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    斑猫ゆき

    キメツとk田一中心。

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    斑猫ゆき

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    精神科の患者タンジロと医者たみおさんの炭魘シーズン2です。『ジョハリの箱庭』本編の裏で起こっていたことをタンジロとむざさま+上弦が解説してくれる話④。とりあえずこれでいったんおしまいです。

    #ジョハリの箱庭
    joharisBoxGarden

    Lycoris radiataの生活環・Ⅳ「それでは、失礼します」
     童磨に伴われて、炭治郎は応接室をあとにする。
     そういえば、病室へと案内して貰う途中だったか。そんな記憶がやっと意識の表面に浮かんでくる。途端にずしりと重くなる肩。随分長い間話し込んでいたようで、もう窓の外では日光が夕に色づき始めていた。扉をくぐろうとしたところで、無惨が思い出したかのようにふたりを呼び止めた。
    「ああ、童磨。ついでにこれを資料室に持って行け。もう、必要のないものだからな」
     首の向きだけで、無惨はドアの傍らに立つ本棚を指し示す。中程の段に書類ラックが突っ込まれており、中にはカルテらしきバインダーが数枚詰まっていた。童磨は軽く会釈をしてそれを抱えると、再び炭治郎を促して扉の外へと出る。
     廊下に出ると、応接室よりも幾分新鮮な光が目に入った。掌で庇を作って眩しさを和らげながら、炭治郎は廊下を見渡す。正面の窓からは植え込みが目の高さにあり、どうやらここは建物の一階にあるらしいと見当がついた。ということは、病室のある四階までまたエレベーターで上がるのだろうか。そんなことを思いながら左右を見回していると、童磨がこっち、と呼んだ。それに追随して、ふたりは廊下を右に進んでいく。
    「今の魘夢くんは、ここの記憶は殆どない。かろうじて、自分が医者だっていう認識はあるみたいだけど……というか、無惨様がそう言いくるめているんだけどね。下手に自分のいま置かれた状況を認識して、危うい方に行かないように」
     口調自体は明るいのに、どことなく重苦しい響きだった。話しながら童磨は、白衣の胸ポケットからボールペンを抜き出した。そうして、胸に抱えたカルテの一枚に、なにやら書き込み始める。
     炭治郎はそれを横からぼんやりと眺めていた。プライバシーの問題もあるかも、とほんの少し良心が咎めたが、どうしても気にかかる。何故、無惨はこれを用済みだと言ったのか。そこに記された彼らは、どうしてしまったのか、なんて。見れば、カルテには白紙の欄が並んでいた。右上に貼られた写真だけが、平衡を欠いた画面にはあまりにも多すぎる情報量として湛えられている。その広すぎる空白に、童磨の大きな手がペン先を操り、崩し字でアルファベットを綴っていった。そこで出来上がった文字列を見て、訝しげに炭治郎は問う。
    「このカルテの人達って」
     急に声をかけられて、童磨の足取りが止まる。それに伴って炭治郎も歩を緩めると、ふたりの姿が薄あかりに包まれる。窓からぼんやりと伝わってくる光が、一辺の陰りもなく童磨の白橡の髪を透かして。
     童磨はしばらくカルテと炭治郎とを見比べていたが、やがてやや瞼を伏せ、ほとんど空白の紙面へと目を落とした。
    「ああ……この子達は、今までの患者さ。『青い彼岸花』のね。とはいえ、有効な治療を施すことは出来なかったけれどなぁ。みんな、いつの間にかこの世界に馴染んでしまったり、或いは……」
     童磨の声が詰まった。平生から下がり調子の眉が、不意に強く寄せられる。その表情を、炭治郎は強い悲しみと受け取った。先程の会話が蘇る。夢と現実の摺り合せに苦しんだ人間の末路。おそらく、そこに記された患者も、それに倣って自らの命を絶つかしたのだろう。もしくは、それに比肩するような悲劇を辿ることになったのか。
     童磨は語らない。ただ、相対する炭治郎の胸の内側で編み上げられていく想像を反射して、蕩けた光の中で佇むだけで。
    「カルテが真っ白っていうことは、彼らのことを何も知ってあげられなかったということ。なんだか、悲しいじゃないか。だから、何か一言でも印象を残してあげられればって思ってね。書いてるんだ」
     童磨は一番上のカルテを取り上げて、炭治郎へと指し示した。
    「例えばこの子は、蛍のような娘だった」
     カルテの写真には、三つ編みの少女が映っていた。矩形の中で胸から上だけを切り取られた彼女の目には色濃い隈が浮かび、真っ直ぐに切り揃えられた前髪が、肌の白と髪の黒とを見事なまでに分け隔てていた。隣には彼女のものと思しき氏名が書かれていたが、そんなことばのひとかけよりも尚鮮烈に、黒い瞳が沈んだ色でこちらを睨み付けている。
    「自らの欲のためには全てを燃やし尽くし、果てには自分の身すら焦してしまうほどの情念。それが、俺がこの子から感じ取ったすべて」
    「だから、ゲンジボタルですか?」
     虚を突かれたように、童磨は炭治郎を見た。虹色の瞳が、万華鏡じみた円弧を描いて色を変えていく。その手元で、カルテに記された『Luciola cruciata』の文字が、冴え冴えと午後の光を渡らせていた。
    「驚いたな。よく知ってるね」
    「昔、理科の先生に聞いたことがあって」
    「へえ、なかなか粋な先生じゃないか」
     からりと笑って、童磨は再び歩き始める。炭治郎も、それに続いて足を進めた。白い床は、汚れなど知らぬように整然と輝いて、ふたりを迎え入れていた。足音だけが、それに馴染むことなく廊下を転がっていく。
     しばらく歩いたところで、不意に童磨は炭治郎の顔をじっと覗き込む。そうして、またカルテの文字を見つめて、ぽつりと呟く。
    「魘夢くんは、君のカルテに何を書くんだろうなぁ」
    「え?」
     鏡の微笑み。捉える者の意のままにその像を変える、現し身の顔。そんな童磨の姿を、炭治郎は窓から射す淡い逆光の中に見ていた。
    「君はずっと、夢の中に魘夢くんを追い求めてきたのに、魘夢くんは君を知らない。そんな不均衡はないじゃないか。だとしたら、君を知ったとき、彼はなんて言葉で君を形容するんだろうね?」
     炭治郎は答えなかった。
     いまの自分が、答えるべきじゃないのだろう。そんな曖昧な気持ちで、軽く頷きだけを返す。童磨も聞き返すことはしなかった。もとより、意味のない問答だったのかもしれない。ただ、そういう言葉が交わされることが、必然だったというだけで。昼が夕に移り変わっていくように。鏡に差し込んだ光が反射するように。
     そこからは、ただふたり無言で廊下を歩いて行く。風にそよいだ庭木が翻す影だけが、予感めいて二人の背中に張り付いていた。

