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    臓物(GwT)

    @motsu_nikomiSUB

    節操無し置き場。K暁のみ。
    過去アップした年齢制限付きのものは置いたままにしていますが、今後の主な更新先はぷらいべったーです。書きたいものを書きたい時に。
    あまり深く考えずにお読みください…。
    ※不適切な絵文字が来るようになった為一旦メッセージ欄等閉じさせて頂きます、反応をくださった方ありがとうございました☺️🙏💕
    また、こちらで不適切、拙作に無関係、中傷にあたると判断したものにはポイピク・ウェブボ共に一切返答を致しません。
    執拗な場合は然るべき措置を取らせて頂きますのでよろしくお願いします。

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    臓物(GwT)

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    突発ネップリ豆本に収録したもの。
    日常の中の、互いに触れる上での、小さな思いやりのお話です。

    #K暁

    触れる★SIDE・K
     長い残暑から一転し、一気に秋めいた空気に肌がカサつく。KKは、洗面台に向かって、顔や身体に入念にクリームやボディミルクを塗って保湿を施す暁人を、ジトリと見詰めていた。曰く、今は男もスキンケアを大事にする時代──とかで。確かにそんなCMが最近増えた気がするが。
    「KK、手荒れ酷いね。クリーム使ってみる?」
    「オレはいいよ、今更そんな事気にするような歳でもなし」
     善意からの提案を柄ではないからと断った──断った筈なのに。まんまと手を握られてしまっている。正直、この青年の押しの強さを舐めていた。
    「金木犀の香りなんだ。甘くていい匂いでしょ」
     骨張っていて存外男らしい暁人の手が自分の手を包み揉んだり、指の間をなぞったりして乳白色のクリームを伸ばしていく様は、何だか色っぽい。
    「オレはいいって言ったのによ」
    「放って置くと切れて、結構痛いんだよ。まぁ、KKのちょっとカサカサした掌、僕は好きだけどね」
    「……おお?」
     邪な考えが浮かんだのを誤魔化そうとしたのに、思わぬ返答が返ってきて間抜けな声が出た。
     ひとりでに上がろうとする口角を必死に抑える。今夜はいつもより多めに、彼の瑞々しくキメの細かい肌をこの手で撫でてやろう──そう思った。

    ---♡

    ★SIDE・A
     ぱちん、ぱちん。アジトのリビングに軽い音が響く。キッチンで皿を洗っていた暁人が音の出元を辿ってみると、KKがソファの上で背を丸めて、手の爪を切っていた。
    「あれ、この前も切ってなかった?」
    「おう。また少し伸びたんでな」
     ローテーブルに広げられたティッシュには、薄く細い半月状の切れ端がポロポロと落ちている。
    「あまり頻繁にやってると深爪になるよ」
    「少しでもオマエを傷付けたくないんだ、わかるだろ。多少深爪になるくらいならどうってことねーや」
    「えー……、え?」
     ヤスリがけをしながらボソリと呟くように吐き出された言葉に、カカカ……と顔が熱くなる。
    「ほれ見ろ、慣れたもんだろう?完璧だ」
     目の前に差し出された働き者の手は綺麗に爪が切り揃えられ、ヤスリで角も取られている。確かに、完璧だ。
     暁人は、無骨でありながら自分への気遣いが見える手を自分の両の手で握り、包み、そろりと撫でた。
    「──楽しみにしてるね」
     黒褐色の瞳に映る顔は、薄ら点った欲でとろりと溶け始めている。高まる期待に、ごくりと喉が鳴った。
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    💖💖💖☺👐💖💖💖💖💖🙏✨🙏✨💖💖💖💖💖💖💖💖💖💖
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    DONE■レオマレ■診断
    ベッタ再録
    ■片思いレオマレにしてみた。
    ↓診断結果
    もなかのれおまれさんには「終わりが見えない」で始まって、「君の名前を呼んだ」で終わる物語を書いて欲しいです。季節を感じる話だと嬉しいです。
    #書き出しと終わり #shindanmaker
    https://shindanmaker.com/828102
    終わりが見えない。
    嫌われているのに、これ以上相手に嫌われるのは・・・・。
    いつからこの思いが自分の胸を甘い痛みとなって身体を蝕んでいるのかもう忘れた。
    自覚なんてしたくなかった。こんなに苦しいなら。
    諦めようと何度もひと目がつかない場所で、静かに涙を流してしまうというのに。
    「それも青春のひとつじゃ」
    リリアに相談したが、楽しそうに微笑まれて何も解決もしなかった。

    月夜が学園に振り注ぐ。
    マレウスは日課である廃墟巡りに向かうため、寮をこっそりと抜け出した。
    静寂に包まれた目的の廃墟までの道のりで、今日も一人物思いに耽る。
    今日こそは、歪み合わずに話をしようと決めていたのに駄目だった。
    どうやったら、普通に話すことが出来るのか。ほんの少しでいいから歪み合わずに話すことはできないか。
    そんな考えが頭を駆け巡り、答えがなかなか出てこない。簡単に相談出来る内容でもない。
    ひとりで考えても答えが出ないとわかっている。気軽に相談出来る友がいないのであれば、相談することも難しいだろう。
    悩んでいるマレウスを嘲笑うかのように、月の光は闇夜を照らす。
    溜息を一つ零すと、目的の廃墟まで向かっていた足が 1215