが、出動が続き未提出の報告書が溜まってしまっていた。今表示されているものが5つ目で、まだ残り6件分の報告書がある。
     ノイが報告書に追われているということは、バディである理人もまた同量の報告書に追われているということでもあった。大声をあげたことで理人に叱られるかと思ったが、声すらかけられないのでノイは拍子抜けする。
    「気が済んだなら報告書の作成に戻れ」
     ノイの視線に気付いたらしい理人はそこでやっと声をかけて来た。既に既定の勤務時間は過ぎてしまっているのだから理人の言うようにすぐ報告書の作成に戻るべきなのだが、ノイの気は重いままだし集中力も切れてしまっている。これらの報告書の提出期限は今日の2359までだが、まだ2000を少し過ぎたところなので余裕はあった。
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    27tael

    DOODLETBT見て、レジェとレジェメンって世間様にはもっとセクシークール系だと思われてるのか?と思ってたのと、ちょっと斜に構え彦もいいなのと、ころんさん心も体も素直でかいらくによわそう… と思って書いたいつもとちょっと違う雨クリ…
    「ん、――ッ」
     ねだられるまま唇を合わせて、甘く漏れる吐息を封じる。頬を指の背で撫でつつ顔を離した先で、既にとろけきった琥珀の瞳が、こちらを縋るように見つめてくる。
    「あ、あめひこ♡ もっと、触ってください♡♡」
     ホテルのベッドに背を預けながら告げられる、早々に恥じらいよりも欲がまさった素直なおねだりは、重ねてきた情事で躾けた仕草を思わせてどこか優越感をくすぐる。
     ――ほんの先程まで、メディアに掲載される、自分たちのパブリックイメージに沿った撮影を行なっていたのだ。
     アイドルとしてのレジェンダーズに求められているのは、年長ふたりのミステリアスな大人の余裕、年少のメンバーの小生意気な言動。
     ファンには熱を込めたライブパフォーマンスや、口を開けばもれなく海のこと、という「意外な」気さくさが伝わっているのかとは思うが、おそらく今回のグラビアでもこの男に冠される言葉は『気品ある美貌』『元助教の知性を帯びた笑み』『ここではない水平線を挑発的に見る目』だとか、なんとか。
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