         *

     夜も更けて、窓硝子はくろぐろとした一枚の平板と見まごうばかりだった。室内の明かりが冴え冴えとそこへ反射し、無惨の顔を無表情のまま鏡映しに浮かび上がらせている。その視線は机の上のノートPCに注がれたまま、微動だにしていない。
     画面に映っているのは、白い廊下だった。解像度の荒いそれは濁った色の粒子に荒らされて、どこか土気色の気配がある。けれど砂嵐のように蠢くそれらの他に、廊下の白を乱すものはいなかった。
     先程まで、この画面にはふたりの人間が映り込んでいた。竈門炭治郎と、魘夢民尾。ふたりが走り、転び、見えない何かを追うように演じている場面の一部始終が。
     おそらく、ふたりは視たのだろう。お互いの夢と現実のさかいを。
     夢の中の景色を語ることで夢とうつつを分け隔て、最後にこの世界さえも不道徳な夢としてしまえば、最後にその補集合としての現実が残る。そうすれば、彼らが本来生きていた『現実』に立ち戻ることが出来る。
     監視カメラの中のふたりは、その眼前に何かを視ていた。画面越しに観察する無惨や研究員たちの目にはそれが何なのかは分からなかったが、察するにこの世界が夢だと認識したことで、ふたりの夢が繋がったのだろう。そうして、お互いに無意識の領域を覗き見た、と。
     その推論が正しいのかは、既に実証するすべはない。この目論見が成功していれば、炭治郎と民尾の精神はもうすでに彼らの世界に帰還しているだろう。失敗していれば、元も子もない。
     人間の夢が理不尽かつ広大なものである以上、これより先の結果はふたりの目覚めを待たなければ。こちら側に残された、本来の彼ら……精神科医でありこの鬼舞辻総合診療所の研究員である魘夢民尾と、その患者である竈門炭治郎が、目を覚ますのを。
     おもむろに、室内にノックの音が響いた。無惨は視線を動かそうともしない。入れ、とだけ短く告げると、ほどなく扉が開く。
    「失礼いたします」
     継国巌勝主任研究員が、丁重に頭を下げて、室内へと足を踏み入れた。上背のある彼が、ほとんど屈むようにして扉をくぐり抜けたところで、無惨は漸く彼へと視線を注いだ。
    「……二人の容態は安定しています。意識を取り戻すかは、わかりませんが」
    「そうか……行った、か」
     四〇四号室で気を失っていた炭治郎と民尾は、巌勝と童磨が保護していた。民尾の病室へと運ばれ、ここ数週間と同じようにひとつのベッドで眠っている筈だった。下手に引き離した場合、どちらかが目覚めたときに錯乱のおそれがあること。そしてこの病棟には個室しかない為、同じ部屋に入れるとしたらベッドも同じにするしかないという判断からだ。二人の様子はおそらく今は童磨が見ているのだろう。そこまで脳内で状況を繋ぎ合わせて、無惨はひとつ頷いた。
    「これが治療法として確立されるなら、ひとつの光明ではあるのでしょう。……ですが……」
     唐突に、巌勝は言葉を濁す。地の底で凝り固まった琥珀のような重厚な声色が、時間を包み込んで閉じ込めていくようだった。
    「なんだ、言ってみろ」
    「……目を覚ましたとき、ふたりは覚えているのでしょうか。その……逸脱として、身体を重ねたことを」
     無惨の提唱した理論には、ひとつの重大な欠点があった。
     元の世界に精神が戻ったあとも、この世界での本来の自分は消えない。逸脱として犯された罪は、そのまま目覚めた自分に残されていくことになる。ふたりは医者と患者の境界を、踏み越えた。その上竈門炭治郎は未成年であり、倫理と常識の網に引っかかるだけではなく、法律上の問題まで絡んでくる。ふたりの同意を得た治療行為の一環であり緊急避難が適用される、という言い分が認められるためには実証データが少なすぎる。
