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    nononoko1996666

    @nononoko1996666

    七灰が好きです。(灰七も好き)
    短編、前置き長めです。
    よろしくお願い致します。

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    nononoko1996666

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    潜入任務。
    一般の高校生にめちゃくちゃ馴染む灰原と、それを見てめちゃくちゃ嫉妬(無自覚)する七海。
    灰原くんの術式捏造。ゆーじくんみたいな直接攻撃型だとは思うけど、猪野くんみたいに降霊術とか使えたら良いな~と。術式教えて〜。
    戦闘シーン凄い適当です…。

    #七灰

    灰原雄は術師としては✕✕✕「東京都立技能育成専門学校から来ました、灰原雄です!よろしくお願いします!!」 

    「隣に同じです。…七海建人と申します、よろしくお願い致します。」

    見慣れないブレザー姿が、妙にしっくりくる灰原は、教壇の前に真っ直ぐに立ち声を張り上げた。
    私も同じように無難に挨拶をすると、教室を見渡す。高専に入ってから忘れていたが、普通の教室というのは賑やかなもので、何十人もの視線を一新に感じる。

    「という事で、2人は一週間交流生としてこのクラスに在籍する。皆よろしく頼むなー」

    担当教師は軽く説明すると、騒ぐ生徒達を無視し授業を始めた。
    淡白な性格の教師で良かったが、急な交流生という登場に、当たり前だが学生達は驚きを隠せず呆気に取られ、授業が終わると、一斉に私と灰原の前に集まり質問攻めに合う羽目になった。
    交流生というのは当然だが嘘で、今回の任務はこの高校にまつわる噂話の呪いだ。
    行方不明者はいないものの、遊び半分で近付いた女子生徒に数名負傷者が出ている。しかしその場所を聞こうにも、記憶が消されていて分からなかった。
    その為灰原と私はこの高校に通い、第一に呪いの居所を突き止め、第二に可能ならその呪霊を祓うことが依頼内容である。

    「なあ灰原、放課後一緒にゲーセン行こうぜ!ま、東京と違って小さいけど」

    「行きたいけど。ごめん!レポートとか書かないといけないんだー」

    数日の間、授業にも出席し、生徒のいない放課後から夜中まで2人で徹底的に探したが、未だ見つからず。
    天性の明るさからか、灰原はクラスにすぐに馴染み、こうして休み時間には引っ切り無しに話しかけられている。
    最初は情報収集に役立つと思い、放っておいたが、今は何故だかつい苛立ってしまう。
    高専の制服を着ていない灰原を見ると、違和感なく、まるで初めからここの生徒のように錯覚してしまうからだ。

    「そっか、でももうすぐ東京に帰るんだろ?ちょっとぐらい遊んでも良いじゃんかー」

    「そうなんだけど、本当にごめん!」

    「じゃあ明日は?」

    「明日もなんだ」

    「そっかぁ、あ!じゃあこれから校庭行こう!ほらバスケだバスケだ!」
    「俺も行くー!」
    「あ、俺も」

    「仕方ないな、今日の僕のシュートは何本入るか、ちゃんと数えてよ?」

    「はー?ふざけんなよ!灰原ー」

    「あははっ」

    「七海は?」

    「私は遠慮しときます」

    「そっか、じゃあ行ってくるね!」

    数人の足音が笑い声と共に廊下に響き渡る。それを聞きながら窓からの情報に目を通す。
    しかし目が追っているだけで、まったく頭に入ってこない。
    校庭からまた先程と同じ、大きな笑い声が何度も耳に障り、集中出来なかった。

    「よしっ」
    「すげー!」
    「また入ったよ」
    「灰原ほんとに人間かぁ?」
    「当たり前じゃん!」

    灰原の声はうるさい程よく目立ち、嫌でも耳に入ってくるのだ。
    私以外の学生達と楽しそうに過ごす灰原を見ると、だんだんと腹の奥から煮え立つような感情が迫り上がってくる。
    私達は学生ではあるが、呪術師でもあるのだ。
    与えられた時間は数日で、まだ何の情報も掴んでいない。焦っているのは私だけだろうか。

    「はぁ…放課後、今度はどこを探せば良いのか」

    灰原と高専ではない一般の高校で出会っていたら、こんなに親しい仲にはならなかっただろうと、くだらない考えも巡り、溜息ばかり出してしまう。
    だからか、こんな事を言ってしまったのは、自分でも驚いている。

