Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    medekuru

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 🎉 🐍 🐹
    POIPOI 30

    medekuru

    ☆quiet follow

    #まどめ
    2次小説になります。

    リリスお誕生日おめでとうございます。
    素敵な誕生日を願ってこちらをupさせていただきます
    時系列は小説6巻頃になります
    2022.10.31

    夢魔の見る夢は ここは何処だろう?
     セルフィは微笑む。黒花もこちらに駆け寄ってくる。三人で仲良く笑い合う。そんな当たり前の時間、でもリリスにとってかけがえのない時間。
     ああ、そうだ。ここは……



     リリスは目を覚ます。
     随分と懐かしい夢を見た。あれは数年前、まだ幼馴染み三人で仲良く過ごしてた時の記憶だ。
     今はもうセルフィは家出をして連絡は取れないし、黒花のアーデルハイト一族は滅ぼされてしまった。
     自分は夢魔の第一王女だ。〝夢〟なら何でも思い通りに出来るのに……現実の〝夢〟は叶いそうにない。
     今は天秤の月、月末には自分の誕生日だ。
     いなくなった二人を想い孤独だと感じるけれど、別に本当に一人になったわけではない。毎年両親は誕生日を祝ってくれるし、プレゼントだってしてくれる。
     今までだって色々貰ってきたのだ。服や装飾品、それに御方に頂いた指輪は今でも一番宝物だとおもう。
     本当に全てを失った人達だっているのだ。それに比べればリリスは恵まれていると思う。それでも
    「誕生日……もしも〝夢〟を見てもいいのなら……」
     本当に欲しいのは〝物〟ではなく〝者〟
     また時々でもいいから一緒に笑い合えたらいいのに。
     現実は夢のようにはならないのも知っている。
     それでもこんな孤独を知る人をこれ以上増やしたくはない。現実で自分にできるのは会議の為に力を尽くす事くらいだけど、それでも何もやらないよりはいい。
     そう思い決意を新たにするリリスは知るよしもない。

     ――懐かしい夢を見た朝と同じ朝、遠く離れた大陸で一人の魔王は呪われて子供になっていた事を――



     今日は天秤の月の31日
     今年も両親は祝ってくれる。素敵なプレゼントにお祝いの言葉。自分に向けてくれる笑顔。
     もちろんそれら全て嬉しい。毎年祝ってもらえている自分は幸せだと思う。
     でも、どんな物より一番嬉しいのは先日二人と再会出来た事だ。もう夢でしか会えないと思っていたのに。
     もちろん現実は夢のようにはいかない。再会した黒花は失明していたし、思わぬトラブルだってあった。
     これからもきっと色々とあるのだろう。それでも自分はこの現実を頑張って生きていこうと思う。
     もう大切なものを無くさないために。
     来年の誕生日も幸せで笑っていられるように。

     この後、ひと月とたたず島で釣り大会をする羽目になり、夢に帰りたいと思ってしまうのはまた別の話。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💖👏👏👏😍😍😍💞💞💞💕
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works

    nabe

    MOURNING原作小説5巻・コミカライズ60~61話後あたりの幕間捏造妄想はなはだしいSS。初期テーマはワンドロ「丑三つ時に揺れる小夜啼鳥」
    シャスの行動と感情、原作小説で明記されてるのが、駆け寄り、抱きかかえる→生きていられるとは思えない→青ざめ→助かるかもしれない…で。その間の感情の動きは推察する事しかできないわけですが…ポイピクはキャンプションに書ける寝言の文字数が少ないので後日ピクシブにも上げます…
    【シュレディンガーの恋】
     


     聖騎士たちの手当てを終え、疲れはてた様子のネフテロスを仮眠室まで送り届けたシャスティルは、一人執務室へと舞い戻る。
     扉を開けば、無人の室内は墨を流したような闇に沈んでいた。
     
     深夜。
     
     灯した明かりに白々と浮かび上がる床には、一面の血痕も、ソファの残骸も既にない。
     すべて元どおり。
     襲撃の名残りを感じさせないその様子に、先刻の出来事は、悪い夢だったのではないかと、一瞬馬鹿な錯覚が湧くが、そんな筈もない。
     馴染んだ部屋は、今はどこかしらシャスティルによそよそしかった。
     
     理由はわかっている。
     まだヒヤリと腹の底にわだかまる、冷えた鉛のような感情の正体は恐怖だ。
     侵入者は跡形もなく姿を消し、その後の足取りはつかめていない。
    8889