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    syako_km2

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    むざこく30本ノック④
    2日目
    職場で手ックスするむざこく

    #むざこく30本ノック
    random30Knocks
    #むざこく
    unscrupulousCountry

    職場で手ックスするむざこく ソファで資料を読んでいる無惨が、ポンポンとソファを叩いた。
    「何ですか?」
    「前に立っていられると気が散る。それに質問したい時に不便だから、横に座れ」
    「御意」
     何も考えず無惨の右隣に座る。もう一部用意していた資料を黒死牟も読み始めると、突然、膝の上に置いていた左手に無惨が右手を添えてきた。
    「何か御用で?」
    「別に」
     無惨に手を握られることなど、今更珍しいことではない。利き手ではないので使えなくても特に不便とは思わないので、黒死牟は気にせず資料を読んでいた。
     相手にしないでおこうと思っていたが、無惨は黒死牟の手の甲を人差し指で擦って遊び始めた。指の形をなぞってみたり、指の間を撫でてみたり、と遠慮なく黒死牟の手を触っている。
     くすぐったいので「無惨様」と声をかけると、無惨は左手の人差し指を自分の口許に近付け、黙るようジェスチャーしてきた。
     ふと周囲を見ると、二人がソファに並んで座っていることに誰も気付いていない。ある意味、見慣れた光景の為、誰も意識しないのだ。
     無惨の意図を悟った黒死牟は、てのひらを上に向けると、無惨はやや性急に指を絡めて強く握ってきた。革張りのソファに強く押し付けられ、これはまるで昨夜のベッドでの出来事を思い返させるような仕草である。こうして互いの指を絡め合いながら、シーツに押し付けられる感触を幾度となく味わってきた。
     ゆっくりと無惨の手は離れ、指の腹で黒死牟のてのひらを撫でる。窪みを押してみたり、爪の先で擽ってみたり、程好い刺激を与えてくる。マッサージのような心地好さがあったが、そんなもので済みそうにない。黒死牟の人差し指と中指を握ると、ゆっくりと上下に動かし始めた。それはさながら下腹部のそれを扱くような手つきで緩急を付けて動かし、指先で爪の先を撫でるという細かい仕草まで真似てみせる。
     次に腕時計の隙間に人差し指を侵入させて、器用にバックルを外してくる。金属製のベルトから解放され、剥き出しになった手首を掴み、己のてのひらを擦りつけてくる。
     ただ手と手を合わせているだけにすぎないのに、何とも官能的で、背筋にぞくりとした甘い刺激が駆け抜ける。互いに指を絡ませ、指先を小刻みに動かし、にぎにぎとしていると小さな咳払いが聞こえた。
    「あのさぁ、お二人とも……ここ職場なんだけど」
     童磨が苦笑いして目の前に立っている。ふと周囲を見ると、皆、気まずそうに俯く。二人が何をしているのか気付いて、代表して童磨が苦情を言いに来たようだ。
    「黒死牟の手を指圧していただけだが、何か文句あるのか?」
    「指圧の割には黒死牟殿がものすごぉーく気持ち良さそうな顔をしていて、皆が仕事に集中できないので、そういうのは家でやってもらって良いですか?」
     そう指摘され、黒死牟は咄嗟に資料で顔を隠した。
    「私は指圧が上手いのだ。お前にもやってやろうか?」
    「駄目です!」
     無惨の右手が童磨に伸びた瞬間、黒死牟はその手を強く掴んだ。
    「そういうことですよ、先生。続きはご自宅でどうぞ」
     他人に指摘されるほど恥ずかしいことはなく、黒死牟はずっと資料で顔を隠しているが、無惨から見ると、真っ赤な横顔が丸見えの状態である。無惨は顔を近付けて、ふっと息を耳朶に吹き掛けた。
    「ひゃあっ……」
     あの黒死牟が、そんな可愛い声を出すのか……と全員が驚いて、その時持っていた物を全員が落としたが、次の瞬間、全員が同じことを思うのである。

     だから、家でやれって、と。
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    13日目
    零余子、上司共へのストレス発散にBL同人誌にしてしまう
    零余子、上司共へのストレス発散にBL同人誌にしてしまう 今日もやっと1日が終わった。
     朝から晩まで、あの鬼上司2人に扱き使われたのだ。
    「おい、零余子!」
    「はい!」
    「零余子!」
    「はいー!!!!」
     多分、この数年で確実に親より名前を呼ばれている。これまで割と要領良く生きてきたので、こんなに怒鳴り散らされることはなかった。
     初めは鬼舞辻事務所に就職が決まり大喜びした。
     今をときめくイケメン政治家、鬼舞辻無惨の下で働けるなんて……その上、彼は独身。もしかして、もしかする、未来のファーストレディになれるようなルートが待っているかもしれない!? と馬鹿な期待をして入職したのだが、それは夢どころか大きな間違いだった。
     毎日怒鳴り散らされ、何を言っても否定され、無惨だけでも心がバキバキに折れそうなのに、これまたイケメンの秘書、黒死牟が更にエグイ。まず行動原理が「無惨様のため」なので、無惨の怒りを買った時点で、どんな言い訳をしても通用しない。こちらに非が無くても、無惨に怒鳴られ、黒死牟にネチネチと嫌味を言われ、最悪のコンボが待っている。
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    TRAININGむざこくアドベントカレンダー
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    遊園地にお忍びで遊びに行ったら、事件に巻き込まれ、デートしているところをTVで報道されてしまい、進退極まるが、実は仕事関係で行っただけで、二人は付き合ってるとかじゃないんだけど、無惨様が腹括ってシボと付き合ってることをカミングアウトしてしまい、それが世間じゃ真実と捉えられ、すったもんだから、付き合うことになってしまう二人
    遊園地デート 国会での汚いヤジはある種の名物である。美学に反する為、自分は絶対にヤジを飛ばす側をしないし、どんなヤジを投げつけられても、弱い犬の遠吠えだと気に留めたことすらなかった。だが、今回ばかりは完全に無視できない。その上、言い返したい、寧ろ言った人間の胸倉を掴んで、数発殴って歯の一本でも折ってやりたいとさえ思った。
     その理由は、自分だけでなく、矛先が秘書の黒死牟にも向かっているからだ。
    「うちの秘書は関係ないでしょう」
    「関係ないことないだろう!」
    「庇うのはお前らがデキてるからだろう!」
     マイクでは拾えない程度の音量で、お前がケツを出したのか? 等、聞くに堪えない下品なヤジが国会内に飛び交っている。
     おい、女性議員よ。こんな時に「セクハラだ」って怒れよ……と無惨は呆れながら、ヤジにマジレスするのは大人気ないと必死に堪えている。
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