『試される』② Sideカラ松『好きな人に告白されるなんて幸せすぎじゃない?』
まだオレがシャイでナイーブなティーネイジャーだった頃。学び舎を同じくするガールズ達が、小鳥の様に賑やかな噂話を交わす、その中で耳に飛び込んできたひと言だ。
確かに、それほどスペシャルな奇跡は無いだろう。特にオレの様に数奇な試練を与えられた者にとっては、それはもう、ありとあらゆる神々に感謝を捧げたくなるくらいの奇跡に違いない。
ただしそれが本当に、本気の、告白ならば。
「信用できない。」
正直に告げた声は、自分でも驚くほど低かった。ピシリと音がしそうなほど分かりやすく固まった、正面の弟。そう、弟であり、オレの想い人。これこそがまさに数奇の運命。だが先の告白を頭から信じられるほど、オレはもう無知で純真な子供ではない。
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