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    azusa_n

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    azusa_n

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    鯛焼き食べるモクルク会話文。こういうのずっと煎じてたい

    「ほい、ルーク。おみやげ。天然物だよー」
    「ありがとうございます! 魚の形のお菓子ですか、珍しい。」
    「たいやき。ここら辺だとメデタイに通じて縁起物なんだ。」
    「これも縁起物なんですか。ミカグラの人は縁起担ぐのが上手ですね。ここで生活するだけで幸せになれちゃいそうです」
    「ルークが一番の縁起物な気がしてきた。一緒にいると笑顔になれるの間違いなしだもの」
    「……? ところで、これはかぶりついていいのでしょうか。香ばしい香りがもうたまりません」
    「おう。顔からでも尻尾からでも、好きなとこからいったれー」

    「「いただきます!」」

    「んん、あまりにもうまーい! 端っこはカリッと、でも柔らかい生地にこんなにたっぷりあんこが入ってるなんて。あんこと言えばまんじゅうだと思ってましたが、こっちも最高じゃないですか! まだあったかくて、ほくほくのあんこ、粒の食感もたまらない…。んん、尻尾は生地の味とカリッとした食感が顔の方よりいっぱい楽しめますね。なるほど、この形にもちゃんと意味があるんですね。」
    「ほんっと、ルークと食べてると飯がうまいや」

    「ごちそうさまでした。
     ところでモクマさん。お菓子の魚に天然物とは…?」
    「海から釣り上げてるからね。ちと離れた場所で養殖もしてるんだけど。」
    「いやまたご冗談を」
    「ミカグラの人ならみんな知ってるよ。試しにスイちゃんとかナデシコちゃんにも聞いてみてよ。天然と養殖があるのは本当だって教えてくれるはずだから」
    「……ええ?」

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    recommended works

    emotokei

    DONE #チェズルク版ワンドロワンライ
    第8回お題「海」お借りしました。
     ――潮騒の音が聴こえる。

     ミカグラは島だから、四方を海に囲まれている。
     それはもちろん知っていたのだけれど、夏場と違って肌寒さを感じる時期しか知らなかったから、あまり実感はないままでいた。DISCARD事件の捜査の合間、海へ足を向ける事はついぞなかったし、労いにとナデシコさんが用意してくれた保養地は温泉で、長い時間を過ごしたマイカの里は山あいだ。
     海沿いの街をそぞろ歩くことはあっても、潮の香りが届く場所には縁がないままこの土地を離れた。
     だからこうやって、潮騒が耳に届く庭先でぼんやりと涼む時間を過ごすことは初めてだ。僕はと言えば、休暇中の穏やかな時間を存分に楽しんでいた。
     久しぶりに訪れたミカグラは、ますますマイカの影響を受けているように見える。朱塗りの電柱にはびっくりした。小さな島で異彩を放つ高層建築が立ち並ぶ中、平屋や二階建ての慎ましやかな家が新たにいくつも軒を連ねていた。事件の直後には、ほとんど木造の家なんてなかったけれど、マイカの里のひとたちが少しでも穏やかな気持ちで暮らせるようにと、ブロッサムの人たちが心を砕いた結果なのだと、コズエさんが嬉しそうに話していたことを思い出す。
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    emotokei

    PROGRESS第9回お題「野菜」お借りしました。
    #チェズルク版ワンドロワンライ
     分厚い紙の束を取り出すと、つやつやとした様々な色合いが目に飛び込んでくる。
     グリーン、ホワイト、パープル、レッド、イエロー……派手な色が多い割に、目に優しいと思えるのは、きっとそれらが自然と調和していた色だから、なんだろうな。
     大ぶりの葉野菜に手をのばして、またよくわからない植物が入っているな、と首を傾げる。
     世界中をひっちゃかめっちゃかにかき回し続けている「ピアノの先生」から送られてくる荷物は、半分が彼の綴るうつくしい筆致の手紙で、もう半分は野菜で埋め尽くされていることがほとんどだ。時折、隙間には僕の仕事に役立ちそうなので、等と書いたメモや資料が入っていることもある。惜しげもなく呈されたそれらに目を通すと、何故か自分が追っている真っ最中、外部に漏らしているはずのない隠匿された事件にかかわりのある証拠や証言が記載されていたりする。助かる……と手放しで喜べるような状況じゃないよな、と思いながらも、見なかったフリをするには整いすぎたそれらの内容を無視するわけにもいかず、結局善意の第三者からの情報提供として処理をすることにしている。とてもありがたい反面、ちょっと困るんだよなあ。
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