    「は?放課後に?…なんで貴方が行かなければならないんですか?」

    「いや、でも少しの時間だけだし。校庭の整備、園芸部だけじゃ足りないから、バスケ部の子達も手伝うって言ってて」

    「灰原、貴方はここの生徒ではない」

    「そんなの分かってる、でも」

    「分かっていないから言っている!」

    「…え?」

    明るく単純で、人が良い彼の性格を出会ってから好ましく思っていたが、今はどうしてか腹が立って仕方ない。

    「…放課後は私だけで探します。灰原は勝手に、お好きにどうぞ」

    「ねぇ、なんで七海怒ってるの?」

    「…。灰原、ここに遊びに来た訳ではない。貴方こそ、なんでそんな呑気なんです?」

    「僕が、…遊んでるだけだって?」

    失言だと分かっていながら、私の口は止まらなかった。

    「そう見えるから言ってるんです!」

    ガンッとわざと鞄を机に叩きつけ、私は椅子から勢いよく立ち上がり、灰原の顔を見ずに足早に教室を出た。


    ✳✳✳


    「クラスの子からの情報も大事でしょ?古井戸の場所だって、園芸部の子しか知らなかったんだ、だから」

    灰原は園芸部の女子学生から、校庭の奥にある雑木林に古井戸があるという話を聞いたらしい。もしかしたらその場所かもしれないとの連絡を受け、共に深夜の学校へと入った。
    午後10時、誰もいなくなった校庭は懐中電灯のみが頼りで、灰原の顔は暗くよく見えない。

    「そうですね、それはありがとうございました。貴方のお陰です、灰原」

    「七海、なんか今日変だよ?」

    「たった数日でこんなに馴染んで。まるでここの生徒のようで」

    「…なにそれ」

    ずっと聞こえていた足音が消える。後ろを歩いていた灰原の足が止まったのだ。

    「失礼な事を言いますが、…はぁ。聞き流してくれてもかまいませんよ。貴方は…灰原は高専に入って良かったのですか?」

    「七海?何言ってるの?」

    「私は、妹さんの件も知っている。貴方が進んで入学した事も理解しています。…でも」

    「でも?」

    「灰原は、こちら側に」

    「それ以上言わないで」

    「灰原っ」

    「僕は、前に言ったよね?そりゃあ先輩達には到底敵わないけど、自分に力があるって分かって嬉しかったって」

    「……」

    「七海はさ、僕に呪術師なんて出来ないって思ってる?」

    「そんな事はないが」

    「じゃあなんで…」

    「は、」

    「七海、後ろっ!」

    「っ…」

    『グ、ガ、ガアアアア』

    「闇より出でて、闇より黒くその穢れを禊ぎ祓え」

    赤黒い醜い呪霊が2体、古井戸から這うように出てくる。すぐに灰原が帳を降ろし、術式の構えに入る。

    「灰原っ!」

    私もすぐに鉈で呪霊の弱点を探る。動きが早いものが一体、鈍いのが一体。
    等級にしては2級ぐらいだが、片方の呪霊の攻撃が思ったより素早く、何とか攻撃を防ぐ。

    「………黒い焔より生まれし、」

    「こいつがっ」

    「常闇より、我の下にて、」

    「くっ」

    「這い出ろ…カグツチ」

    右手を地面に当て、黒い炎が灰原の辺り一面に広がる。灰原の身体を媒介に、霊獣が降りてくるのを待つ。
    灰原は降霊術師であるが、まだ霊獣を使役してから半年も経っておらず、呪力の不安定さからも召喚するのに時間が掛かってしまう。
    時間が掛かる程呪霊の攻撃を受けやすく、命取りになる。
    それまで自分が打撃を与え時間を稼ぎ、灰原の降霊術で攻撃するか、弱点を見付けた私が仕留めるかどちらかだ。
    なので2人で任務に赴く件も多く、今回もそうだった。

    「さあ、始めようか」

    全身に青黒い炎を纏った灰原の攻撃が効いたのか、呪霊は甲高い悲鳴を上げて崩れ始めた。


    ✳✳✳


    「はあー…疲れたぁ」

    「今日も時間が掛かったな」

    「うん、ごめんね。…僕ってまだまだだなー」

    何とか互いにカバーし合いながら、呪霊達は消滅した。
    気が付けば、夜が明け辺りは明るくなり、地面に転がっている灰原とようやく目が合う。

    「灰原、さっきは」

    「僕も怒ってごめん」

    「いや、灰原は呪術師だ」

    「七海もね」

    「そうだな」

    「帰ろう、僕達の学校に」

    「一緒に、ですよ?」

    「何言ってんの七海、当たり前じゃん!」

    朝日を浴びて、彼の黒髪が反射し輝いている。

    呪術師は基本、夜に行動する存在である。
    しかし灰原雄という男は、その真逆である眩しい程の朝が、とても良く似合うのだ。
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    nononoko1996666

