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    おもち

    気が向いた時に書いたり書かなかったり。更新少なめです。かぷごとにまとめてるだけのぷらいべったー→https://privatter.net/u/mckpog

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    おもち

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    suuki。朝のいちゃいちゃが大好きなので😌

    #suuki

    朝ごはんの用意をするためにキッチンに立っていると、おはよぉ、とまだ眠そうな声が後ろから聞こえた。振り向こうとした私に、ぽすんとぶつかるようにくっついてきた浮奇がスルッとおなかに手を回す。私は笑いながらその手に触れ、首を後ろに傾けてふわふわの髪を撫でるように頭をくっつけた。
    「ふふ、おはよう浮奇」
    「んん……」
    「まだ眠たい? コーヒー入れよっか」
    「んぅ……ありがと……」
    「このままくっついてる? それとも顔洗ってくる?」
    「かおあらう……」
    うにゃうにゃとそう言った浮奇は、だけど私に抱きついたままここから動きそうになかった。浮奇は頭の回転が早くていつも楽しそうに私のことを翻弄するけれど、寝起きだと全然脳が動かなくて難しいこと考えられないんだよねと言っていた。それなのに起きてすぐ私のところまで来ておはようと言って抱きついてくるんだから可愛くて仕方ない。
    「浮奇ー? おはようのハグしたいから一回手を離してくれる?」
    「はぐ……」
    「うん、はい、ばんざーいってしてみて?」
    「んんー……?」
    ばんざい……?と疑問符のついた言葉を呟きながら、浮奇は私の言う通りに手を広げて上げてみせた。くるりと後ろを向いて脇の下に腕を入れ、ぎゅうっとその体を抱き寄せる。ぱちぱちとゆっくり瞬きをした後、浮奇はへへっと嬉しそうに笑って私の首に手を回した。
    「おはよう、スハ」
    「ん、おはよう浮奇。ちょっと目が覚めてきた?」
    「んー、……おはようのキスをしてくれたらもっと目が覚めそうかも」
    「キスで目覚めるお姫様だね」
    私は焦らすことなく浮奇の唇にちゅっとキスをして、夜を思わせる美しい瞳を至近距離から覗き込んだ。私だけを見つめる浮奇が、とろけた声で「もういっかい」と囁く。少し尖らせるだけでくっつく唇を二度三度と甘く重ねて、浮奇が目を閉じたのを合図に舌を伸ばした。
    朝にしては濃厚なキスを楽しんでから、私たちはそっと目を開けて視線を絡ませた。ふふっと笑い声が混じり合うのすら気持ちいい。
    「コーヒー、後でにしよっか?」
    「うん、まだ起きる時間じゃなかったから」
    「抱き上げて連れて行ってもいい?」
    「重いよ」
    「重いわけないでしょ。俺のお姫様なんだから」
    「……じゃあ、お姫様抱っこで連れて行ってくれる?」
    「ははあ、ありがたき幸せ。……えへへ、なんてね。絶対に落とさないけど、ちゃんと掴まっててね」
    「へへ、はぁい」
    おはようのキスはすっかり浮奇の目を覚ましたようだけど、うっかりしてた、まだ私たちは起きる時間じゃなかったみたい。もう一回ベッドに戻らなきゃ。横抱きにした浮奇は私の頬にキスを落とし、「俺だけの王子様だ」と満足げに微笑んだ。
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    related works

    setsuen98

    DONE🌊🔮♀。大学生×社会人。
    過去あげた大学生×社会人のシリーズですが、これだけでも読めます。ですが良ければそちらも読んでみてください。
     先週のデートの際スハがそわそわとしながら手渡してくれた箱の中に収まっていたのは、うっかり指を引っ掛けでもしたら千切れてしまいそうなほど華奢なシルバーチョーカー。
    チャームも何も無いシンプルなデザインながら、フリルのような繊細な動きのあるチェーンはそれだけで上品に存在感を放ち、どんな服装にもマッチするセンスの良い品だが、箱を開けて真っ先に浮かんだ言葉は「誰と選んだの?」だった。ファッションやアクセサリーにそれほど興味がないスハが選ぶとしたら、シンプルなものだとしても何かしらの石やモチーフがついた無難とも言えるネックレスを選ぶはず。彼が一人で選ぶには、デザインが洗練されすぎていた。
     流石にスハのセンスじゃないでしょ、なんてそのまま問うなんてことはせず、オブラートに包んで包んで、それはもう遠回しに訊けば大学の友人達と出かけた際ショップについて来てもらいアドバイスをもらったのだと言うが、「その時に教えてもらったんだけど、チョーカーって“傍にいてほしい”って意味があるんだって」と伏し目がちに照れながら口にしたスハに、そのメンバーの中に女がいたことを確信して問おうとした矢先に続けられた「あと、彼氏がいますって印になるって聞いて……着けてくれる…?」と、私よりも背が高いにも関わらず器用に上目遣いで見つめてくる年下彼氏の可愛さにやられて、もういいか、という気になってしまいイチャイチャタイムに突入した、というのがその時のハイライト。
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    setsuen98

    DONE🌊🔮。芸能人×メイクさんパロ。
    まだ付き合ってない二人です。
     大きな鏡に写る自分の顔を見れば、あまりに不格好な表情に苦笑が溢れる。無意識に眉間に力が入り平素に比べ険しい目元に反して、口元はスタンプを押したようにわずかに口角が上がったまま。デビュー当時から、基本的にいつでも笑顔で、と口酸っぱく言われ続けた教えに忠実に従う自分の表情筋が今は恨めしい。
     デビューしてから駆け抜けてきたこの数年、自分なりに努力を積み重ねてきたおかげか、歌だけではなくテレビ出演や演技など、様々な仕事をもらえるようになった。有難いことに熱心に推してくれるファンもつき、かつて夢見た姿に少しずつではあるが近づけている。それなのにどうにも自分は欲深いようで、同じ事務所の後輩たちがデビューするなり順調すぎるほどのスピードでテレビやステージなど華々しい活躍を見せる度、劣等感と羨望が溢れどうしようもない気持ちに苛まれ、手のひらに爪が食い込むほどに握りしめそうになるのを堪えてすごい!と手を打ち鳴らす。そんな自分の姿が滑稽で醜くて、後輩たちに合わせる顔もなくなって、思考が自己嫌悪で埋め尽くされる。そんな気鬱が続く時がたまにあり、今まさにそんな気持ちを抱えながら雑誌撮影のためにメイクルームに入れば鏡に映るのはこの様。思わず項垂れ、少しでも胸中がすっきりしないかと大きく長く息を吐く。
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