💚💛好きな人が猫になりまして「嘘だろ……」
思わず声が出た。
目の前の光景をすぐには理解することができなくて、俺をラウンジまで引っ張ってきた二人を振り返る。
「嘘ならよかったんじゃが……」
「びっくりでしょ?」
どうしたものか、とうろうろして焦ってるパムと肩を竦めて首を振るなのと。二人の声に反応するようにぴくぴく、と動く黒いつやつやした耳を見て、「ああこれ現実なんだ」って認めざるを得なかった。
二人の「どうしよう」って言いたげな視線の先にいるのは、ラウンジのソファに行儀よく座る──と言うよりも、固まってる状態に近い丹恒だ。
「これさ、本物なのか……?」
そんな丹恒の頭には、見慣れてないわけじゃないけど、本来ならそこにはないだろって突っ込みたくなるような、有り得ないものがついてた。
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