    MOURNING呪詛師灰原②(前の話とはまったく続いていません)。
    自分に出来ることを精一杯やっていたら、呪詛師になってしまった灰原。呪術師の七海は灰原くんの邪魔ばかりしてる。
    明るい灰原くんはいません。酷い灰原くんはいます。
    あと激重七海はいます(七海視点)。

    別に灰原くんに呪詛師が似合うとかじゃなくて、完全な私の趣味です!書きたいとこだけ!
    暗転「………ぁ」

    「灰原っ!!!」

    必死に腕を伸ばすも届かず、名前を呼ぶことしか出来なかった。
    一瞬にして鉄骨が崩れ落ち、コンクリートの破片が辺り一面に飛び散る。
    灰原と依頼主が中に取り残されてしまい、焦りながら私が鉈を必死に振りかざしている間に、もう一人の依頼主が居なくなっていた事に気付けなかった。

    「どうか、生きていてくれ…」


    ✳✳✳


    縋るような灰原の泣き顔を、初めて見た。
    見開いた瞳からは止めどなく涙が流れ、腕に抱えている依頼主を見詰めている。

    「ねぇ、…あの当主って言ってた人、この子置いて逃げたんだ。…ねぇ、どうしてかな?」

    「考えるな灰原、こっちへ来い…早く」

    今回は嵌められたのだ。私達はあの当主という男に、2級に依頼する任務にしてはおかしいと感じていたというのに。
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    可愛い君がいっぱい見たい単独任務が終わり、次の任務に行く補助監督を見送り徒歩で帰宅する。その道中で女性物の服屋にある一つのマネキンに目が止まった。正確にはマネキンが着ている服に。白のブラウスにカーディガン、ロングスカートとショートブーツという春らしい装いだ。
    (これなら灰原も着てくれるだろうか)
    頭に思い浮かべるのは愛しい恋人の姿。彼女の名前は灰原雄、高専の同級生だ。付き合いだして半年経つが七海には悩みがあった。等級違いの任務で負傷して以降、彼女が男物の服しか着ないのだ。それまで制服は通常の上着とカスタムのキュロットを着用していたのに、復帰時には上着は短ランに、キュロットは男子と同じズボンに変わっていた。私服も今までは可愛らしいものが多かったのに、最近はパーカーとジーンズのようなシンプルな装いばかりになっていた。それが彼女の好みなら文句は言わない。しかし、一緒に出かける時に同性に羨望の眼差しを向けていることを七海は知っている。だからこそやるせなかった。一度「前みたいに可愛い服は着ないのか?」と聞いてみた結果「可愛い服の似合う女の子と付き合えば?」と返され大喧嘩に発展してしまったので以降服装の話題は出さない様にしている。格好いい彼女ももちろん素敵だが、それ以上にいろんな姿の彼女が見たいというのが本音だった。
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    ここから見てわかる通り、灰七だけど灰が知らないモブ女とくっつきます。地雷な人は避けてください。(ふんわり現パロ)
    今ではないかもしれないのですが、私は今書きたいと思いました。
    幸福の味灰原雄が好きだと気が付くまで、馬鹿みたいに時間がかかった。
    出会ったのは、大学生の頃。四年生の大学で、自分と灰原の学科は違うが、時々被る必修科目があった。
    黒い髪に快活な性格。誰にでも優しく愛嬌があって、人のいいところを探すのがうまかった。
    こんな不愛想で退屈な私に何度も笑いかけ、根気よく友人を続けていてくれた。
    灰原の笑顔を見ると、まるで太陽を直視しようとしているみたいで、思わず目が細まってしまう。それがずっと不愉快だったのに、いつからかそれでもその笑顔に手を伸ばそうとしている自分に気が付いた。
    七海、七海。
    灰原に名前を呼ばれる毎に、自分の頬の強張りが少しずつ柔らかくなっていくのを感じた。
    どれだけ疑って否定しても、自分が灰原雄に恋をしているのだという結論に何度も何度も行きついた。
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