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    wamanaua

    @wamanaua

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    wamanaua

    DOODLEオルグエ。
    お題「記憶喪失になった恋人に、何も伝えず関係をリセットするべきか悩む話」
    バチクソ人間不信でラウぴとかにすこぶる冷たく当たるグエぴがいます。
    花霞 あなたはいったい誰なのですか? と真顔で聞かれるのはさすがにこたえる。
     オルコットが負傷した。パーティー中、整備不良か恨みか何か、天井から照明が落ちてきて、それから俺を庇ったせいだった。普段ならケガをしようがピンシャンしている男だったが、あたりどころが悪かったらしい。俺に覆い被さって動かなくなったオルコットの背をさすりながら、彼の死んだ息子や妻に祈っていた。どうか彼を救ってください。そして彼を連れて行かないでください、と。
     幸い命は助かった。ただ記憶が無事ではなかった。病院で目を覚ました彼を見て思わず流れた涙は、俺のことなんぞちっとも覚えていません、という態度にすぐ引っ込んでしまった。
     まるでフィクションのような記憶喪失だ。自分のことは覚えていない。過去もよく分からない。ただ身に染み付いた動作がある。フォークは持てる。トイレには行ける。モビルスーツは知らない。ガンドは知らない。ジェタークも知らない。俺のことなんかさっぱり。地球も、テロも、亡くした家族のことも……。
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    wamanaua

    DOODLEラウグエラウ
    ※捏造幼少期、一人称僕、鶏の食肉加工
    ちぬま はじめて落としたのは鶏の首。びくびくと跳ね回る体から噴き出る血が足を汚し、真っ白な靴下と真っ白な靴が赤く、黒くなる。生暖かく不快なそれを僕は多分忘れないが、だから黒い靴下を履いているということはいつか思い出せなくなる。あれは子供のちょっとした背伸びだった。
     にいさんと僕は、同時期に僕たちを産んだ母たちが、また同時期に癇癪を起こして死んで、それを思うとむしゃくしゃしてたまらない父にほっぽられたのだ。子供が住むには良いとされる……クソ田舎の……娯楽だか療養だかのコロニーに預けられ、そこでほとぼりが冷めるまで過ごすことになった。
     僕は母が近々死ぬことに変な確信を持っていたのであまりショックではなかったが、兄は年相応に(その通りだ、僕たちはまだ手を繋いで寝ていたぐらいの年だ)悲しんでいたと思う。よく癇癪を起こし、物を投げたり壊したりするのは僕で、にいさんはどちらかといえばそんな僕を宥めすかす役だったが、あの頃は立場が逆転していた。夜になると泣いて起きるにいさんを撫でて共に寝、朝は起きるのが怖いというにいさんをくすぐって起こした。昼は人工太陽を見るのも嫌だというにいさんを引っ張って、いつもそこらの原っぱを転げ回っていた。
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    wamanaua

    DOODLEラウグエラウ/弟がドポンコツ
    ストレッサー※ジェターク寮は一人部屋
    ※一人称が僕

     部屋が半壊した。
     この言い方だと何かのっぴきならない事情で壊れたように思える。正確には自分で自室をヤりました。ラウダ・ニール一生の不覚。次にあてがわれる部屋は鋼鉄製です。
     きっかけは簡単な事情だ。本当に些細なことだ。
     にいさんが昼食のナポリタンにとんでもない量のタバスコをかけていて、僕がそれに注意したのだ、体に悪いよって。そうしたらにいさんは、
    「お前には関係ないだろ」
     って言ったのだ。
     お前には関係ないだろって。
     ……お前には関係ないだろ!?!?!!!?!!
     関係あるに決まってる! にいさんの健康が僕の健康だ! だいたいなんでそんなにタバスコかけてるんだ前からとっても辛いもの好きってわけでもなかったのに絶対味覚に変化が起きてる前にストレスで味覚が鈍化するとか読んだにいさんにはストレスがかかってる大きなストレスだにいさんがそれを耐えてるでもそれを僕に言わないでタバスコかけて紛らわせてるんだそれで僕に注意されてそれで僕に関係ないなんていう関係ないわけないだろにいさんのことなのに!!!!!!!!!!!!
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