     巌勝の言わんとするのは、その後処理についてなのだろう。無惨は大仰にため息をつき、彼を睨み付ける。
    「うちの所内で起きたことだ、いくらでも誤魔化せる」
    「いいえ……そのような、対外的なことではなく……夢の中であのふたりの間に作り上げられた関係性が、この現実に立ち戻ったあとに易々と受け入れられるものなのでしょうか……?」
     炭治郎と民尾が出会ったときには、ふたりは既に夢の中に居た。彼らがこの世界で活動している最中、本来の自己は無意識の中で眠り続けている筈だ。それが目覚めたとき、自分達が夢の中で犯した結果だけの放埒を、果たして受け止めることが出来るのか。
     無惨は口を噤んだままだった。視線は、液晶に隔てられた白い景色だけを見据えている。行ってしまった彼らの背中が、未だそこへ映り込んでいるかのように。巌勝も、ただ立ち尽くしたまま傍らに立ち尽くすばかりで。無言だけが満たされる夜の一室。
     けれど、それはすぐに揺らいで、無惨のひとことへと収斂していく。
    「意識の主体は夢の中の自分が握っていたのだとしても、その根底には確かに意識の芽がある。それらが完全に根絶されることなどあるまいさ」
     静寂も、杞憂も、言葉だけで一蹴し、無惨はデスクに肘をついた。
    「いちどの逸脱でもろともに墜落するほど、人間脆くはないだろう。それとも、なんだ。あいつらが自分の意志で決めたことを傷と引きずるような奴らだと思うか?」
    「……いえ」
     巌勝がゆるく首を振る。高い位置で結った黒髪が、尾を引いて空を流れる。その軌跡に一瞬だけ目を移し、無惨はちいさくひとつ、頷いてみせた。
     けれど、不意に柘榴石の瞳に、陰りが落ちる。
    「……時に巌勝。以前、私が話したことを覚えているか? 私が『青い彼岸花』について自覚したときのことだ」
     口元に浮かぶ薄笑みは、どこか自嘲のようにも見えた。それと努めて見ないようにと、巌勝は瞼を伏せる。
    「ええ……確か、生まれ落ちたその瞬間から、貴方様は……夢を見ている、と」
    「そうだ。私は未熟児として生まれ、呼吸の止まった状態でこの世界に転がり落ちた。その瞬間に、私の精神は肉体を離れてしまったらしい」
     無惨は虚空を見つめる。何も、見ては居ない。物理実体を持つこの世の全てが、夢のあわいに消えてしまったかのように。天井の蛍光灯がちか、と震えて明滅した。ほんの一瞬だけ訪れた闇が、黒い板となった硝子の外側と繋がって、すぐに離れる。
    「命を絶てば、私が元いた別の現実に戻ることが出来る。そんな夢物語を、幾度描いたことだろうな」
     唐突に噤まれる言葉。明かりの点滅。途切れた世界が、再び繋がる。
    「しかし、戻ったところでこれまで私が積み重ねてきた生は其処にない。さりとて、諦めることも出来ん。半端物のまま、私はここまで来た。退化を恐れて変化を拒み、な」
     おもむろに、無惨は再び机上のノートPCへと目を落とす。先だってから何も変わらないざらついた色の廊下が、視線を向けられるのを待っていたかのようにそこにはあった。
    「私を置いていくな、か……」
     柘榴の色のまなざしが、追い縋る。夢とうつつの境を飛び越えて、現実へと連れだっていったふたりへ向けて、まるで殉教者たちへの供物のように。
    「巌勝。お前は私を笑うか? とんだ臆病者だと」
     無惨は顔を上げ、巌勝のほうを見た。その端正な面立ちに、表情と呼べるものはなかった。ただ、瞳に宿る光だけが鮮烈で。
     それを真正面からまともに受け止めても、巌勝はただ静かに佇むばかりだった。蛍光灯の明かりばかりが時折ぶれて、夜の闇とふたりとを繋げようとしている。
