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    いなばリチウム

    @inaba_hondego

    小説メイン
    刀:主へし、主刀、刀さに♂
    mhyk:フィガ晶♂
    文アル:はるだざ、菊芥、司♂秋
    文スト:織太

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    POIPOI 46

    いなばリチウム

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    https://poipiku.com/594323/10131977.html
    これの続きのようなやつ。主へし。

    続・社畜審神者と近侍の長谷部電車が参ります。
    ホームドアよりお下がりください。

    電車が止まる。
    電車と乗り場の間のホームドアが開く。人が流れ出し、吸い込まれる。閉じる。電車が動く。俺はホームに立っている。1歩、2歩と踏み出しても、線路に落ちることはできない。つま先がこつんと硬いドアに当たるだけだ。
    お下がりください、とアナウンスが俺を咎める。

    一、二歩下がって次を待つ。
    電車が参ります。ホームドアよりお下がりください。
    電車が止まる。最終電車です、お乗り遅れのないように、とアナウンスが急かす。
    ドアの前で佇む俺に、最終電車です、と駅員も急かす。酔っ払いやくたびれた同類と共に、電車に乗った。

    空いた席に深く腰掛けると、もう立ち上がれない気がしてくる。明日も会社に行きたくないな、と思うのに、頭は勝手に帰宅と始発時間から睡眠時間を計算している。
    3時間、いや帰って布団に直行なら4時間は寝られるな、と考える。
    ズキズキと痛む頭の中で、上司の罵声がまだ響いている気がした。怒るのが仕事と言わんばかりの罵声の嵐も、数年も続けば慣れてしまった。
    最後に本丸にいったのはいつだったろうか。
    そろそろいかなくちゃ、そう思いながらうとうとしていた。終電だから寝過ごすのはまずいと分かっているのに、瞼は重い。がくん、と落ちた頭が隣の人にぶつかる。
    「っ、すみませ」
    「いいえ」
    穏やかな声だった。
    「どうぞ、寄りかかってください」
    優しい微笑を浮かべた長谷部が、自らの肩をそっと示す。
    「お疲れでしょう、主」
    「……いや、いいよ。悪いよ」
    俺はどうにか首を振った。そうですか、と長谷部は残念そうに眉尻を下げる。違和感があったけれど、言及する元気はない。
    ゴトトン、ゴトトン、と電車が走る音だけが響く車両で、長谷部のささやき声はしっかりと聞き取れた。
    「本丸に帰りませんか」
    「帰る?」
    思わず長谷部の顔を見上げる。細めた紫の中で、くたびれた男がきょとんとしていた。
    「現世に思い残すことでも?」
    長谷部もきょとんとしたように首を傾げる。
    「思い残すこと……」
    あるよ、と言おうとして、言葉に詰まった。ある、あった、はずだった。そのために、毎日へとへとになっても働いていたはずだった。考えることを放棄して、働く理由があったはずなのに。
    「ありませんよ、そうでしょう?」
    囁きは優しく、甘やかだった。声と同じくらい優しく手を取られ、軽く引っ張られただけで、あんなに重かった体はすぐに立ち上がれた。
    「帰りましょう。ね?」
    「……うん」
    いつの間に駅に着いたのか、電車は止まっていた。開いたドアから、外へ出る。

    最終電車です。声が追いかけてきた。
    お乗り遅れのないように。声は、遠のいていく。


    おわり


    【蛇足】
    審神者(アラサー)
    父親は3ヶ月前に死んだ
    審神者を辞めさせるために存在する会社にも耐えられる異常者
    会社がブラック過ぎてこんのすけと連絡が取れないことで有名だった
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    いなばリチウム

    DOODLE複数の刀に手を出すタイプのクズ審神者の始まり3
    がっつり主清初夜 多分初夜
    主清初夜R18***


    「ん、んぅ、ん……っ!」
     俺がしたのとは違う、唇を合わせるだけじゃなくて、舌がねじこまれて、絡み合って、吸われる、そんな口づけだった。舌先を吸われる度、じゅる、くちゅ、といやらしい音が頭の中に直接響いて、ぼぅっとしてしまう。それだけでもういっぱいいっぱいなのに、主の手が俺の耳朶を撫でて、くにくにと触るものだから、そんなつもりないのに腰が浮いてしまう。
    「っあ、ん……やだ、それ……っ」
    「ふふ、耳よわいんだね」
     口づけの合間に、主が声を立てて笑う。顔が離れたと思ったら、今度は耳に舌がぬるりと這わされて、ぞくぞくした。
    「ひぁ……っ」
     耳の穴に舌を入れられて、舐られる。舌と唾液の音が直接聞こえてきて、舐められていない方の耳も指でいじられるからたまったもんじゃない。ぐちゅぐちゅ聞こえる音が俺の頭の中を搔き乱す。ついさっきまで俺が主を組み敷いていたのに、今はもう完全に逆転していた。暴れそうになる足は主が太股の間に体を押し込んできてもう動かせない。膝頭が足の間に入り込んできて、ぐりぐりと押される。
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    いなばリチウム

    DOODLE複数の刀に手を出すタイプのクズ審神者の始まり2
    さにみか要素がほんの少しある主清です。
    答え合わせ さにみかになるまでと主清のはじまり だってさあ……悩みがあるのか、って聞かれて、実は欲求不満で、とか言えないでしょ、自分の刀に。完全にセクハラだもんな。
    「よっきゅうふまん……?」
     俺の体を跨ぐ形で覆い被さっている清光は、俺の言葉を繰り返して、ぱち、ぱち、と瞬きをした。かわいい。きょとんとしている。
     俺は簡単に説明した。清光に何度も心配されて、まずいな、とは思っていたこと。目を見たら本音を吐きそうで、ふたりきりになるのを避けていたこと。鏡を見れば、自分が思っている以上に陰鬱な顔をしていて、けれど解決策がないまま数ヶ月を過ごしていたこと。審神者になる前は恋人みたいなセフレみたいな存在が常に3~6人はいたんだけど全員にフラれて、まあなんとかなるっしょ、と思ったものの自分が思っていた以上になんともならないくらい、人肌が恋しくなってしまったこと。刀達のことはうっかり口説きそうになるくらい好きなこと。でも臣下に、それもかみさまに手を出すのはさすがにセクハラだし不敬っぽくない? まずくない? と思っていたこと。
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