烏兎匆匆「ひゅーいが戻れなくなった!?」
「ちょっ、しぃー! 秘密なんだってば!」
プリズムストーンの控室とはいえ、プリマジスタ状態のまつりが近くにいるのは見慣れない。長い髪の幼馴染は口に人差し指を立てているものの、橙真より大きな声をあげている。慌てた様子のまつりが向ける視線の先にいるのは青い獣――ではなく、狼のひゅーいだった。
今日のTrutHの出番は数々のプリマジスタが出る中で最後、つまりトリというやつだ。橙真がタントちゃんにメイクアップをお願いするのも必然的に遅い時間になり、控室で待っている時間も長かった。いつも橙真と同じ時間に控室にいるはずのひゅーいが居ないことをまつりに電話すれば、大慌てのまつりとひゅーいが控室に現れたのだった。
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