    「……いいえ」
     やがて、巌勝はゆるく首を振った。宙を躍った髪が、白衣の上に影を落として翻る。
    「それを言うのならば……私とて同じ事。無惨様のお側でただ夢を夢むばかりの、私も」
     低く、抑揚のない声。
     けれども、それは確かにふたりの間にある空気を震わせる。夜を分け隔て、うつつに打ち立てられた澪標のように。言葉が終わってもなお、巌勝は瞬きもせず無惨を見つめ続けていた。
    「そうか」
     無惨はそれだけ言い放つと、椅子を回転させ、背後の戸棚に向き直る。
     ワイングラスのステムを二本、器用に片手で抜き出して、デスクの上に置いた。もう片方の手にはいつの間にか重厚な色合いの硝子瓶が握られていた。ラベルの端に滲んだセピア色が現わすとおりの、年代物の酒精。
    「まあ、先祝いだ」
     グラスの足を人差し指で叩き、無惨は巌勝を呼び寄せた。
    「あの二人へな。巌勝、付き合え」
    「はい」
     巌勝がボトルへと手を伸ばしたその瞬間、扉が勢いよく開いた。静寂を一気に吹き飛ばす、闊達な空気が動く。張り上げられた声が、最後のとどめとばかりに空間に満ちて。
    「無惨様、巌勝殿! ふたりが目を覚ましましたよ! なんと、同時に!!」
     両手をこれでもかと広げて、童磨が満面の笑みを浮かべて入ってくる。次の瞬間、その大仰な動作が固まり、視線がまっすぐにふたりの手元に注がれる。正確には、ふたりの手の間にある酒瓶に。
     それを理解するなり、カンマ一秒以下の予備動作すらなく童磨は指を突きつけて喚き始めた。
    「あー! ずるい! 二人だけで勤務時間にお酒飲んでる! 俺だって飲みたいのに!!」
    「黙れ、アルコールであれば味も碌に区別せんうわばみにやる酒はない」
    「酷い!」
     にわかに騒がしくなる部屋。点滅する天井の明かりも、いまはどことなく所在なさげな風情だった。侃々諤々の議論と言うにもいささか間の抜けた無惨と童磨のやり取りを巌勝はただ無表情で見守っていた。
     やがて、憮然とした顔の童磨へと歩み寄り、無惨はかぶりを振る。
    「童磨、炭治郎と魘夢を呼んでこい。他の職員たちもだ、快気祝いといこう」
     その言葉を聞くなり、童磨の表情がぱっと明るくなった。透明なまでに白い髪が散り、光を、景色を散乱させていく。その後ろで、巌勝が小さく頷くのが見えた。

    「聞かせて貰おうではないか、あの二人の、夢の話を」
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     先導する男が笑う。
     童磨と名乗った医師の、白橡の髪を視線でなぞりながら、炭治郎は白い廊下を進んでいた。リノリウムの床に、歩幅のまるで違うふたつの足音が輪唱する。
     今いるこの四階に、自分の病室があるのだという。
     先程上がってきたエレベーターの中で説明された筈の情報ではあるが、どうにも実感が湧かなかった。それどころか、今日からこの診療所に転院してきた自分を、童磨が施設の入り口で出迎えてくれたときの情報も、もう既に酷く遠い。記憶は確かなのに、まるで、ほんの少しだけ過去の自分と現在の自分が、透明な壁で隔てられてしまっているかのように。
     視界は明るく、そして白い。右手にある窓の外には先程車を走らせてきた樹海が犇めいている筈なのだが、壁側に寄っているせいか、炭治郎の位置からは雲の張り詰めた空だけが見える。白と黒と、その濃淡だけで構成される景色。ときたま視界を掠める色は、雲間から零れる日射しの白から分けられたものでしかなかった。
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